①日本人が知らない米メディアの実態 :240214情報
アメリカで起きていることについて日本メディアの情報を鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、日本メディアは現地取材といいながら、直接取材はしていないからです。現地のテレビ局から映像をもらい、現地メディアのコメントを日本語に翻訳して、さも取材したかのように情報を垂れ流しているからです。
実際、ホワイトハウスに乗り込んで取材した記者など見たことがないでしょう。まして、紛争地や戦場にさえ行ったことがなく、すべて、全米メディアの情報を垂れ流すことができないのが日本メディアです。
しかも、もし仮に、日本メディアの情報源である全米メディアが、世界に誇る朝日新聞のように捏造記事を垂れ流しているとしたら読者は同おもうでしょうか。
本紙おなじみの伊勢雅臣さんにご登場いただき、許可を得て「ニューヨーク・タイムズに見るマスメディアの暴走の軌跡」をお届けします。
ニューヨーク・タイムズに見るマスメディアの暴走の軌跡
■1.「トランプは気が狂っています」
「うわー、これでは朝日新聞よりひどい」と思ったのは、アメリカのマスメディアを論じた『失われた報道の自由』を読んだ時です。アメリカの新聞やテレビがトランプ大統領に投げつける「悪罵」に比べれば、朝日新聞の方がよほど紳士的です。いくつか例を挙げましょう。
・「私たちの大統領は情緒不安定な人物です。説明しがたい行動をとっています」——ニュ一ヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、トーマス・フリードマン(2018年2月21日)
・「トランプは気が狂っています。恥ずかしいことです」——CNNの司会者、ドン・レモン(2017年8月22日)
「情緒不安定」とか「気が狂っている」とは人格攻撃そのものですね。
・「あなたがトランプに投票したのなら、あなた、つまりドナルド・トランプではなく投票者であるあなたは、ナチスに足を踏み入れようとしています。『おいで、おいで』と誘われているのです・・・これこそドナルド・トランプの悪魔のような力です」——bMSNBCのゲスト、ドニー・ドイツ(2018年6月18日)
ついには、トランプに投票した人々も、悪魔の仲間にされてしまいました。この本にはこんな悪罵が466件も紹介されています。
日本の新聞やマスコミも、モリカケやサクラで延々と政権攻撃を続けてきましたが、こんなあからさまな人格攻撃をしたら、視聴者、購読者からそっぽを向かれるでしょう(実際にそっぽを向かれている向きも多少はあるようですが)。
それだけ日本国民の方が民度が高いのでは、と妙な自信を持ってしまいました。
■2.民主主義を破壊するマスメディアの暴走
私はアメリカに留学と駐在を合わせて合計7年間暮らし、その間、かの地の新聞やテレビを見てきましたが、さすがと思われるような質の高い記事や番組に接して、これがアメリカの民主主義の基盤だな、と一目置いていました。しかし、その観察はすでに時代遅れになったようです。
世論調査会社ギャラップ社の調査によると、2017年時点で民主党支持者の76%がメディアを信頼している、と答える一方、共和党支持者のメディアへの信頼度はわずか21%となっています。
それはそうでしょう、「トランプは気が狂っています」とか、「あなたがトランプに投票したのなら、・・・ナチスに足を踏み入れようとしています」などと言われたら、民主党支持者は「そうだ、そうだ」と共鳴し、共和党支持者は「狂っているのはお前の方だ」と反発するだけでしょう。
単なる悪罵ではなく、メディアが「トランプの政策のこういう処は反対する。その理由は,,,」と論理的に述べたのなら、支持政党には関わらず「いや、その点は納得できない」とか、「なるほど、この点は一理ある」と論理的な議論ができるのです。
しかし「気が狂っています」とか「ナチスに足を踏み入れようとしている」では議論になりません。トランプ大統領を好きか嫌いかで、国民を分断させるだけです。これでは国民が自ら政治のあるべき姿を考え選択する、という民主主義の基盤をマスメディア自体が破壊していることになります。
最近の「ブラック・ライブス・マター」での暴動騒ぎや、次第に明らかにされつつある民主党側の選挙不正を見ると、アメリカの民主主義の劣化があきらかになってきていますが、こういうマスメディアの暴走もその要因の一つになっているように思われます。
(つづく)
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