赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

①中国のロビー活動の実態——アメリカにおけるロビー活動

2024-12-05 00:00:00 | 政治見解
①中国のロビー活動の実態
——アメリカにおけるロビー活動




今日から11回にわたり、中国によるロビー活動の実態をインテリジェンスの専門家によりお話いただきます。もはや日米の政治家の大半が中国に篭絡されていることがわかると思います。

とくに、第6回以降には、日本の政治家に対するあからさまな工作と岸田前首相、林芳正官房長官、河野洋平・太郎の実名入りの解説もあり、読者は激怒することになると思います。これを一読された良識ある日本人が一人でも立ち上がることを望みます。

本講演録は、特別に許可を頂いて公表いて公表いたしております。


アメリカ政界への深い影響力

私は、大学では主にインテリジェンスという分野を研究しています。「インテリジェンス」という言葉は幅広い意味を持っているのですが、私の場合は主にカウンターインテリ ジェンスと呼ばれる防諜や、外国で積極的な情報収集に乗り出すアクティブメジャーズと呼ばれる諜報活動について、研究しています。

さて、本講座では中国の日本とアメリカにおけるロビー活動の実態について、お話ししてまいりたいと思います。そもそもロビー活動というのは、どういう活動を意味するのでしょうか。この講座をお聞きになられている方は、ある程度の知識はお持ちかと思いますけれども、今一度どういう活動なのかを振り返り、その上で中国による具体的なロビー活動とその影響を見てまいりたいと思います。

まず;①ロビー活動とは。これは一言で言えば、議会への陳情や働きかけのことです。 日本もアメリカもともに憲法に定められた請願権の行使に当たります。ロビー活動には、それを依頼する自分たちの利権のために、政治に働きかけるネガティブなイメージと、情報提供により建設的な政策提言につなげるというポジティブなイメ ージの両面があります。ここでは、中国のことでございますから、もっぱら負の側面しかないだろうということで、そうした面について焦点を当ててお話をしていきたいと思います。

ロビー活動は、特にアメリカでは活発で、首都のワシントンでは石を投げればロビイス卜に当たると言われるほどでございまして、アメリカの調査サイト「オープンシークレッツ」によりますと、アメリカではロビー会社は約2,000社もあり、1万2,000人以上がロビイストとして登録しています。

この外国代理人登録法というのがあって、ロビー活動をする時には登録しなければならない、そういう規定があります。

このロビイストの周辺人材を含めますと、ロビー活動をしている人は実際にはもっと多く、その数は2人から3万人、さらにその倍ぐらいはいるのではないかと見られています。上下両院議員の1人につき、だいたい24〜25人のロビイストがいるという計算になります。

ロビー会社に支払われた顧問料の総額は、10年前の数字でちょっと古いんですけれ ども、約35億ドル。日本円にして5,425億円払われているんですね。議会が開会中の日割りだと、当時の日本円でざっと1日15億円のロビー料が支払われている勘定になります。

参考までに、日本政府の2021年のロビー活動費は4,000万ドル、約62億円でした。昨年 2023年は少し増えまして、4,934万ドル、約74億円。昨年比で13.4%増えています。中国 は2021年現在で、日本は4,000万ドルでしたけれども、中国は6,850万ドル、約106億円 となっています。

経済成長率や軍事費の統計を詐称することなど朝飯前の中国共産党政権、彼らがワシン トンでロビー活動に本格的に乗り出して跳梁跋扈している現在、届け出ている数字とは別 に、その額は2倍3倍に跳ね上がっていると見てよいでしょう。

この登録制度ですけれども、欧州連合(EU)でもロビー活動をする団体の透明性登録簿というものがありまして、企業関係者らがいつどこで誰と何をテーマに面会したのかと いった情報が、事細かくホームページで公開されております。

日本国内では中国政府関係者がたくさんうごめいておりまして、その活動実態に少しでも透明性を持たせるために、 例えば当代きっての親中媚中派でならす河野洋平元衆議院議長が会長を務める日中国際貿易促進協会ーーこれは国貿促と言うんですけれども、こういった団体など、日中友好7団 体と言われるような団体に対して、同じようなロビイスト登録制度を導入すべきだと思います。一番最後の部分ですね。

共産党独裁というかの国のことですから——中国ですね——中国ビジネスで儲けて、内心は親中派や媚中派でも、他人にそれを指摘されると否定したり怒ったりする人が結構少なくないものですけれども、この河野洋平さんとか福田康夫元総理などはあきれたことに、そう言われて逆に喜ぶというのだから、救いがたいものがありますよね。


ワシントンDC.のパワーゲームと中国ロビー

さて、ワシントンには連邦議会議員とそのスタッフ、弁護士などの法律家、マスコミ関係者、ロビイストの4種類の職業従事者が幅を利かせていると言われます。この4種類しかワシントンにはいない、などとも言われていましたけれども、実際のところ、そういう人たちが多いです。

アメリカではこの外国代理人登録法の他に、その前提としてロビー活動公 開法(Lobbying Disclosure Act)というものがあるんですけれども、これによってロビイストの活動や、その依頼者が誰なのか、細かな情報をすべて公開する義務がありまして、開かれた形でロビー活動が行われています。

特に外国法人や個人の場合、アメリカ以外の外国に利益となる不当な情報操作を防ぐために、自国政府を代弁する広報活動を行う 代理人として、今申し上げたこの外国代理人登録法というのが義務づけられております。

アメリカでは、ロビー活動公開法により、これは外国関係なく自国アメリカでもそうです。議会に身分登録する必要があるんですね。企業などがロビイストを雇って議員や政府高官に政策立案を働きかけるのが一般的なんですけれども、各社は四半期ごとにロビー活 動の内容や報酬額などを、アメリカ議会に報告することが義務づけられております。

一口にロビイストと言ってもさまざまで、だいたい4つのタイプに分けられるというんですね。これは新日本パブリック・アフェアーズという会社がありまして、そこの代表取締をやられている小原さんという方が『広報会議』という冊子で見解を述べられて、4つに分類しているんですけれども、言い得て妙だ なということで、正確にというので私もここで紹介させていただきたいと思います。

1つ目はPR会社、あるいは広告会社系のロビイスト。一般大衆に広く訴えかけることに よって、政府機関を動かすタイプでありまして、例えば乳がんの早期発見・治療の大切さ を訴えるピンクリボン活動というのがございますね。これなんかはこのPR系のタイプのロ ビー活動によって広まったとされています。

2つ目は政府高官、連邦機関の関係者、そして専門分野に強い官僚出身者などでございます。例えば、運輸省の自動車担当をしていた経験を生かし、専門領域で政策を誘導していくタイプがこれに当たります。私がワシントン特派員の時に近所のパブによく行っていたんですけれども、そこで知り合ったアメリカ運輸省の高官もその1人なんですね。今は もうリタイアしていますけれども、彼は幼い頃、東京にあるアメリカ軍の横田基地で育つ たという、自分も空軍になりまして、元佐官でございまして、運輸省の独立捜査官という 役職を経てアメリカの自動車メーカーに雇われ、トヨタ対策のロビーイングを行っておりました。

3つ目は、閣僚を辞めたり引退した大物議員です。あとでお話しするアメリカクリントン政権時代のオルブライト元国務長官などですね。議員時代の人脈の広さに加えて、政治の駆け引きに精通しているため、困難な目標も政治力でねじ伏せていくことができるのであります。 

4つ目は、法律事務所や会計局事務所系のロビイストです。法律や税務に精通しているため、新しい法律を作って成立させる際、日本でもパブコメと言われるパブリックコメン 卜に対して精査を行い、専門的な意見を提出したりします。

こういったロビイストのタイプは日本にも共通する部分がありますけれども、アメリカはより組織的で、規模も日本と違ってとてつもなく大きいのが特徴です。さらには日本やイギリスのような議員内閣制ではなく、アメリカの場合は大統領制という政治の仕組みもありまして、2つ目で紹介した政府高官や連邦機関の関係者などの場合、大統領が替わるたびにポリティカルアポインティ――日本語では政治任用と言うんですけれども――このポリティカルアポイントで局長級以上がごそっと入れ替わるのも特徴なんですね。

人呼んで「回転ドア」と言われています。政府と民間を行ったり来たりしながら、専門性を武器に依頼者の要求実現に向けた立法府、すなわち連邦議会への働きかけを強めていく役割 があるために、「回転ドア」と呼ばれております。メディアとのパイプも彼らの強みでございまして、場合によっては企業のスポークスマ ンになることもあります。

(つづく)
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