コラム(178):小池百合子氏、都知事選出馬表明
自民党の小池百合子元防衛相が東京都知事選(7月31日投開票)への立候補を表明しました。同氏は「都政の信頼回復、停滞の解消、希望あふれる未来の首都・東京の構築のため、崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」との決意を語っています。
自民党都連の古臭い体質
小池氏の出馬表明で、自民党内では都連幹部を中心に「挨拶がない」「一言も聞いていない」「相談がない」などの声が出ているようです。これは、自民党内に昔ながらの古い体質が残っていることを証明するものです。若い人たちには、田舎の町会の寄り合いの「町会長に挨拶がねぇぞ」という古臭い慣習のように映っています。自民党はこうした嫌われる体質を客観視しなければなりません。
先般、超党派の都議団がリオ・オリンピック視察の中止決定をしましたが、これは自己保身に走っただけにすぎません。都議の殆どが、舛添氏と同様に叩けばホコリが出てくるからです。本当は彼らには舛添氏を追及する資格などなかったのです。
密室談合の候補者はいらない
そんな人たちが談合し都知事候補を擁立したとして、都民はその候補者に投票するでしょうか。
すでに候補者選びの段階で、自己保身と既得権益を守ろうとする姿勢が表れています。
オリンピックの開催都市である東京の顔を密室談合で決めることは、日本人が田舎者であることを国際社会にさらすようなものです。民主主義の原理をも否定する前時代的な振る舞い、これでは都民の一層の反発を招くだけになります。
一方、小池氏の出馬表明に対し、党内の不協和音を記者の前で口にする都連会長の石原伸晃氏や都連幹部は都民の評判を落としています。都民に悪印象を与える前に、党内で潔く小池百合子氏に一本化するべきです。
これを機に、党派にかかわらず古い体質の国会議員や都議の皆様にはお引き取り頂きたいものです。
志のある人が都知事になるべき
「出たい人に出てもらうのではなく、周りが出したい人を出す」とか「後出しじゃんけんがいい」などと政治の本質から外れた姑息な議論をするのではなく、都知事になって東京を良くしたいと考える人、そして、きちんとした政策を持った人が、責任を持って知事になればよいのです。
記者会見を見ると、これだけでも小池百合子氏の方が、談合密室で選ばれる可能性のある候補者よりはるかに正当性があります。また、「女性が輝く日本!」として女性の活躍を推進している安倍内閣の方針に明確に合致しています。
舛添氏の辞任と、それに伴う自民党都議連幹部のお粗末な処理の仕方に都民は怒っているのです。こうした都民感情を元に戻すには、仕事に対する誠実さや優しさ、女性ならではの思いやりの力が必要とされているのではないでしょうか。
都議会もテレビ公開される時代です。仮に、現在与党である自民議員が反対しても、古い体質の自民党と決別している小池氏の姿は、都民から大きな支持を得ることになります。
かつて、石原慎太郎氏が都知事に就任したとき、自民党都連とは対立関係にありました。しかし、石原氏の政策実行力に自民党が軍門に下った経緯があります。小池氏には周囲の雑音を気にすることなく、初志貫徹していただきたいと思います。
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