赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ウイルスが世界を変えつつある③―国家の機能編 current topics(488)

2020-03-30 12:05:05 | 政治見解



current topics(488):
ウイルスが世界を変えつつある③―国家の機能編 


今回は、ウイルスが日本という国家にどのような影響をあたえているのかについてインタビューしました。

① ウイルスの感染が拡大するといくら国境を閉じようが防疫はもはや不可能であることを世界の国々が示しています。日本も例外ではなく、感染対策に大わらわですが、ウイルスが日本という国に何を突きつけているのか、その解説をお願いします。

戦後築いてきた日本の国際的な地位が揺らぎ始めています。また、今回のコロナウイルス発生の対処姿勢や対処方法がきっかけで国民の政府への信頼が薄くなり始めています。

最近の日本はメディアの影響もあり、日本を実力以上に自画自賛する傾向があります。お隣の韓国と同じです。ところが、大きな自然災害や、疫病の発生の時に、国家としての本当の実力が試されるわけです。

実際には稚拙な防災対策、無策の原発建設、未熟な医療技術、無能な政治と政治家、劣化した教育システム、機能不全の行政システムなど様々なところに問題が生じています。

日本に誇りを持つことは結構なことですが、こうした実態を直視しなければならない時が来ています。従来優れていると思われていたもの、権威があると思われていたものの実態を見抜く視点が大切です。



② 政府は感染者の爆発的な増加に備え、法律に基づく「政府対策本部」を立ち上げましたが、緊急事態であるにも関わらず長時間を要しました。また、一部の人からは「現時点で緊急事態法は不要であるし、将来にわたってもデメリットが大きすぎて適用すべきではない」などとの意見も散見されます。国内には、人命よりも法律がすべてに優先されるべきとの考えが蔓延しているように思われてなりません。これこそが日本の病理の一つではないかと思えるのですが・・・。

政治家はコロナウィルス対策だと言って、「法律ではこうだから、法律を作らなければ」と考える愚かさが目立ちます。本当の政治家であればそんな枠から離れて深い洞察で判断して欲しいものです。

コロナウィルスの対応を見て感じることは、「個人情報保護法」がウイルスの拡散防止の邪魔をしているだけでなく、対応を後手後手にしていたことでした。緊急で実施しなければならないのに、「法律では、ここでは検査できません。」「法律では保険が適用されません。」「法律では行動の自由を制限できません。」と、何をするにも法律を整備してからだと言って、すぐに着手しませんでした。

これは、目の前で溺れている我が子を助けるために法律に照らし合わせてから動くようなものです。要は、「あなたは法律が無ければ人の命を救うことができないのですか?」と言うことです。人の一番大切なことを忘れているようです。

いつから人は法律が無ければ考えたり動いたりできなくなってしまったのでしょうか。法律が人の命を救ってくれるわけではありません。人間の心の中の本質で判断すればいいだけのことを、みんな忘れているのです。
人類の危機の時には法律は何の役にも立ちません。当然、体系的廃棄の対象の中には政治家や憲法や法律も入っているわけです。

コロナウィルスで人々は法律には大した価値がないことを学んだのではないでしょうか。法律そのもののイノベーションですね。



③ 非常事態宣言が出せない理由に経済問題がありますが?

コロナウィルスで苦しむ人たちを助けてあげたいのか、それとも目先のお金を手に入れることが大切なのでしょうか?もし、経済のために人の命を助けることができなかったのなら、あなた方はずっと後悔することになります。


④ さきほど、個人情報保護法がコロナウイルスの拡散防止の邪魔をしたとのご指摘がありました。確かに個人情報保護法は、個人のプライバシーを守るために役立っていても、社会的な危機が生じたときには市民が知りうべき情報が開示されないことにより圧倒的多数の人の命を危険にさらしている現実があります。この問題についての見解をお願いします。

個人情報保護法立法の趣旨は、個人情報が商売の道具や悪意で利用されては不測の不利益を被るかもしれないという人間の不安感に基づいたものです。

プライバシーとは個人の思考や生活の中身を知られたくない権利とでもいえますが、こうした考え方があること自体が社会を分断させるもとになっています。

知られたくないこととは例えば下記のようなことでしょうか?

貯金はいくら持っている、家は持ち家か、どこの大学を卒業したか、独身か既婚か、趣味は何か、どこに住んでいるか、電話番号は何番か、家族構成は、子供の学校はどこか、病気か健康か、などの事柄がプライバシーにあたるのでしょうか。

しかし、よくよく考えてみると実は隠す必要のないことばかりです。お互いに相手をよく理解して調和した生活を送るうえではむしろお互いに分かり合っていたほうが便利なことばかりです。

恐らく、悪意を持って利用しようとする人がいるためにすべてを隠す権利を作ったのだと思います。人の暮らしの中でとても大切なものを捨ててしまって代わりに隠し事の権利を手にしたわけです。

コロナウイルスに関連して言えば、感染してない人たちの自己防衛のために感染者の個人情報を知るのではなく、感染した人の状況をみんなが知って理解し、その人を優しく守り助けるための大事な情報なのです。つまり、基本的なスタンスが全く逆なのです。

感染者を汚いもの、悪いものを見るような視点で自分を守ろうとする考えと行動は、いかにも卑怯な考えです。
感染者を助けるためには、現行の「個人情報保護法」が大きな妨げになっているのです。

この機会に、お互いの心を透明にし、噓や隠し事のない社会になることを願っています。



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