赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

トランプ政権の中国つぶしは本気 コラム(280)

2018-10-19 11:55:15 | 政治見解





コラム(280):トランプ政権の中国つぶしは本気



米中間では高率の関税上乗せの攻防が繰り広げられています。

アメリカは中国に対し貿易赤字の削減を求めているだけではありません。アメリカは中国の経済的、軍事的覇権主義を潰そうとしているのです。

メディアは米中間の貿易摩擦の弊害部分ばかりを報じ、勢いトランプ政権の批判に偏っていますが、こうしたメディアの報道は正しいとは言えません。


万国郵便連合離脱の意味

トランプ政権は17日、国連専門機関の万国郵便連合(UPU)からの離脱手続きを始めると発表しました。理由に、中国からの小包料金が安く設定されているため、アメリカ国内の配送業者の負担が大きすぎることを挙げています【※1】。

【※1】万国郵便連合の合意の一つに、「国際郵便料金はそれぞれの国で徴収し使用すること」とある。中国の郵便料金は極めて安い。

中国からの小包はアメリカにとっては個人輸入に当たるケースが多く、その数はおびただしく、しかも、小包は輸入関税の引き上げの対象外となっていました。これに制限をかけることは、アメリカが本気で中国製品のすべてを排除し始めたことを意味します。


中国との対決方針「国家安全保障戦略」は揺るがない

2017年12月、トランプ大統領は、「アメリカが世界における優位性を取り戻し、能力拡大の方向性を示す」として「米国の国益を促進する国家安全保障戦略【※2】」を発表しました。

【※2】 I. 国土と国民、米国の生活様式を守る、II. 米国の繁栄を促進する、III. 力による平和を維持する、IV. 米国の影響力を向上する、の四つの柱からなる。

ここには「中国やロシアなど米国の国益や価値観と対極にある勢力との対決」を明確に記述しています。


アメリカ国内で日常化している中国諜報活動

米中の攻防は日増しに激しさを増しています。すでに報じられているように、中国政府要人の個人資産の凍結をはじめ、トランプ米大統領は「米国に来るほとんどすべての中国人学生はスパイだ」と断言しています。これを受け中国は慌てて「幹部子弟の米国留学の禁止および留学中の幹部子弟の年内帰国通達」を出しています。トランプ大統領の指摘はその通りなのです。

また、アメリカ司法省は中国共産党政権が管理する新華社通信を中国政府の諜報機関だと認定し、中国中央テレビ(CCTV)と同傘下のCGTNも外国代理人登録法(エージェント登録)に登録するよう命じました。これはホワイトハウスの取材活動などを制限し、報道機関も含め厳重な監視体制を実施するということです。

さらに、10月4日ペンス副大統領は、違法な経済活動や東シナ海や南シナ海で進出を強める中国の覇権主義や、中間選挙で共和党に対する妨害工作する中国政府を激しく非難しました。

一方、中国は冒頭述べたように、「中国への関税引き上げでアメリカ国内の生産者や消費者が困っている」というネガティブ情報を中国資本が入っているアメリカメディアを中心に流しています。

実はこれこそが中国による諜報活動なのです。


中国をつぶしにかかるトランプ政権

中国マーケットに期待をして投資や進出を続ける日本企業がいかに危険な橋をわたっているのかがわかるはずです。


当ブログが最も信頼する情報筋は次のように語っています。

中国にとって、アメリカによるさまざまな制裁が、米軍による軍事攻撃での被害よりも数倍もの打撃となることは間違いありません。

アメリカの一連の流れは中国に的を絞っての攻撃態勢であることを意味しています。

中国による南シナ海人工島基地建設を始め、諸外国の港湾支配、インフラ整備、経済援助と称する侵略計画のすべてを中国政府が撤回、撤退するまで経済制裁を続けるようです。

アメリカはだいぶ怒っています。

実は、アメリカ政府のいくつかの選択肢の中に、追い詰められた中国の動き次第で「核兵器使用」が入っているからです。

見誤ってはいけないのは、アメリカは本気で中国潰しに入っていると言うことです。



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