赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

民富んで国栄える コラム(158)

2016-03-25 00:00:00 | 政治見解



コラム(158):民富んで国栄える


消費税増税に慎重論が出ている中で野党は、「消費税増税の先送りは選挙目的」「政策がころころ変わる」などの批判をしています。

しかし、消費税増税で日本経済がどうなっていくのかという本質的な議論は見られません。消費税増税問題が単に政党間の駆け引きの材料になっていることを残念に思います。


財務官僚の影響

消費増税を積極的に推進しているのは財務省です。財務省は「国の借金は将来世代へツケを残すから増税すべき」という考えです。財務省の増税やむなしの観念は強く、与野党を問わず多くの政治家に影響を与えています。また、マスコミも財務省資料に基づいて経済記事を書くため、財務省の見解と同様の記事になります。さらに、経済評論家も然りです。

政治家もマスコミも評論家も財務省の考えの受け売りをしているのです。


財政規律論の弊害

財務省にとっての関心事項は、財政にかかわる数値資料だけで国民の立場で物事を考えているわけではありません。国の財政が赤字になったら、増税して埋めればよいという発想となります。これは極めて安易な発想であって、結果的に国家と国民を対立する関係に誘導してしまいます。

財政規律論に捉われている財務官僚は、国家は国民を統制しなければならないと考えているので、国民の豊かさの論議は後回しにされてしまいます。


国の借金の質

財務省の話だけを聞くと、日本経済に対する危機感を抱きますが、国の借金の中身を見ると、外国に多額の借金があるわけではなく、国民が国にお金を貸している状態です。つまり、よその家に借金しているのではなく、家族間で貸し借りをしている関係にすぎないのです。

しかも、日本の対外純資産(国全体の対外的な資産残高から負債残高を差し引いた数値)は、2014年末で約367兆あり、世界最大の債権国の地位は変わりません。国の借金問題は日本経済にとって殆ど影響がないというのが真相なのです。


民富んで国栄える

消費税の増税をせずに税収を上げる方策として、例えば、公共事業への大胆な投資があります。

公共事業は国民の生命、財産を守る極めて重要なインフラ整備であるとの考えに基づき、積極的財政出動をして国民を先に富ませることで日本を豊かにする方法です。

インフラ整備に思い切った公共投資をすることで名目GDPが数倍になり、それにともない税収が増え公共投資分のお金は税収で回収できます。実際、国民が豊かになると消費活動が活発になり、景気は上向き、経済活動は好循環を生み出します。その結果、国家の税収が増えることになります。

これはほんの一つの例ですが、政治家の皆様はもっとさまざまな方法を研究していただきたいと思います。


国家は国民の存在があってはじめて成り立ち、国民は国家という枠組みの中で平和と安全を享受できるという不可分の関係にあります。そのため、国家は常に国民の発展と幸福のために何をなすべきかを考え、また、国民は国家の繁栄のために寄与するという関係性を強く築いていくことが明日の日本を発展させます。

「民富んで国栄える」ということをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。



  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com 
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz です
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 政治の新しい潮流 コラム(1... | トップ | 週刊誌記事について コラム... »
最新の画像もっと見る

政治見解」カテゴリの最新記事