コラム(165):補欠選挙について
7月の参議院議員選挙の前哨戦と言われる衆議院北海道5区、京都3区の両補欠選挙が24日に投開票されました。
与野党対決となった北海道5区は、自民党新人の和田義明氏(公明党、日本のこころを大切にする党推薦)が、無所属新人の池田真紀氏(民進党、共産党、社民党、生活の党推薦)を破り初当選を果たしました。投票率は57.54%で前回の2014年総選挙時と比べて-0.89ポイントでした。
一方、京都3区では民進党前職(比例)の泉健太氏(社民党推薦)が、おおさか維新の会新人の森夏枝氏ら5人を破り当選を決めました。(投票率は30.12%、前回比-19.1ポイントで、戦後に行われた衆議院補欠選挙の中で最も投票率が低いものになりました。)
ここでは与党対野党の対決となった北海道5区を取り上げてみたいと思います。
上記の表は、24日の補欠選挙と、前回、前々回の北海道5区の得票数を「自民対非自民」で集計したものです。なお、14年の非自民の数は民主党と共産党の票数を合算、12年の非自民の数は民主党、共産党、みんな、幸福の各票数を合算しています。
報道では接戦と評価されていましたが、非自民系の票は前回、前々回に比べて減少していることに注目したいと思います。非自民として四党が結束したはずですが効果がなかったようです。
与野党とも総力戦となり、自民党は企業や団体回り、非自民系は街頭演説を中心に票の掘り起こしを展開しました。
民進、共産両党は正式に手を組んだ最初の実験場でしたので、並々ならぬ共闘作戦を展開しました。共産党の小池晃氏が「これは事件だ。前原さんと私が一緒の街宣車に乗っている」とツイートしたことがそれを物語っています。
共産党との共闘がもたらすもの
野党候補の敗因は「自民党に変わる新しい選択肢を」と言いながら、有権者に新しい選択肢を提示できなかったからです。野党共闘での主な主張は「戦争法廃止」で、共産党の主張を丸呑みしたものです。しかも候補者は「平和、いのち、暮らしを守る戦いに挑みます」と主張しており民進党よりも共産党色が色濃く反映されていました。
昨年12月の大阪のダブル選挙以降、今年1月の沖縄県宜野湾市長選、八王子市長選、2月の京都市長選などでは、共産党が支援した候補者がことごとく落選しました。そして今回の北海道5区補欠選挙も同様でした。唯一、共産党が動かなかった京都3区で民進党が勝利したのです。
民進党は政治姿勢を変えよ
参議院選挙は7月に実施されますが、民進党は今のままでの野党共闘や政治姿勢では成果をあげることは出来ません。(ご参考 「選挙予測(2) 参議院議員選挙全般の情勢」、「選挙予測(4) 民進党の生きる道」 )
民進党が真に国民の支持を得るには、政権打倒や政権交代だけを主張するのではなく、国民の幸福のために良いものであれば政府案も積極的に支持し、同時に自分たちも政策を研究し、与野党共同で政策検討をする場を作るくらいの気概を持つことが大切だと思います。
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