メディアが語らない真実——アメリカ大統領選②
(昨日からの続きです)
国際政治学者の解説が続きます。
バイデン大統領とカマラ・ハリス氏は当初、トランプ氏の「国境の壁建設」政策に強く反対していましたが、最終的にバイデン大統領は壁の必要性を認め、方針を変更するに至ったのです。
したがって、「トランプの勝利は完全なものです。トランプ氏の主張が正しかった。」と、国民に対して謝罪する必要があるほどです。しかし、メディアはこうした問題について一切触れません。
それどころか、国内に入ってきた違法移民を共和党の州知事たちが民主党の州知事の下へバスで送り込むと報じています。実際、国境開放政策に反対している共和党の州知事たちは、テキサス州をはじめ、違法入国者が勝手に押し寄せる状況に困惑しているのです。
一部の州や都市は『サンクチュアリシティ』を宣言し、違法入国者を取り締まらずに保護しています。そこで共和党の知事たちは、サンクチュアリシティを宣言している場所、例えばニューヨーク州などに移民を送ることを決定しました。これは強制ではなく、ニューヨークに行きたい人たちが手を挙げ、バスで送迎されるという形式です。その結果、ニューヨーク州は対応に追われて困難な状況に陥っています。
しかし、メディアは共和党の知事たちがまるで残酷な行動をしているかのように報じます。本来は国境開放政策が失敗であり、国民から非難されている事実を取り上げるべきですが、そうしたことには触れません。
NHKがこうしたフェイクニュースを報じているのは問題です。これは氷山の一角に過ぎません。私自身、日本のテレビニュースを見ていると腹立たしいことが多いため、なるべく視聴しないようにしています。トランプ氏がアメリカを分断させる悪い大統領で、カマラ・ハリス氏がアメリカを統合する素晴らしいリーダーだとされていますが、実際にはその評価は正反対です。
トランプ氏は国際問題においても「イスラエル絶対支持」を掲げ、ユダヤ人社会からも厚い信頼を受けていました。
しかし、選挙戦の最終段階においては、ミシガン州などのイスラム教徒が多く住む地域でも、トランプ氏を支持する声が上がっていました。中東系やイスラム教徒の代表者の中にも「トランプでなければ戦争を止められない」として支持を表明する人々が現れたのです。また、黒人男性の間でもトランプ支持は着実に増えていました。
勝利演説においても、トランプ氏は「肌の色や人種に関係なく、多くの人々が自分を支持し、一緒に団結してアメリカを築こうとしている」と述べました。彼の集会を見ると、その発言が実際に反映されていることがわかります。
黒人支持者も多く見受けられ、ヒスパニックの支持率は半数を超えたと考えられます。カマラ・ハリス氏を上回る支持を得ていたことは明らかでした。
しかし、日本のメディアはこうした事実を一切報じませんでした。8年前や4年前も同様でしたが、今回の大統領選でも同じ状況が見られました。国内問題に関してもフェイクニュースが多く、メディアの信頼は低下しています。
アメリカでは「メディアはもはや必要ない」との声が強まっています。特にイーロン・マスク氏がTwitterを買収して「X」として再生し、発言の自由を広げたことは大きな影響を与えました。今回の選挙で改めて、メディアの報道がいかに偏っているかを痛感しました。
トランプ氏が何と戦い、勝利を収めたのか。それは左翼全体主義に対する勝利でした。トランプ氏は最近、「我々は常識の党だ。私たちは常識を持つ人々であり、コモンセンスの党だ」と繰り返し強調しています。
彼は、この「グローバリスト的な左翼全体主義」と戦い、それに打ち勝ったのです。左翼全体主義は、形を変えた共産主義と言えます。共産主義はそもそもグローバリズム的な思想を持ち、国家の存在を否定する考え方に基づいています。
さらに、無国籍的な企業主義やグローバリズムが加わり、これがトランプ氏の敵であった民主党の主流派を形成していました。
常識とは何でしょうか。 例えば、女性のスポーツ競技に男性が参加することは許されないはずですし、女性用トイレに男性が入ることも許されるべきではありません。 国境の管理も厳格に行うべきであり、不法入国者は適切に取り締まり、送還しなければならないのは当然のことです。
これらは常識とされる基本的なルールです。この考えがようやく国民の間に浸透しつつある中で、私はカマラ・ハリスに6200万人もの人が投票したという事実を今でも信じがたく感じています。(終)