王子郎その２

うちの母は粗忽で、皿などを平気で割ってしまうのだが、そのたびに私が
「あーあまたやったのか」というのを覚えてしまい何か大きな音がすると私より先にオーチャンが決め台詞を言うのだった。
なので人がもう一人いるようなもので楽しかったし休みの日などに本を読みながら昼寝なんて言うときは近くまで飛んできて、内股でぺたぺたと歩み寄って布団に隙間を作るとそこから中に入ってきて一緒に昼寝をしたりした。
そういう話をすると、殆どの人が信じてくれなかったけれど。
喋る鳥に教える定番の
鳩ポッポは私が教えたのでかなりの音程がはずれてしまったが、身振り手振りの代わりに、羽を開いたり閉じたりして動かして得意気に歌うのだった。
ともかく一日中喋りまくり仕事からただいまと帰ればおかえりなさーい、出かけるときはバイバイは朝飯前、起きればおはよう、寝るときはおやすみなさいと様々なシーンにちゃんとあったことをいう。
ただ、我が家には変なジンクスがあり媒体で記録すると駄目なのである。
しかも鳥だけに限ってそうなのが不思議ではあったが仕方がないことだが、
記録は非常に少ないのが残念だ。