過去の文献には、船にイカだのタコだのが巻きついている挿絵があった。
つい近年まではそれは「誇張した描写である」「海への畏怖心から書いたもので大雑把なもの」だと
皆が思っていたはずだ。つまりそんなに大きなイカだとタコはいないからだというのが根拠だったのだが、
深海を少し知る事で「10m以上もあるダイオウイカが深海に生息している」ことが判ってきた。
ということはあながち過去の絵や版画が全くの想像の産物ではない可能性が大きくなったということだ。
昔の木船ならば、全長の半分にイカが絡みつくという事が実際にあったということになる。
大航海時代に現実にあったのではないかと現実味を帯びてくるひとつの例であり、あながちインチキではなく
むしろ現代人の方が昔の人より遅れているともいえる。
鯨などの皮膚には大きなイカと争った時にできた傷なんていうものもあるから、未知なる深海では
超怒級のでかさをもったイカがいるかもしれない。
ただ、その未知なる深海に潜水艇で潜り映し出されるへんちくりんな生き物にどうして皆名前がついているのか
私はそちらの方が余程謎に感じる。
ほとんど深海からあがらない小さな生き物にまで名前がついているのはどうしてなのだろうか?
「まだ名前はない」と漱石が書いたように猫でも名無しさんがいるのに、たまには名前が無い生き物などが
いてもいいはずなのに・・・・ね。不思議である