11月になって、懐炉。
先日、自宅付近を歩いていたら黄色くなったゴルフボール大の柑橘系の果実を見かけた。
「もう柚子が色づく頃になったのねぇ。炉が開く頃よねぇ」。
すぐ隣に樹木の名札が吊るしてあり、「カボス」。
柚子じゃないんかいっ!
昨日、月に一度の稽古日でお稽古場へ出かけたら、玄関先の柚子はまだ青かった。
黄に色づくのはもう少し先?
でも、お菓子の銘は「初霜」。
亥の子餅の時期は過ぎてしまったようだ。
(姉弟子さんによれば「亥の子餅が値が張るので、稽古用としては採らない」らしい)
先週来、一気に冷え込むようになったので、炉の暖かさと湯気がありがたい。
久しぶりに初炭手前をさせていただいた。
備忘録によれば、昨年は釣り釜で後炭、逆勝手の初炭を稽古したことになっている。
炉の初炭を稽古するのはコロナ禍直前の2020年1月にまで遡ってしまう。
それも初釜前日。初釜で炉の初炭を担当させていただいたので、そのリハーサル。
つまり、あれ以来の(炉の)初炭手前というワケ。
あ、それでかぁ。
一昨日の就寝時、久しぶりの初炭ということでイメトレで手順を復習したら、スラスラとなぞれた。
昨日も早めに到着したので、別室の四畳半で空稽古して動きを確認。
頭で考えるよりも体が自然と動くという感じだった。
なんか、不思議な気がした。
そりゃ、今の稽古場には四半世紀前からお世話になっていて炭手前にも慣れたけど、
平点前のように身に着くほど何度も稽古したかと言われれば、それほどではないんだけど。
何分、わが社中では初釜の初炭を担当することで漸く「一人前」を認められるような感じなので、
私はタイミングもあったとはいえ、なかなか「一人前」になれないなぁと諦めのような気持もあった。
結局、師匠の生前中には機会は訪れなかったしね。
だから、2020年の初釜で初炭を担当するようにお達しがあった時は嬉しかったなぁ。
よってもともと覚えていた手前ではあったけど、それでより気合をいれて身に着けたんだったわぁ。
4年経っても、やはり初炭は思い入れが深い。
炉であっても風炉であっても炭手前は好きだ。
たぶん、私にとって初釜は2020年が最後になるので、余計に感慨深いなぁと思った。
そして、本番の稽古も滞りなくできた。
参加者が少なく、続いて運びの濃茶平点前。
唐物と台天目を見学して、唐物の点前を稽古。
久しぶりに3度も点前座に座ると~でも、疲れなかったし足の負担も少なかった。
(やはりよく動いたせい?)
今年は体調不良で欠席した8月以外はずっと開催・出席できた。
よかったなぁと思いつつ、床の掛物を拝見したら「無事」。
だいぶ崩してあったけど、はっきり読めた。
思わず「無事!」と口にしたら、姉弟子さんが「ほかの姉弟子さんが貸してくださったお軸よ」。
大徳寺の故・大亀老師の筆だった。
無事が一番。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます