なんで 世界は こんなことになったんだろう。
歴史は繰り返すって いうけれど・・・・・。
悲劇の国・ウクライナの国旗・青と黄。
アレっ 私が まだ読んでない積み重ねてる本の中の1冊。文春文庫の「マチネの終わりに」の表紙絵・ソックリじゃん 何かの暗示?と思いながら取り出し、読み始めました。
作者・平野啓一郎。1975年生まれで北九州出身で京大卒。「マチネの終わりに」は映画化もされ、主役は、福山雅治と石田ゆり子。(素敵な俳優の組み合わせですね💛 ) 2015年に毎日新聞に連載ですって・・。フーン、こんな恋愛物 毎朝読まれてたの?(私は、新聞の小説連載も、NHKの朝ドラも観ません。だって、朝こそ 世間ニュースが一番だから、フィクションは後々・・)
「マチネの終わりに」なんかスかしてるね…と思ってました。 私にとっては、『マチネって何?』だもんね・・・。午後の演奏会ですって・・・。主人公が、クラッシックギターの世界的活躍の音楽奏者ってのも、私にとっては無縁の、一段上にある目線の 教養の行ったり来たりだもんね・・・コチトラ 教養なくって、クラシック知らなくって ゴメンチャイという感じ・・。
それが、2006年の話なんですが、読み進めるうちに 悲しいかな 今の世界状況にピッタリ当てはまる。
恋のお相手のジャーナリストの女性は(父がクロアチア人、母が長崎で被爆した日本人)(中東イラクのクウェート侵攻で、ブッシュ政権下の米国を中心とした多国籍軍の戦い)バグダッドの自爆テロに遭遇等、戦争が身近な地獄絵図として 書かれていました。
今のウクライナ情勢と同じように、スカイプやネット情報が 二人の重要な やり取り・・・。
そして、人の心の中にある微かな疼きも書かれていました。アラブ系の人を見れば、テロリストと思ってしまう差別意識・・。また、長崎被爆者というコンプレックスも・・・。今、まさかウクライナの子供達が、白人で愛らしいから より同情心が芽生えるとか ないよね。
そこに『ヴェニスに死す症候群』?が何度も出てくる、作者のこだわり。
「中高年になって突然、現実社会への適応に嫌気がさして、本来の自分へと立ち返るべく、破滅的な行動に出る事」という造語だそうな・・・・。
そこで、「ヴェニスに死す」トオマス・マン作を読んでみたら、ポーランドの貴族の美少年に惹かれてしまった老作家が、この場所に居たら流行り病のコレラに罹患し死んでしまうと分かっているのに、踏みとどまって あっけなく死んでしまう話でした。
かって、この映画を観たことがあります。海岸にいつまでも座っている年寄。常に不安げな顔つきの美少年。映画は、面白くなかったね。
アーアー、この話も、重要なテーマは、現在のコロナ禍と同じコレラによる災禍の話だったのね・・・。コロナを知った今なら、静かな映画をより理解できたかも・・・。
平野啓一郎氏が、今、プーチンのウクライナ侵攻をコロナに絡めて書かれたら、どんな話になるのでしょうか? 表紙は、どうして青と黄だったのでしょうか? これも デジャブー? 既視感の強い 私にとっては 今風の珍しい本でした。
草と新緑の紅葉の春。
GIの大工仕事・第2弾の春です。
ボケが咲いたから 春だね。