帚木蓬生読書会が5月会で採りあげたのは、実業之日本社文庫オリジナル編集の「永遠の夏」。編者解説は末國善巳。
今回は、城山三郎、五木寛之などのそうそうたる戦後日本を代表する作家たちの中に、我らが帚木蓬生氏が! フアン心理として 御立派になられて といった心境になった短編集です。 懐かしの徳川夢声の名も・・。
14名の中には 「7月7日」を読んで、いつかは採りあげたいと思っていた古処誠二も・・。
敗戦から70年。侵略戦争ではなかったなんて言い出す者までいる世の中になってしまいました。
この作品集の作家の中にはもう亡くなった方が8人。戦争を生きぬいて体験した上で書かれた大切な作品を、だからこそ今、私たちは読まなきゃ、知らなきゃと思います。戦後すぐの私達ですら、大東亜戦争って何?って言ってしまいそう。 ましてや戦争の影なんか微塵もない現代っ子たちは、アジアの国々を踏みにじってきた日本人の罪の重さを知らない。
「抗命」帚木氏の作品は、インパール作戦で本当にあった話を、担当した医者の立場で描かれたもの。
インパール作戦で、牟田口中将が「皇軍は食うものがなくても戦いをしなければならない」と補給しないので餓死する兵隊が続出。この状況では戦えないと佐藤中将が無断撤退したとして抗命罪に問われたもの。
読んでいて次第に腹立ったのが、何の罪や ああそうや これや と上層軍人の間で理屈こねてる間に、徴用で見知らぬ他国で飢えで次々に死んでいった名もなきたくさんの兵隊たちが可哀そう。侵略された現地の人たちに本当にごめんなさい。どうして、戦争なんかに・・。
結局、牟田口はA級戦犯から不起訴釈放。昭和41年78歳で亡くなるまで、インパールの失敗は部下の無能さにありと言い続けていたらしい。佐藤中将も昭和36年に病死。
私たちの読書会では大岡昇平の「ながい旅」を2008年に採りあげました。「明日の遺言」藤田まことで映画化されています。この岡田中将を解説の中島岳志(1975年生まれ)は、中国での毒ガスの責任者と言っています。
「ながい旅」の岡田中将は、撃墜したB29の搭乗員29名を軍法会議にかけずに処刑したとして、B級戦犯となり、巣鴨プリズンで絞首刑。この時、戦時のすべての責任は司令官である自分にあると云ったという。牟田口と岡田は2歳違いで陸軍士官学校から陸軍大学校を出たどちらも職業軍人。部下に対しての思いが違いすぎるね。
安部首相の祖父・岸信介もA級戦犯だったはず。 それなのに不起訴。戦争の責任を取っていない!
ポツダム宣言すら読んでいないその孫に、私たちは安保法案を作られ、子、孫の運命を任せていいの?
私達の読書会の中で、もしも首相に子や孫がいたら違った対応が・・との声もありました。
今回の太平洋戦争の本は、私たちに過去を考えさせ 現在の平和を大切にするには どうしたらいいのだろうと思わせます。
小さいころ「母さんは何で戦争に反対しなかったの?」と聞いたら、「ずーっと上の偉い人たちが決めて、気が付いたら戦争が始まっていたのよ」と母が答えた時の様に、私たちも そうなるのでしょうか?
子や孫の為に平和を守るには どうしたらいいのでしょうか?
台湾、スペイン、ポーランドのおみやげ 鉢植えミント。摘んでミント風呂に。
ありがとう!こちらも旅した気になるね。 ほのかに香り さわやか
あじさいが咲き出しました。梅雨になるね。 カエルの箸置き。
美しい女性の作品です。