前回の御船練りの変遷について、少し補足をしたいと思います。
御船のメインである舞踊は、紹介したように以前は町(宇和島とか宇和町)から
師匠を雇ってお祭り期間中、お宿で師匠から踊りや三味を習っておりました。
師匠はいわゆる芸者さんで、その為、お座敷唄すなわち「端唄」とよばれる曲の
踊りと三味線が中心でした。
例えば、「春雨(はるさめ)」、「青柳(あおやぎ)」、「梅にも春」といった端唄で
踊られました。しっとりとした感じの曲で、こどももこれを習って踊ったそうです。
昭和30年代の初めまでは、このような三味と唄による演奏でもって踊られてきましたが
時代の移り変わりによって、次第に師匠さん確保の困難とかレコード盤の普及で
踊りの演奏はレコードが主体となりました。曲も歌謡曲、演歌が中心となります。
以前の風流な踊りをぜひ見てみたいものです。現在7~80歳前後のご年配のかたは
まだ唄っておられます。もしかしてまだ踊れるかもしれません。