民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「風が吹けば桶屋が儲かる」 立川 談四楼

2013年11月09日 00時16分22秒 | 伝統文化
 「声に出して笑える日本語」 立川 談四楼 著   光文社 知恵の森 文庫  2009年

 なぜ風が吹くと桶屋が儲かるか?

 「風が吹くと、昔の道路は舗装されてませんから、埃(ほこ)りが立ちますね。
この埃りが目に入り、目を患う人が増えます。
人は目を患うと外出がままならなくなります。
しかし、人はどんな状況下にあっても娯楽を求めるものです。
で、屋内の娯楽に関心を向け、唄などを中心とした邦楽に親しむわけです。
邦楽には三味線が欠かせませんね。
その三味線の需要がグングン伸びます。
三味線の皮は何でできているかご存知ですよね。
そう、猫です。
三味線の需要が増えるということは、猫の需要が増えるということです。
世の中から猫が姿を消します。
猫がいなくなるとどうなりますか。
そう、鼠(ねずみ)が増えるんです。
その増えた鼠が桶を齧(かじ)るんです。
で、新しい桶を売ったり、齧られた桶を修理したりで桶屋が儲かる、というわけなんです。」