「時そば」 声に出して読みたい日本語 11 所載 斎藤 孝
そばの代金を払うとき、途中で時間を聞いて、ごまかす奴がおりました。
「いくらだい?」
「十六文いただきます」
「小銭だぁ、間違えるといけねえな。勘定してやろう。手ぇ出してくんねえ」
「これへいただきます」
「そうかい、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、
今、何刻(なんどき)だい?」
「へえ、九刻(ここのつ)で」
「とお、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、じゅうご、じゅうろく」
勘定を払って、ぷいって行ってしまう。
一文をごまかしたのを見て、次の日の夜、
真似をしたのが与太郎。
ところが違う時間に行ったので、かえって損をしてしまいます。
「おい、いくらだい?」
「へえ、ありがとうぞんじます。十六文いだたきます」
「小銭だぁ、間違えるといけねえな。勘定してやろう。手ぇ出してくんねえ」
「これへいただきます」
「そうかい、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、
今、何刻(なんどき)だい?」
「へえ、四刻(よっつ)で」
「いつつ、むっつ、ななつ、やっつ・・・・・」
そばの代金を払うとき、途中で時間を聞いて、ごまかす奴がおりました。
「いくらだい?」
「十六文いただきます」
「小銭だぁ、間違えるといけねえな。勘定してやろう。手ぇ出してくんねえ」
「これへいただきます」
「そうかい、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、
今、何刻(なんどき)だい?」
「へえ、九刻(ここのつ)で」
「とお、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし、じゅうご、じゅうろく」
勘定を払って、ぷいって行ってしまう。
一文をごまかしたのを見て、次の日の夜、
真似をしたのが与太郎。
ところが違う時間に行ったので、かえって損をしてしまいます。
「おい、いくらだい?」
「へえ、ありがとうぞんじます。十六文いだたきます」
「小銭だぁ、間違えるといけねえな。勘定してやろう。手ぇ出してくんねえ」
「これへいただきます」
「そうかい、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、
今、何刻(なんどき)だい?」
「へえ、四刻(よっつ)で」
「いつつ、むっつ、ななつ、やっつ・・・・・」