民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「ジョーク力養成講座」 その2 野内 良三

2015年07月23日 06時45分28秒 | 雑学知識
 「ジョーク力養成講座」 野内 良三  大修館書店 2006年

 ジョークの形式
 1、状況を設定する。→導入部
 2、思い込みを誘導する。→展開部
 3、意外性を目撃する。→落ち

 ジョーク集 その2

 ☆大手の靴メーカーがアフリカの奥地に二人の社員を派遣した。数日後、社長に二通の電報が届いた。
 ――悲観主義の社員から→明日帰る。商売は見込みなし。現地人は裸足(はだし)で生活。
 ――楽観主義の社員から→支社を設立。有望な市場。現地人は素足(すあし)で生活。

 ☆ドラッグストアの主人が客に答える。
 ――この殺虫剤はこれまででもっとも強力なものです。
 ――蚤(のみ)も確実に殺せるかね?
 ――もっとすごいことをしてくれます。
 ――それはなんだね?
 ――彼らに猛烈なかゆみを与えるのです。それで彼らは七転八倒の苦しみを味わいます。

 ☆音楽好きな父親が初めて小学生の息子をオペラに連れて行った。幕が開いた。そのうち息子が父親に聞いた。
 ――パパ!あの後ろを向いて棒を振り回している人はなんなの?
 ――あれは指揮者だよ。
 ――あの人はどうしてあのデブのおばさんを棒で脅かしているの。
 ――脅かしているんじゃない。
 ――それなら、どうしてデブのおばさんはあんなに喚いているの。

 ☆ある百姓夫婦が司祭のもとを訪れた。二人は長年連れ添ってきたのだが、この2、3年口論が絶えず、いっそのこと別れて暮らそうということになった。だが、悩みはひとり娘をどちらが引き取るかだった。そして司祭の判断を仰ぎに来たのだった。司祭もどうしたものか、思案にくれた。
 すると、女房が金切り声でまくしたてた。
 ――娘はわたしのものですよ。10ヶ月もあたしのお腹のなかにいて、生まれてからもあたしのお乳で育ったんですからね。ところが、この人はあたしの身体を楽しんだだけ、娘を引き取る権利なんかあるものですか。
 だが、亭主は慌てず騒がず、
 ――司祭さま、ひとつたとえ話で説明しますよ。あっしが缶ビールを飲みたいと思ったとします。自動販売機の割れ目にコインを入れます。すると缶ビールが出てきます。その缶ビールは自動販売機のものですかね。それともあっしのものでうかね。
 司祭は亭主のたとえ話にすっかり感服して答えた。
 ――なるほどなるほど、おまえさんの言うとおりだ。娘はおまえさんが引き取るがいい。