「目の見えない人は世界をどう見ているのか」 その2 伊藤 亜紗 光文社新書 2015年
まえがき (その2)
本書は、視覚障害者やその関係者6名に対して著者が行ったインタビュー、ともに行ったワークショップ、さらには日々の何気ないおしゃべりから、晴眼者である私なりにとらえた「世界の別の顔」の姿をまとめたものです。見えない世界しか知らない人にとっては、逆に目で見た世界が「別の顔」になります。「そっちの見える世界はどうなってるの?」「えーっと、こっちはねえ‥‥」。そんな感じでお互いの世界を言葉にしていきました。
世界の別の顔を知ることは、同時に、自分の体の別の姿を知ることでもあります。手で「読ん」だり、耳で「眺め」たりと、通常は目で行っている仕事を、目以外の器官を使って行っているわけです。私たちは体が持っている可能性の本の一部分しか使っていません。見えない人の体のあり方を知ると、そのことを強く感じます。
まえがき (その2)
本書は、視覚障害者やその関係者6名に対して著者が行ったインタビュー、ともに行ったワークショップ、さらには日々の何気ないおしゃべりから、晴眼者である私なりにとらえた「世界の別の顔」の姿をまとめたものです。見えない世界しか知らない人にとっては、逆に目で見た世界が「別の顔」になります。「そっちの見える世界はどうなってるの?」「えーっと、こっちはねえ‥‥」。そんな感じでお互いの世界を言葉にしていきました。
世界の別の顔を知ることは、同時に、自分の体の別の姿を知ることでもあります。手で「読ん」だり、耳で「眺め」たりと、通常は目で行っている仕事を、目以外の器官を使って行っているわけです。私たちは体が持っている可能性の本の一部分しか使っていません。見えない人の体のあり方を知ると、そのことを強く感じます。