標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

「噴火速報」が出なかった。口コミなどの情報も速報に生かすべきではないか!

2018-01-24 19:03:43 | 日記
今回の白根山の噴火について、気象庁は予知できなかった。地震予知の困難さを改めて認識したという。

しかし、ロープウエイのゴンドラに乗っていた人や周辺にいた人などは、異音や噴煙を見ている。気象庁は何らかの情報は入っていたが、監視カメラや気象関係の人の目視観測ができず、確認できなかったので、「噴火速報」が出せなかったという。
今回は、2次災害が出なかったので結果的には速報が出なくても、ことなく済んだ。

原発の安全神話もそうだが、地震や火山においても科学が進歩し、予知できるという方向に向かいすぎていたのではないかと思う。科学的な見解に頼りすぎていたのではないか。御岳山の噴火により噴火の脅威は体験で来ていたはずだ。この後「噴火速報」が設定されたが、残念ながらこれが活かされなかった。



もし、科学的な地震予知等がなかった時代であったらどうだろう。口コミにより噴火したぞという情報が少なくとも周辺には伝わったかもしれない。

噴火予知などの技術にはまだ、限界があることを知るべきである。限界を知っていれば、誰かが噴煙を見た、噴石が落ちてきたという少ない情報の時点で、「幾つかの情報によれば、白根山地域で噴火が起きた模様」というような「速報」を流すことができる。たとえ、それが誤報であったとしても、後で訂正すればよい。

しかし、今回は「噴火速報」を発するには情報がないとのことで、発表を躊躇したようだ。客観性や厳密さを求めるのも理解はできる。しかし、予知のために、くまなく観測体制を敷いているのなら分かるが、今回も白根山だけに集中的に観測していて、本白根山はノーマークであったという。リスク管理ができていない状態だ。限定的に噴火予知の精度は高くても、「噴火速報」が発令されないのであれば、安全性は劣る。

科学が進歩するにつれ、リスクを想定できる範囲や程度は広がり、高くなる。しかし、それだけに頼りすぎると人の安全はたもたれない。たとえ誤りでもよいので、科学的な予知情報だけでなく、低次元かも知れないが、口コミなども考慮した、より安全性を追求した「噴火速報」であってほしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする