標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

悩んでいる善良な職員は多くいる。責任はトップが負うべきだ。

2018-03-13 19:48:35 | 日記
昨日、森友問題に関する財務大臣の会見のニュースを見て、過去の私の経験を思い出した。

かつて、会社のトップに国家公務員だった官僚が天下ってきたことがあった。そのトップの時代、クライアントから苦情があり、弁護士をたて訴訟を申し立てようとする案件があった。ことの発端は、クライアントが電話で直接トップに、苦情を話した。トップは「私は知らない」と一言のもとに撥ねつけた。その後、トップは私に、「こういう時は君らが責任を取るものだ」と言った。

その後、私はクライアントのお宅に謝罪のために訪問を何回も行った。また、クライアント側の弁護士とも面会した。その度に叱咤された。さらに、クライアントは、会社をつかさどる自治体の管轄部署にも苦情を申し立てた。管轄部署は預かり知らんということで、会社で対応しなさいとの態度だった。私はトップに変わり、ひたすら謝罪を述べるしかなかった。この案件は、弁護士の仲介でクライアントと和解し提訴を取り下げるということになった。

昨日、財務大臣は「理財局の一部の職員によって行われた」といい、前理財局長を辞職に伴って減給処分にしたとのこと。大臣は自身の辞職は考えていないと他人事のように言う。悲しいかな、私がかつて言われたように、トップは責任を負わないということだ。内閣、官僚の底流に潜む悪しき慣行なのかもしれない。

今回の決裁文書の書き換え問題で、一人の職員が亡くなられた。これは絶対にあってはならないことだ。だが、この職員と同じように、職務上良心に反する行為を行い悩んでいる人はいる。官僚クラスや管理職の一部は、慣れなどにより神経が図太くなっているかもしれない。しかし、忖度せざるを得ない状況や上司等からの命令で行った業務により、良心の呵責を感じている人は、官僚等も含め多くいるのではないだろうか。

今回の事案を、財務省はじめ政権側は書き換えというが、そのレベルではない。書き換えは少しで、削除など改ざんといえる箇所の方が多い。首相夫人や政治家の名や籠池氏に関すること、売却価格に関する値引きの経過などは、削除である。これは、意図のある改ざんだ。

改ざん作業に関わった人達の苦しみは計り知れない。このような作業をしなければならなくなった理由、過程を明らかにし、個人の責に処するのではなく、組織としてトップがすべて責任を負い、亡くなられた人への償いとし、二度と同じような事態にならぬようしなければならないと願う。
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