天皇陛下の代替わりの際、大嘗祭で重要とされるものに、
絹の織物 「繒服(にぎたえ)」
麻の織物 「麁服(あらたえ)」
天皇陛下しか入れない部屋で映像もないため、まさに秘事ですね。
神事のあとは燃やすようですね。この麻の麁服の方は古より阿波国(
この麻の織物 「麁服(あらたえ)」
歴史の混乱期に中断はあったものの、令和の大嘗祭においても三木家から麁服の調進が行われたようです。
この忌部氏について書いてみようと思います。
忌部氏は古代から、宮廷における祭祀を統括した氏族で、
忌部氏の祖は、天太玉(アメノフトダマ)です
アメノフトダマはアマテラスの天岩戸の物語において天岩戸の前に
マテラスが天岩戸から出てきた際にも、
注連縄(しめなわ
日本記紀には、天岩戸の際、祭祀を司る神がもう一柱いらっしゃいます。
アメノコヤネを祖とするのは中臣氏(後の藤原氏)です。
祭祀を行う御祭神をそれぞれ祖とする中臣家と忌部氏ですが、宮中祭祀をめぐっては、大化の改新(645年)以降、
延喜式にある祝詞には「御殿(おほとの)御門(みかど)
(※)忌部の氏族名の「忌(いむ)」は「ケガレを忌む」「
祝詞も奏上する氏族ごとに色々あったのですね。記紀ではアメノコヤネが祝詞を奏上し、アメノフトダマは太玉串を持ったとされていま
これは大化の改新で力をつけた中臣氏の子である藤原不比等が日本記紀の編纂に携わり、編纂当時の藤原氏と忌部氏
神代の世界の力争いが人間に転写?かも。わかりませんけどね。
奈良から平安時代、そして藤原氏全盛期に向けて加速する中、政治を牛耳るだけでなく祭祀も権力により左右された時代だったのが見え隠れします。
物部氏、蘇我氏の宗教対立がありましたが、宮中祭祀も朝廷の権力争いに巻き込まれる形の闘いがあったようです。
宗教対立では蘇我氏が勝ったあと物部氏は排斥されますが、蘇我氏と共に仏教を押した聖徳太子も、死後一族皆けされてしまう悲運があります。また別件ですが、菅原道真公は、腐った権力者、朝廷にまとわりつく藤原氏の嘘の進言により排斥されます。


物部氏が排斥されると、次は蘇我氏が大化の改新で滅ぼされ、力をつけた中臣氏(藤原氏)が、次は忌部氏を排斥する。
この流れの中で、本当の御祭神が隠れたり、様々な所で今に続く歪みを残してしまったのかもなぁとも思います。
祈りは心。人の純粋な思いだけが通じる。隠された神、スミで塗られた神、虐げられた一族、消された一族の無念な思いが解けて、明るく光輝きますように。
何はともあれ、忌部氏(今の三木氏)が祭祀に関連する織物を、一時期やめた後近世になり復活させ今の時代に繋げているのは、古代祭祀を伝統として今に繋げていて、良かったなと思います。