1400年代1500年代に
特に偉大な芸術家を輩出したフィレンツェ。
その後の時代にももちろん多くの芸術家がいますが
なかなか1600年代の芸術家のモノグラフ展示は実現しません。
1600年代前半にフィレンツェを中心に活動した
画家Francesco Furini(フランチェスコ・フリーニ:1603-1646)の
多面性に焦点を当て初めて国際的な規模で
彼のモノグラフィー展覧会が企画されています。
やはり芸術家であった父親の元で絵画の基礎を身につけ
その後マッテオ・ロセッリ(Matteo Rosselli)の工房で修行。
後にドメニコ・パッシニャーノ(Domenico Passignano)や
1619年以降滞在したローマでは
カラヴァッジョ(Caravaggio)派の影響を受けたとされています。
前半は聖書や神話からの題材を好んで、
特に女性の裸体描写などに長け
非常にやわらかく官能的な絵画を数多く残しています。
1633年以降突然フィレンツェ郊外のムジェッロの山に篭り
宗教者としての生活に入りますが、その詳細の理由は不明。
サンタンサーノ教会(Sant'Ansano in Mugello)の教区司祭となり
後半は宗教的なテーマに絞って作品制作を続けていますが
その時代の作風は官能性を捨て
非常に冷たい印象を受けるものとなっています。
このような大きな作風の違いも含めて
7つのセクションに分けて展示される絵画作品は38点。
それに16点のデッサンが加わります。
メディチ家のフェルディナンド2世の依頼で
1639年から1642年にかけて
彼がフレスコ画を描いたピッティ宮殿の一階部分は
当時のメディチ家の夏の居住区として好まれて使われた部屋で
現在は銀食器博物館として利用されており
今回の展覧会はこの部屋に設置されています。
壁のルネッタ(半月形フレスコ)にはカレッジのプラトンアカデミーや
ロレンツォ・イル・マニーフィコの死のアレゴリーなどが描かれており
またこのフレスコ画を実現するための
デッサンなども同時に展示されます。
前回ストロッツィ宮殿での展示から20年ぶりの
フィレンツェ・バロックに焦点を当てた大規模な展覧会となります。
ルネッサンス・マニエリスムの偉大なる時代の後にやってきた
フィレンツェ・バロックを知る展覧会となっています。
L'altra bellezza di Francesco Furini
会場:ピッティ宮殿内銀食器博物館(Museo degli Argenti)
会期:2007年12月22日から2008年4月26日まで
開館時間:12月、1月、2月 8:15-16:30
3月 8:15-17:30
4月 8:15-18:30
休館日:第1月曜日、最終月曜日、12月25日、1月1日
入場料:6,00ユーロ