不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Risonanza di Taste

2010-03-22 21:17:56 | 日記・エッセイ・コラム

毎年恒例になっている、
フィレンツェでも群を抜いておしゃれで高級な食のイベント
Tasteが3月の半ばに開催されてました。
(2010年3月12日から3月15日まで)

毎年行っているので、
もうそろそろ行かなくてもいいのかなぁと思ってはいるのですが
なんかつい予定まであわせて行っちゃうんだよね。

今年はローマにカラヴァッジョを見に行くからという理由で
この週末のイベントに行かない予定でいたのに
まんまと当初の予定通りにはカラヴァッジョ展に行けなくなり
そちらの予定を一週間ずらしたので
なんだかぽかりとに日曜日に時間ができたので
やっぱり出かけてみたのでした。

なんと我が家から歩いて10分そこそこだというのに、
「せっかくだから」ということでトラムに乗って出かけてみました。
私も相当アホです、我ながら。

トラムのLeoporda駅を降りると会場は目の前。

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この日は結構天気がよかったので
実はTasteに行く前にCascineのお散歩していたので
たどり着いたらなんか夕暮れ時みたいな。

入場料10,00ユーロ。
入り口でグラス受け取ると
会場内のワインやビールの試飲もできます。
私は飲まないのでもっぱら食べ物目当てですけど、
結構会場内はグラスもってうろうろしている人が多かった。

3通路の両サイドにスタンドがずらっと並んでいる感じ。
この中に入ると写真撮るの忘れちゃうんだよね、いつも。
各スタンドでいろいろ試食もできるけど、
目当てのところで目当てのものしか食べない
毎年発展性のない自分に妙に感心したりしながら
ぐるりと一周。

さすがに何か新しいものも探そうかと思って
もう一周するころには会場内の熱気にやられて頭くらくらでした。

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入り口の右手に展示されていたこの椅子の
寂れ加減が結構気に入ったけど
我が家にはスペースもないし
まずチッチーノの犠牲になりそうなのでねぇ。

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トスカーナ人は豆食い。
ということでフィレンツェ郊外で採れるCecini。
ヒヨコマメのちっちゃいやつ、
薄い塩味でゆでてオリーブオイルかけただけ。
本当に素材の味が活きてておいしいお豆でした。

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会場内はおしゃれにデコレーションされていて。
このぶら下がる椅子やテーブルの下では
食についてや商店街と大型スーパーのあり方についてなどの
熱い議論が交わされておりました。

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ここのスパイスが結構気になったんだけど、
結局いつも人だかりで割り込むこともできず
後でショップで商品買えばいいやと思ったら、
そっちは売り切れで。
ちゃんと制覇しておけばよかったと
後悔しているスタンドのひとつ。
これでまた来年行かなくちゃいけないわけですよ。

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今年購入したもの。
いつものケッパー&ドライトマトのオイル漬け。
それ以外はなぜか今年はビスケットブーム
あ、イタリア的にではなくごく私的に個人ブーム。
ということでなんかビスケットばかり買ってきた。

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この手前のカレー&けしのみビスケットがいかしているのですよ。
会場で試食して一目惚れしました。
きっとビール飲む人ならつまみにもってこいの煎餅的ビスケット。
なので、甘くないです。
で同じ生産者のものならおいしいだろうということで
オレンジ風味のビスケット(こっちは甘い)も買ってみました。

家に買ってテーブルに広げてお披露目しているところに
のしのしやってきて
おもむろに毛づくろいを始めたチッチーノに気圧されて
そのまま食料棚にしまいこみ、
まだ余韻に浸ってもいないのでした。

今夜あたりゆっくり味わってみようかなぁ。


Le buche delle strade

2010-03-19 20:30:46 | 日記・エッセイ・コラム

オフィスの近くの
Borgo Ognissanti路上にチョウクでいたずら書き。

穴ぼこあいているところをピンク色で丸付けしてありました。

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これって
「ここをいつか塞ぐつもりです」
という意思表示でしょうか。
それとも
「ここ穴あいているから気をつけてね」
という親切心でしょうか。

いずれにしても
この通りではなくてあと2本駅寄りの
Via della Scalaの穴ぼこのほうがどうみてもひどいのに
そっちには丸印ついてません。

どういう基準なのかなぁ。

フィレンツェはとにかく道路の舗装がぼろぼろです。
日本じゃ考えられないくらい。
サスペンションの悪いバスに乗っていると
ことごとく凸凹を拾って
車内で体が宙に浮くこともよくあります。

そして応急処置みたいに
こうしてできた穴のところだけ塞いでいくのですが
周りと均して段差をできるだけなくしてなんて
気の利いた作業はイタリア人にはできないので
塞げば塞ぐほど凸凹が増えるみたいな…。

いっそのこと全面的に舗装しなおせばいいのに
と思うのですが、
一方通行の神様が護っている市内の道路では
ある道を舗装のために完全封鎖しちゃうと
その周辺はおろか
市内全体に渋滞を巻き起こし
交通網不能にしちゃうので、滅多にやりません。

日本みたいに影響の少ない深夜作業で
というのもイタリア人にしてみれば
考えられない労働条件なので、
これも滅多にやりません。
先日さすがに駅周辺は
3日間の深夜集中工事で舗装張り替えていましたが。

しかも仮に全面舗装で張り替えたとしても
なぜだか知らないけど
数ヶ月もすればアスファルトが歪んだり
また穴ぼこがあいたり。
舗装用の材料が粗悪すぎるんじゃないかとか
安すぎるんじゃないかと疑いたくなります。

Borgo Ognissantiのピンクの丸印ついてから3日。
いまだ変化なし。
これはいつか変化が起きるものなのかも疑わしい…。


Soffio del nuovo vento

2010-03-18 19:28:48 | 日記・エッセイ・コラム

毎朝見ている(ただつけっぱなしになっているともいう)
朝のニュース番組は
15分毎にまったく同じ情報を
ヘビーにローテーションしてくれるので
私の寝ぼけた脳みそにもその日のニュースが
次第にしみこむような仕組みになってます。

母国語じゃないので朝の寝起きの脳みそには
こういう繰り返し学習みたいな方式は大変ありがたい。

このニュースは出だしで主要ニュースのトピックを連呼し
そのあとそれぞれの詳細を伝え、
それが終わると交通情報、天気予報、株価為替情報と続き
最後におまけのように12星座占いがついてきます。

で、本日の双子座には
「友から朗報。新しい可能性の確立。」とあったのです。

で、これも最近の朝の習慣になっているのですが
寝ぼけ眼でiPhoneをつかんで
Twitterのタイムラインとメールチェックしたら
友人からメールが入っていたのです。

そしてそこに新しい可能性が秘められていたのですよ!

たかが朝のニュースの12星座占いですけど、
すごく踊らされやすいので(爆)。
信じたもんがちだしね、占いなんて。

ということで、信じます。
動けっていわれているのだろうと思います。
自分のやりたいことのために
ちょっと久々に動いてみようかと思います。

私がやりたいことは
実は一貫していて変わってないのです、その手段が変わっても。
「私の周りでイタリアと日本がぐるぐる周りめぐって
みんながいろんな情報を共用して楽しくなれること」
ただそれだけ。

くじけませんように。(祈)


GIOTTO sotto i raggi Ultravioletti

2010-03-16 18:37:59 | アート・文化

フィレンツェのサンタ・クローチェ教会は
1300年代の作品をはじめとする芸術作品の宝庫。
主祭壇脇の2つの礼拝堂も
Giotto(ジョット)の作品で飾られています。
2つの礼拝堂はCappella Peruzzi(ペルッツィ家礼拝堂)と
Cappella Bardi(バルディ家礼拝堂)で
それぞれ「洗礼者ヨハネと福音書記者ヨハネの生涯」と
「聖フランチェスコの生涯」が描かれています。
ルネッサンス絵画の父としても高く評価され
ウフィツィ美術館も彼の作品から導入されるジョットは
この壁画でも古典性の強い、
シンプルな動作の人物を描いていますが、
シンプルなだけにかえって非常にシュールな感じを受けます。

後者が伝統的なフレスコ画法で描かれているのに対して
前者は漆喰が完全に乾いてから
色を乗せるセッコ画法で描かれています。
このセッコ画法で描かれた部分に
紫外線投射をすることによって
これまで肉眼では確認できなかった詳細が明らかにされました。

実際このサンタ・クローチェ教会の礼拝堂は高さもあり
下から見上げる形での鑑賞になること、
また1700年代に上塗りされた後に
数度の修復で上描きされていることなどから
全体が平面的でなんとなくぼやけた感じの作品のように見えます。
しかし、紫外線を投射してみたところ
ジョットが描いたオリジナルは
現在我々が見ているものとは
異なっていたことが明らかになったのです。

漆喰に色を埋め込んでいくフレスコ画では
炭酸塩化の過程で顔料が漆喰に吸収されるため
込み入った装飾などを描きこむのには向いていません。
フレスコ画とセッコ画を組み合わせて
詳細部分をあとから付け加えた作品もよく見かけられます。

サンタ・クローチェ教会のペルッツィ家礼拝堂が
セッコ画法で描かれていることは既によく知られていることで、
フィレンツェの外にもいくつかの製作現場を抱えていた
当時売れっ子画家だったジョットが
作品の製作時間を節約するために選択した画法だと
専門家の間では長年信じられていました。
しかし、今回の紫外線投射によって浮かびあがった
詳細部分を分析するにつれ
ジョットはペルッツィ家礼拝堂の作品で
板絵に描くような人物の奥行きや衣服のひだつけ、
建築物の装飾などを実現するために
フレスコ画法に比べてより自在に色の調整をすることのできる
セッコ画法を敢えて選んだのではないか
という仮説が生まれています。

実際に詳細部分では金と銀の輝き加減や、シルクの光沢、
背景に描かれる風景の遠近感などが
描き分けられているといわれています。
そうした部分は下から肉眼で見上げても確認ができないのですが、
紫外線を当ててみて、今回初めて確認できたようです。

サンタ・クローチェ教会のジョットの壁画の分析・修復作業は
現在修復士、美術史家、研究者などからなる
34名のスタッフで進められていて
今回の紫外線投射での再発見により
両礼拝堂の修復工事は延長の見通しで
まだ2年半ほど要するだろうと見られています。
しかし、今回の再発見は誰もが予期しない出来事であったので
実は、更に踏み込んだ調査を行うための
資金(約20万ユーロ)が不足。
世界各地の公私の投資を募る予定。

芸術作品の修復・保存には莫大なお金がかかります。
そして経済的に苦しくても
芸術作品を山のように抱えるイタリアでは
この分野への投資を欠くことはできないのです。

ジョット研究の流れを変えるかもしれないとまで言われる
今回の調査の結果が一般市民にも公表されるには
まだまだ時間がかかりそうです。


Frittelle di riso e mele

2010-03-13 12:37:38 | Squisito!

金曜日のランチのパニーノと一緒に
パン屋さんで買ったFrittelle。
揚げドーナツです。
これってカーニバルの時期に山ほど並ぶけど、
普段も食べるんだね。
そりゃそうだ。

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めったに買わないけど、
パニーノのお代を払おうと思ったら
目の前に並んでいたので、つい。
パニーノが1,80ユーロだったのに
フリッテッレが3,67ユーロで
ついでに買ったものの方が高かったりして。

ライスとりんご。

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すごくもちもちむちむちずっしりしてます。
甘すぎなくて朝ごはんに2-3個食べるのにはよいかも。
10個買ってきたんだけど、
おやつにつまんだりしてあっという間になくなりそう。