のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

Are you OK?

2006-10-19 | KA
 それはもう出番の直前、それもキャプティビティーの直前、ということはバトンのソロの直前、音楽は鳴り始めてリフト5はあがり始めていたから本当に直前のことでした。
「ノリコ、パンが今日はキスをするって言っているのだけど、エリカに何かアドバイスされてやるって言っているのだけど、Are you OK?」
 と、双子の男の子の代役のパンの通訳をしているバイグー。
 Are you OKって、えー。今日はちょっとのどが痛いけどシェリーじゃないから手にキスだからいいと思っていたのに、えー。心の準備もないままに、えー。そんな突然に、えー。とは、頭の中。気持ちの整理なんて、心の準備なんてないほうがいいんだ・・・
 「オ、OK・・・」
 彼の動作につながりがないので、本当のことを言うととてもやりにくかったです。いつキスをするのか読めず私は反応できない状態。その動作をするということに精一杯で、気持ちなんて込められなかったのでしょう。手にキスをするほうがまだ思いが伝わる感じでした。
 

 いつものように身体を縮こまらせながら客席側の舞台下で影絵の後の戦いを見ていました。
 この場面、アーティスティックディレクターからは頭を上げないで欲しいといわれていました。でも、コーチは戦いの場面は何があるかわからないから見てチェックしておいた方がいいと言ってくださっていました。
 だからいつものように降ってくる人がないことを祈ってちらちらと戦いを見ていました。
 目を戦いから離した次の瞬間、右の上腕にドスンと。私は床に倒されました。ジェスターのクレベーフ。筋肉モリモリの彼が降ってきた・・・それでも演技につなげればならない私たち。
 またもやバトンのシーンの前・・・
「Are you OK?」
 クレベーフがわざわざ探してきてくれました。少し右腕が痛いけど、首が少し変だけど、今「OK」と言わないとそこに気持ちがいってしまう。
「大丈夫、大丈夫。あなたこそ大丈夫なの?」
 キックをしたあと足を床に置こうと思ったらまわりすぎていて置いてみたら舞台がなかったとのこと。それは怖かったでしょう。
 彼はその後も会うたびに気遣ってくれました。そして、
「ノリコがクッションになってくれたから助かったよ。」
 彼は身のこなしが軽やかだから私も助かりました。

 明日、右腕が動かないことが、首が回らないことがないことを祈るのみです。
 
コメント (2)
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