山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

息災に祖父のしらがのめでたさよ

2009-08-04 23:48:45 | 文化・芸術
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―四方のたより―今日のYou Tube-vol.30-
「往還記-OHGENKI-Ⅲ」のFirst stage
「WALTZ -輪舞-sculpture.2-WALTZ-輪舞-2」



<連句の世界-安東次男「風狂始末-芭蕉連句評釈」より>

「空豆の巻」-27

   年貢すんだとほめられにけり  

  息災に祖父のしらがのめでたさよ  岱水

次男曰く、夜の雪は思のほか早く積る。ひとまず家路の心急いだが、このぶんなら大丈夫そうだと腰を落着け、振舞酒にでも与っている様子、と前二句を読めばわかる。

奪って帰りついた「祖父-ぢぢ-」を家人が迎えると作っている。ほめられたよと当人が報告すれば家人も共によろこぶ。「ほめられにけり」の後付に着目して其人のことばに読替えた-奪った-ところに工夫がある。

場も人-ほめる人、めでたさよと喜ぶ人-も別に移し替えられている。「祖父」は其人の孫、子、息子の嫁、さらに老婆のことばであってもよい。場を移せば-家に帰れば-喜びも一入になる、というところにうまみのある付だが、気付いた評家はいないようだ、と。


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