ギャラリー樟楠&あるぴいの銀花ギャラリー日記

作家の紹介から展覧会の様子。 ギャラリーのあるアルピーノ村の季節のお知らせ。

京都・荒川尚也さんの晴耕社ガラス工房へ

2013年06月13日 18時42分37秒 | たけしの工房探検
 
 
6月6日、杉﨑良子 東影智裕 二人展の初日を終え、先日まで開催していた
但馬木彫展の作品を車に積み込み、いざ西へ向かって出発。
 
 
途中、事故渋滞で1時間30分の足止めを受けながらも、朝9:00に最初の目的地
京都府丹波町のある、荒川尚也さんの晴耕社ガラス工房へ

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左右にある工房を抜け、ご自宅に案内されると
荒川さんのガラスたちが出迎えてくれました。

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ご自宅の中にも、実験中の試作や異素材で作られた作品が並んでいました。

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2年に一度、展示させていただいているガラスとは、少し雰囲気が違う作品は
とても新鮮で、ひとつの作品が完成するまでの時間を感じます。
 
 
工房へ足を向けると、一番に紹介されたのが自動金属切り機

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自転車のフレームとマッサージチェアーのモーターを使った手作りマシンです。
動かして木を切ってくれたのですが、なんとも言えない愛嬌のある動きと作動音でした。
 
 
ガラスを溶かす窯のある工房の中心部。

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手前にあるのが、吹いたガラスに熱を加え加工すための窯です。
すぐ奥にあるのが、ガラスをゆっくり冷ます為の窯。
左の奥の方が実際にガラスを溶かすメインの窯です。
 
 
メインの窯は火を落とすことができないので、排熱の装置はコンピューター制御されていましたが、このコンピューターも手作りです。

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訪れた日は、展示搬入作業へ向かう準備の為、吹き仕事は見れませんでしたが、窯は準備万端な気配で存在感も強かったです。

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そして気になるのが道具たち。

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吹き棒やハサミ、加工する道具たちは使い込まれ、輝き、とても美しく魅力的な道具たち。憧れですね。
 
 
その道具たちに囲まれた作業椅子。

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この場所で荒川さんの注吹きガラスが生まれるのですね。
僕が使っているコップもワイングラスもこの場所からやってきたんです。
 
 
外には、ガラスを溶かす坩堝(るつぼ)の割れてしまったモノがありましたが
貼りついたガラスが綺麗でした。

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黒いガラスが分かりますか。
 
 
向かいの建物も見せていただきました。
グラスの底などを削ったり磨いたりする部屋です。

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ふたりのお弟子さんが作業中でした。
 
 
その奥は、金属の加工部屋

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荒川さんの作品は、器だけでなくオブジェや灯りもあるのですが
金属も多く取り入れた作品なんですよ。
 
 
一見ガラクタや粗大ごみに見える錆びたモノたちも
変化を観察したり、実際に作品の一部になったりするものもあるそうです。

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風化した魅力は、自然の力に助けてもらって生まれるのですね。
 
 
最後に見せていただいたのは、材料部屋。
この部屋にも手作りのマシンがありました。

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逆光で見え辛いですよね。ごめんなさい。
荒川さんのガラスは、とても丈夫で、ずば抜けた透明感。それは、材料の中に入っている不純物を、可能な限り取り除いているからなんです。
その不純物を取るのが、このマシン。
「工房のスペースや望む機能で買うよりも作った方が良いモノができる。物作りの現場で、ガラス屋だからガラスしかできないではなく、作れるモノは作り、壊れたら直し、そして工夫する。すると、次第に良いモノができてくる。それは何を作っていても、前へ進むために大切なこと。」
 
 
あたりまえのコトだけど、実践するのはとても大変なコトだと思う。
でも、あらためてこの言葉を自分の心にぶつけて
僕も少しづつでも進んでいけたらと思います。
 
 
荒川さん、突然の訪問に快くご案内して下さり、ありがとうございます。
次回は、ガラスを吹いている所を見させてもらえる時に訪れたいです。
そしてまた、素敵な作品、うつわたちを見せて下さい。楽しみにしています。

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荒川尚也 晴耕社ガラス工房 

2013年3月 荒川尚也 あるぴいの銀花ギャラリー展示 
 
 
 
 
丹波の山を後にして次の目的地に向かう途中、天橋立の看板を発見し
ちょっと寄り道してしまいました。

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つづく
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 




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