あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

Deerhunter 「妄想することはそこから脱出する手段になることがある」

2017-07-28 23:37:03 | 音楽
皆様、今晩は。阿呆で器具類ぴえろんの尼寝です。
今夜は久方振りに音楽を御紹介致しましょう♪

今日からハマッた音楽です。

ずばり、そのバンド名をDeerhunter(ディアハンター)と言います。
アメリカのジョージア州アトランタ出身であるそうです。



ディアハンターで一番有名なジャケットと言えば、多分2008年の「マイクロキャッスル」 - Microcastle これではないですかね?










これは当時ジャケが非常に気になって、ジャケットのインパクトから視聴したくなったアルバムです。
危なそうな香りのするジャケットですよね。これは。



このバンドのヴォーカルのブラッドフォード・コックス (Bradford Cox)がですね、実は今朝に書きました映画「ダラス・バイヤーズクラブ」人生は一度きりだけど、他人のも生きてみたい。の映画に出演していたのです。







そのシーンがこちらです。
左端の彼がそのブラッドフォード・コックスですね。
彼の雰囲気が可愛らしくて気になっていまして、後でディアハンターという前にアルバムを視聴して当時は悪くは無いもののあまり好きにはなれなかったバンドのヴォーカルだったことが解りました。






Deerhunter - Cover Me (Slowly) / Agoraphobia







この一曲目二曲目はとてもシューゲイザーでドリームポップな曲ですね。



全体的にはシューゲイザーというよりドリームポップでサイケポップロックなアルバムだと感じますが、自分は前はどうもそこまで好きにはなれなかったアルバムです。
ニューゲイザー、ニュー・サイケデリックなどと呼ばれているようですね。

しかし悪いというよりは、自分には良さがちょっとまだわからないなという口惜しさの残る感じのアルバムでした。

それが今回聴きなおしてみるとなかなか良いと感じました。
映画の力でしょうか?









右端がブラッドフォードたんですね。
母性本能を器用にもくすぐることがぼくはできるぜ的な自信ありげの特質をお持ちな人格性というところでしょうか。
非常に惹かれる人間性ですね。
実は当時どんな男たちが遣ってるかも全く知らんでわたしはアルバムを聴いていました。。。

音楽(作品)が第一でしょう!という人間なので、音楽がよければ人間はなんでもいいわけなんですね。

しかし今回は映画の彼にとても惹かれまして、音楽に戻ってきて出会ったんだよん♪という運命的なデイア(デアイ)でありました。


さっきディアハンターの「モノマニア」 - Monomania(2013年)ってアルバムが最高に乗れるで、お酒を飲みながら褥(しとね)の上で久方振りに飛び跳ねて踊りました。
楽しかった(笑)酒と良い音楽さえありゃ独りでも楽しめる36歳を手前にした独身女です。
ほんと、久しぶりに良い運動になりましたが、途中頭を左右に振りすぎて目が廻って倒れかけました。

狭い部屋で頭打って死ぬ危険性があるので、皆様も気をつけてくださいね。

しかしこれだけ独りでも楽しくなるバンドと言やぁ、ストーンローゼスやレイト・オブ・ザ・ピアくらいしか咄嗟に想いつかないほど貴重なものです。

ディアハンターに感謝しましょう。


今のところ、モノマニアの次に好きなアルバムは「ハルシオン・ダイジェスト」 - Halcyon Digest(2010年)ですね。


そこから一曲。



Deerhunter - Helicopter (Official Video)




いいですね、文句の付けようもない甘いサイケポップロックです。




最新アルバム「フェイディング・フロンティア」 - Fading Frontier(2015年)からも一曲。




Deerhunter - Snakeskin





大分サイケ感が強い曲ですね。この曲もすごくかっこいいです。




そして先ほど一番乗りのりに踊ってしまったモノマニアから一曲。



Deerhunter - Back To the Middle (Official Video)




これはPVがかなりインパクトがあって、にやにやしながらずっと観てしまう感動的なプロモーションビデオですね。
この曲はほんと楽しい♪
これからもたくさん独りで踊りたくなっちゃう曲ですね。





それで画像を色々拾ってて、見た途端つい爆笑してしまったのがこの画像です。









細すぎだろっ(笑)とつい自分の162cm37kgの体型を忘れて突っ込んでしまったほど細いですね。
彼からしたらわたしもドデブじゃないですかね?もう「ドとブ」とも発音してもらえなくて、「ドゥ・デヴ」って言われそうです。
わたしも相当細いですが、これでもまだプヨプヨ感はそこらかしこに見えるように感じます。

いや、細いだけじゃなくて、服装から表情から全部が面白くて笑ってしまったのですが、こんだけ好きな音楽をじゃんじゃんと奏でといて拒食症とかあるのか?と疑ってしまいますが、心配になるくらいの細さではありますね。

でもまあ大丈夫だろ(笑)と想ってしまうのは、やっぱり好きなことを遣り続けていける深い喜びですべてをカバーできるでしょう?と感じるからかもしれませんね。

これがバンド解散とかになると心配にはなるものです。

しかしロックミュージシャンなんて痩せすぎてるくらいで普通ですから、それほど違和感も感じないですね。
逆に激太りしてたら、大ジョブなのか?と心配になる職業です。
(追記、ブラッドフォード君の細さは翌日になってマルファン症候群という先天性の疾患からによるものだと知りました。。。
それについての謝罪と懺悔を含めた記事をまた書いたので良かったらご覧くださいね♪)

ディアハンター「独りでいることを選んでしまっているのかもしれない」




それは墓ですか?
――ディアハンター、インタヴュー


「僕には大切なキャラクターがいて、それはジョーイ・ラモーンとかパティ・スミスとかロックンロールのアーティストなんだけど、(中略)いまいったような人たちはすごくつまらないところから脱出できた人たちだよ。
マッチョイズムからもね。
僕はすごく苦い人間なのに、みんなはセックスとかアルコールとかダンスだとかを求めてる。
クソ・マッチョイズムというほかないよ。」



なるほど、トレインスポッティングのレントン(ユアン・マクレガー)でさえセックスとアルコールとドラッグに溺れていたが、ブラッドフォード・コックスの言い分では、そんなものはクソだという意見が当時あったわけですね。今も変わらないかな?

自分もついさっき、アルコールと一緒に激しくも阿呆なダンスを繰り広げてしまったのだが(笑)
わたしもブラッドフォードからしたらクソ・マッチョイズムと言われるのでしょうか?
いやいや、音楽にダンスやアルコールやセックスは求めてませんよ。
何故なら、音楽があまりに優れていると自然にダンスとアルコール(陶酔・脳内麻薬)とセックス(性的な快感)が起こるものではないのかどうか・・・?
要は、良い音楽は乗れるし脳内麻薬どぱどぱだし、快感が凄いよねってことでしょう?

まぁそんなこたぁなんでもいいのですがね。
音楽さえ良ければアーティストの言い分さえもスルーして問題ないでしょう。


しかし、ロックというのはアルコールとダンスを切り離せるものですか?

わたしだっていくらなんでも音楽をセックスの手段などにはしたことはありませんよ。
ブラッドフォードとの意見の対立とかどうでも良いくらいに音楽が素晴らしいですから、気にすることはありませんよ。




てか、わたしの一つ年下じゃん、ブラッドフォード君は。
1982年生まれは問題年ですよ。
色々ね。
問題児の多い産まれ年ですよ。

感性の豊かな変わり者の人間が多いですよという意味です。

しかもうちの母親の命日5月15日が誕生日じゃないですかっ。
運命的ですね、これまた。











ノースリーヴで身体が真夏で頭だけ真冬ですね。
ロックミュージシャンはファッションもなんでもありです。


奇跡の来日を果たした、天才ブラッドフォード・コックス率いるディアハンター(Deerhunter)。





――エコー&ザ・バニーメンのエコーと同じですね。エコーって、リズムマシーンの名前だったんですよ。
「知っているよ。日本製だよね。
僕が一番最初に買ったレコードはエコー&ザ・バニーメンの『クロコダイルズ』だったんだ」

――サイケデリックですね。やっぱサイケが好きなんですね。
「サイケというか、サイケデリック・パンクだよね。
サイケデリックだから買ったんじゃないよ。
中古で安く、メンバーが木にもたれている変なジャケットのレコードだったから買ったんだ」

――でも一番最初にエコバニを買うなんて変わってますね。
「レコードではね。CDだとたぶん、マドンナとかを買ったんじゃないかな、覚えてないんだけど」

――普通ですね。
「普通だよ」




この尻切れな形のインタヴューの終え方はなんなんだ(笑)
笑かしてくれますねほんと。
その後、何も続かなかったのか(笑)
ブラッドフォードを激オコさせてしまったのでしょうか。

ジャケ買いはするべきですね、この時代は特に。

頑張って欲しいですね、レコード会社に負けるなーという応援をし続けないといけませんね。。。





Deerhunter perform Memory Boy on David Letterman (February 22, 2011)





いやぁ~真面目そうですねぇっブラッドフォード君。
イメージどおりの好青年という感じで嬉しいですよぼくは。




最後にもう一曲、モノマニアの曲を貼って終えましょう!





Deerhunter - Monomania (4AD)







かっこいいですね!一番やさぐれた感じのアルバムで大好きですよ∩*´ω`∩









映画「ダラス・バイヤーズクラブ」人生は一度きりだけど、他人のも生きてみたい。

2017-07-28 06:59:29 | 映画






2013年のジャン=マルク・ヴァレ監督の『ダラス・バイヤーズクラブ』(Dallas Buyers Club)という映画を昨夜観た。
書いていたらもう朝の10時になってしまった・・・



解説

1980年代当時無認可だったHIV代替治療薬を密輸販売し、アメリカのHIV患者が特効薬を手にできるよう奔走した実在のカウボーイの半生を映画化した人間ドラマ。

HIV陽性と診断されたカウボーイを『マジック・マイク』などのマシュー・マコノヒーが演じ、21キロも減量しエイズ患者という難役に挑んだ。

『チャプター27』などのジャレッド・レトー、『JUNO/ジュノ』などのジェニファー・ガーナーが共演。
監督を『ヴィクトリア女王 世紀の愛』のジャン=マルク・ヴァレが務める。



あらすじ

1985年ダラス、電気技師でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、お酒やドラッグや奔放な女遊びに明け暮れた生活を送っていたが、ある日倒れて運ばれた病院先でHIV陽性であったとの診断を受け、余命は30日だと言い渡される。






主演のマシュー・マコノヒーという俳優は知らなかったのですが、泣きながら笑っているようなワンシーンの写真を観て、これは良さそうな映画だなと想い観ました。

始まりのシーンから、この人の表情に一気に魅せられてしまいました。
セックスシーンなんですが、とても苦しそうな表情をしていて、本当に色っぽいのです。
ロンを演じたマシュー・マコノヒーが44歳くらいのときの映画のようですが、50代末くらいにも見えます。


この映画を期に、改めてHIV・エイズについてすこし調べました。


HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことで、ヒトの体をさまざまな細菌、カビやウイルスなどの病原体から守る(このことを"免疫"といいます)のに大変重要な細胞である、Tリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染するウイルスです。
HIVは大きく分けて、HIV1型とHIV2型があります。



HIVがTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染した結果、これらの細胞の中でHIVが増殖します。
このため、免疫に大切なこれらの細胞が体の中から徐々に減っていき、普段は感染しない病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症します。
この病気の状態をエイズ(AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome、後天性免疫不全症候群)と言います。
代表的な23の疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズと診断されます。



となっていますし、HIV感染からエイズ発症までは10年以上かかる人もいる為、HIV陽性と診断されて余命30日と医者から言い渡されるのはおかしいはずなのですが・・・当時の医学ではそんなこともまだわかっていなかったのでしょうか。











突然、HIV陽性で余命は30日だと医者から言い渡されロンは自分の偏った知識から、自分は罹るはずはない、嘘であると信じようとするのですが、もうこのときにはたぶんエイズを発症していて、日に日に身体の異変を感じてロンはエイズに関しての知識を自分で調べてゆくと、そこには感染原因の項目に自分のこれまでの行動が該当していることを知り、絶望します。




これ以上はちょっとネタバレになりますので、気になった方は是非御覧ください。
わたしの好きな映画のBEST10以内に入れたいほどの素晴らしい映画です。

とにかくマシュー・マコノヒーの演技と表情が素晴らしく、実はうちの亡き父と結構そっくりな表情に観えてしまうところが幾つもありました。











一番好きなシーンです。













上のこの写真なんか特にロンのこのときの表情は、うちの父の、最期に目にした表情によく似ているのです。。。
うちのお父さんはよくクリント・イーストウッドに似ているとみんなで言ってましたが、
たぶんこの表情は他の誰よりも似ているように想えます。











あんまり苦しすぎて泣きながら笑ってしまう人間の悲しく美しい心理を素晴らしく表現している本当に感動するシーンです。
お父さんに見えて仕方ないので、何度も観るのもつらいのですが、こんなに美しい表情をする人はそうはいないので、是非多くの人に観てもらいたいなと想います。













横顔までお父さんに似ているような気がしてきます。












そしてこのスーパーのシーンも大好きです。
わたしもロンの着ているようなちょうどこんな緑と白のストライプ模様のシャツを持っています。
当時のカウボーイファッションを基にしているデザインだったのでしょうか。
似合ってますよね。
うちのお父さんは髭はこんな風に伸ばしてはいませんでしたが、眼鏡の形がちょっと似ているように想えます。
そしてこのときの表情もすごく父に似ているんですよね。
お父さんも性格は短気で怒ると結構怖い人だったので、外では特にこういう険しい顔をいつもしていました。
頬のこけ方も痩せ方も本当にそっくりです。吃驚するほどです。
病気になる前からこれくらいは痩せていたように感じます。
若いときの写真でもかなり痩せていましたが、至って健康的な父でした。











ジャレッド・レトーが演じるレイヨンもとても傷つきやすく繊細なトランスジェンダーの役を上手く演じていて良かったです。
ロンに対するほのかな恋心を隠していたのかどうか?気になるところです。
この振り向いた感じが凄く綺麗です。













蝶の幼虫からHIVに対する抗体となる薬を作れるという話から、それを採取するために確か育てているシーンです。
とても現実的なところから急に幻想的になる好きなシーンです。






















そしてこのシーンも大好きです。
「普通の生活に憧れた?」
とロンが病院で知り合って親しくなっていった女医のイブに向かって尋ねるシーンです。
イブは「そんなのある?」と訊き返します。
ロンは「多分な」と言って、「ただ俺が欲しいのは・・・」
と幾つかもともとの生活で得ていたものを挙げたあとに、最後に
「子供も欲しい」と応えます。そして
「人生は一度きりだけど、他人のも生きてみたい」
とそうロンは言います。

ここもすごく感動的なシーンです。
自堕落な生活を送っていても、ロンは生きることに自棄になっていたわけではないことがわかります。
ロンはずっと生きることが苦しかった人なのかもしれません。
その苦しみをどうにか紛らわすためのお酒とドラッグとセックスであったのかもしれない。
自堕落な暮らしを心から楽しんでいたというよりも、心のどこかで離れたいと想っていたのかもしれないなと想ったのです。
だから最後に一番欲しいものを挙げたんじゃないか、と感じました。
だって今までの乱れきった生活と子供を両立させることはできないことくらいロンもわかっていたはずです。

ロンは普通の生活の喜びをまだ知らなかったんだと想うのです。
子供を持って、親になるという人生をロンは一番に望んだのではないか。





現在は費用の問題や、まだまだ二次感染のリスクがゼロではないHIV感染者の生殖問題ですが、HIV感染者の生殖補助医療も年々進歩している。と書かれているので、子供を持つという夢を諦める必要は現代ではないですね。
子供が生まれるということにリスクの無い方法はないからです。



本当に愛している人がHIV感染者であったなら、同じ病気に罹って死ねることは幸せなことのように感じます。



観終わって、悲しいという気持ちではない涙が流れました。
悲しみを超えた感動の涙です。
でもやっぱり、ロンが最愛の父にとても似てるからわたしにとって傑作なのかもしれません。