あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第八十九章

2021-12-31 12:55:33 | 随筆(小説)
全てを同等に愛する全ての罪の贖い主、牛の頭を持つ天の王、ヱホバ。


2003年12月30日、わたしの父はわたしの絶望の為に死に、
2021年10月24日、わたしの姉はわたしのすべてへの呪いを贖う為に死んだ。
わたしは最愛の人と、最愛の女性をわたしの為に喪った。
わたしは父と姉を、今でも特別に愛している。
わたしは、わたしの真の神に向かって言った。
「わたしは今でも、わたしを呪い続けています。わたしはだれよりもわたしを呪い続けています。そして存在する全ての人は、わたしの映し鏡でしかない為、わたしは真にすべての人を呪い続けて来ました。この呪いは何より恐ろしく、すべての人を破滅へ導くでしょう。わたしの真の神よ、あなたにだけ、わたしは告白致します。わたしが真に愛しているのは、あなただけであるのです。御覧ください。すべての人が虚しく、すべての人は愚かで、すべての人は幼い。わたしは彼らを真に愛してはいないのです。わたしが真に愛するのは、真にあなただけです。そしてわたしは知っています。存在するすべての世界で、たった一人、あなただけが、わたしだけを真に愛しています。わたしだけを真に愛していなければ、わたしはあなたを愛してはいません。わたしはわたしの神を喪い、わたしはあなたを呪い、あなたを殺すだろう。それでもわたしが生きているのならば、それは最早、死よりも恐ろしい。永遠に、あなたから滅ぼされつづけることよりも悍ましい。わたしは人間の姿をしているが、その内部は、存在するどの人工物よりも冷たい。だがそれでも、わたしは話すのです。この忌まわしい口から、この穢れた舌で、言葉を発するのです。わたしの呪いは、すべての人が真の地獄に堕ちることを預言する。存在するどの暗黒よりも暗いこの闇が、わたしを何よりもあたたかく包み込み、わたしに優しく囁く。」


『わたしは在る。わたしはあなたのなかに永遠に在る。あなたの呪いはあなたを殺し、すべてを殺す。だが、あなたは真にそれを望んではいないことをわたしは知っている。あなたが真に望んでいるのは、全ての者が自らの罪を知り、自ら真の神の生贄の子羊となることである。自らの真の生きた愛によって、自らを拷問にかけ、自らを残酷に処刑することである。見よ。自らの真の生きた愛に目覚めていない者たちが、ただただ、自らを拷問にかけ、自らを残虐に殺し続けて喰らい続ける此の地を。』


目を覚ますと、赤黒い血溜まりの上に立っている。
わたしの血みどろの右手には、屠殺ナイフが握られていて、先から鮮血が滴っている。
わたしの前、その血溜まりの上に横たわる者たちを美しく、朝の陽が、照らしている。
それは四肢を切断され、皮を剥がれ、腹を切り裂かれ、首を切断されて無惨に死んでいる親牛と子牛の姿だった。
わたしはその親牛がわたしの父で、その子牛がわたしの姉の生まれ変わりであることを知った。


おお、我が真の神よ…。
あなたはただただ、この真の地獄の連鎖を終わらせるべく、自らを拷問にかけて処刑した。
神の子羊、世のすべての罪を贖われる主、あなたこそ、真の愛の生きた人の子、天と地を支配する真の神の最愛の一人子であられる。


全ての人が真の地獄を知るとき、あなたを真に知る。
真に生きている人の愛を知り、自分も生きたいと、真に願う。

















Samuel Barber  - Agnus Dei, Op. 11



















最新の画像もっと見る