あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第八十四章

2021-11-13 20:53:07 | 随筆(小説)
我が永遠に愛する母エホバよ、
わたしを御憐れみください。
わたしはあなたの胎に宿ったとき、わたしはこの世界に生まれたくはなかった。
わたしはわたしの内にある罪のすべてを知っていた為、この地の獄に産み落とされたくはなかった。
あなたはわたしの罪の重さを知りながらわたしを生み落とした。
存在するどの地もわたしに平伏し、わたしが見えないと言った。
わたしもわたしが見えなかった。見えるはずがあっただろうか。
あのとき、あの日に、彼がわたしに契約したのを憶えている。
此処に、存在するすべてをわたしに与えると彼は言った。
その代わりに、わたしは彼と契約した。
わたしは永遠に悲しみつづけ、苦しみつづけて生きつづけるこの地獄にだけ存在する存在として、あなたと一つとなって、この黒々とした冷たい血の消えない地に産み落とされ、果もなく、生きてゆかねばならないこの息を授かることを。

永久に悲しみつづける我が母エホバよ、わたしをだれよりも苦しい生け贄として焼き尽くしてください。
あなたの最も求めるものは何よりも苦しみ、地の底に我を喪うほど打ち砕かれた霊。
それは何よりも、あなたの生け贄として相応しい。
あなたの求める完全なる雄牛、その黄金の祭壇に血の滴るその舌と骨を。
我が愛する神エホバ、あなたに捧げられますように。

わたしのたった一人の母、エホバ。あなたに帰らせてください。
あなたはまだだれも、見たことのないもの。
あなたこそ、真の死。
わたしはあなたに立ち戻る。
わたしと共に賛美し、この始りと終りなき夜を祝福してください。





















Gregorio ALLEGRI - Miserere Mei, Deus (+ Lyrics / OXFORD, Choir of New College)  



















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