オレゴン大学の博士号を持つマイケル・フランクス
(Michael Franks) が1977年に作詞・作曲し自ら
歌ってヒットさせた曲であり、
AOR (アダルト・オリエンテッド・ロック)
・・・海外ではAC(アダルト・コンテンポラリー)と
呼ばれているジャンルの代表的な曲であるアントニオ・ソングを
私が、歌って録音しました。
この曲は、サブタイトルに The Rainbow が付けられています
ので、正式曲名は、Antonio's Song (The Rainbow)になります。
歌詞に「アマゾン」が出てきますので、アマゾンの景色とそこに
生息する動植物の画像をスライドしています。
この曲について、少し。
ボサ・ノヴァと云う音楽の創造者の一人である
アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)
を讃えた歌です。
マイケル・フランクスは教授の資格をもつ歌手で、アメリカ・
カリフォルニアで育ちましたが、ブラジルを愛し、ジョビンを
敬愛しています。
ジョビンは、ポピュラー・ソングを一番多く作曲した事でも
知られています。
この曲には次のメッセージが込められています。
アメリカ社会が、南米からの移民を冷遇しており、非常に安い
賃金で過酷かつ粗悪な環境のもとで労働する事に耐えねばならない。
南米からの移民達は、自分達の血に流れている燃えるようなリズムの
音楽を忘れずにいよう歌おう、そして虹(希望を表しています)と光
をと。
マイケル・フランクスは、北米と南米の現実の格差を言い表すと共に、
ジョビンの音楽が人々に癒しを与えてると歌詞で伝えています。
ボサ・ノヴァのリズムを使い洗練された都会的でオシャレな曲調で、
しかも哀愁感のある素晴しい曲なので、多くの歌手によりカバーされ
日本でも人気のある曲です。
では、本家マイケル・フランクスで。
1993年(1991年の可能性あり)、来日公演で東京ブルーノートでの
ライブ映像です。
次は、ヘレン・メリルのライブ映像で。
その他にも、この曲をカバーしているたくさんのアーティストの動画が
ありますので、聴き比べるのもいいと思います。
<歌詞>
Antonio lives life's frevo*
Antonio prays for truth
Antonio says our friendship
Is a hundred-proof*
The vulture that circles Rio
Hangs in this L.A. sky
The blankets they give the Indians
Only make them die
But sing the song
Forgotten for so long
And let the Music flow
Like Light into the Rainbow
We know the Dance, we have
We still have a chance
To break these chains and flow
Like Light into the Rainbow
Sing the song
Forgotten for so long
And let the Music flow
Like Light into the Rainbow
We know the Dance, we have
We still have a chance
To break these chains and flow
Like Light into the Rainbow
Antonio loves the desert
Antonio prays for rain
Antonio knows that Pleasure
Is the child of Pain
And lost in La Califusa*
When most of my hope was gone
Antonio's samba led me
To the Amazon
We sing the song
Forgotten for so long
And let the music flow
Like Light into the Rainbow
We know the Dance, we have
We still have a chance
To break these chains and flow
Like Light into the Rainbow.
アントニオは 人生のフォレヴォに生き
アントニオは 真実を求め祈る
アントニオは 俺たちの絆は
とても強く結ばれていると言う
リオで自由に飛んでいるコンドルも
このロサンジェルスの空にいると 吊るし肉にされる
彼らが先住民に与える毛布だけでは
先住民を死に追いやるだけさ
さぁ 歌をうたおう 長い間 忘れられていたあの歌を
そしてあの音楽を 途絶えることなく流そう
虹に光が注がれるように
俺たちにはあの踊りがある
まだチャンスは残されている
この束縛を破り 自由になれるチャンスが
虹に光が注がれるように
アントニオは 砂漠を愛し
アントニオは 恵みの雨のために祈る
アントニオは 喜びとは痛みから生まれることを
わかっている
そして魂が失われたカリフサで
未来への希望が消えてしまったとき
アントニオのサンバが
俺をアマゾンへと導いた
さぁ 歌をうたおう 長い間 忘れられていたあの歌を
そしてあの音楽を 途絶えることなく流そう
虹に光が注がれるように
俺たちにはあの踊りがある
まだチャンスは残されている
この束縛を破り 自由になれるチャンスが
虹に光が注がれるように
*歌詞には、日本人が知らない言葉や造語が出てきます。
frevo「フォレヴォ」というのは、ブラジルの二拍子の音楽で、
カーニバルなどで踊る時に使われるリズムの一種です。
ブラジルの人々の血に流れる心から沸き上がる情熱や魂の叫び
を表現し、それを人生そのものだと歌詞で伝えています。
a hundred-proof・・・アメリカで、お酒のアルコール度数
が50%と表す用語ですが、 ‘すごく強い’ 絆と言うことを表して
いると思いました。
La Califusa「ラ・カリフサ」は、造語で『La』は、 L.A.
『Calif』は、California そして『usa』は、U.S.A で、
ロサンジェルス市 カリフォルニア州 アメリカ合衆国の事です。
歌詞の中で 砂漠やアマゾン が出てきます。幼い頃にブラジルの
大自然に囲まれ育ったジョビンはアマゾン熱帯雨林を保護する
ための活動を行い環境保護に関心が深く、ジョビンが作った曲
には自然の美しさ大切さを伝えるメッセージの曲が数多くあります。