“Everything Happens To Me”
(日本でのタイトル「なにもかも 悪いことばかり起こる」)を
海外で制作された生演奏の音源で歌って録音しました。
この曲は、チェット・ベイカーが歌っているのを若い頃から
聴いていたので知っていましたが、自分が歌う そして録音
するとなると たいへん難しい曲だと改めて再認識しました。
メロディに大きな起伏がなく淡々と歌う曲で変化をうまく
つけないと平坦な歌になってしまいます。
有名なアーティストの録音をたくさん聴きましたが、味わい
深い歌唱にしているのが多く、私では到底無理なのがよく
わかりました。いつものように(いつもより更に)下手ッピで、
発音もうまく出来ていないところがたくさんあります。
この曲は、1941年にトミー・ドーシーのバンド・ピアニストで
あったマット・デニスが作曲し、トム・アデアが歌詞をつけた曲で、
トミー・ドーシーのバンド専属歌手だったフランク・シナトラが
歌いヒットさせました。
その後、歌詞にぴったりの陰鬱でやるせない気持ちをよく表した
歌い方で最大のヒットを放ったのは、チェット・ベイカーでした。
マット・デニス自身もピアノ弾き語りで録音しています。
歌詞の意味を知れば、面白く興味をそそります。
不幸な男の物語で、まったくツキがなく縁起の悪い事ばかり起こり、
好きだった初恋の人にまで逃げられると云う内容です。
では、アーティストの録音を聴いてください。
私は、この人の歌い方を参考にして、この曲を練習しました。
ハンツ・スタマー(Hans Stamer)です。長いキャリアのある
アーティストですが、日本では殆ど知られていないです。
すごく巧いです。間奏でスキャットを交えて歌っています。
次は、女性ヴォーカリストを。
マンハッタン・トランスファーのメンバーである
シェリル・ベンティーン(Cheryl Bentyne)を聴いてください。
すごく巧いです。発音が綺麗で歌詞がはっきりとわかります。
シナトラやチェット・ベイカーは有名過ぎるので、あえて載せませんでした。
< Everything Happens To Me の歌詞とその和訳>
I make a date for golf,
And you can bet your life it rains.
I try to give a party,
And the guy upstairs complains.
I guess I'll go through life,
Just catching colds and missing trains.
Everything happens to me.
I never miss a thing.
I've had the measles and the mumps.
And every time I play an ace,
My partner always trumps.
I guess I'm just a fool,
Who never looks before he jumps.
Everything happens to me.
At first, my heart thought you
Could break this jinx for me.
That love would turn the trick to end despair.
But now I just can't fool
This head that thinks for me.
I've mortgaged all my castles in the air.
I've telegraphed and phoned
I sent an air mail special too.
Your answer was goodbye
And there was even postage due.
I fell in love just once,
And then it had to be with you.
Everything happens to me.
ゴルフに行く予定を入れたら
絶対に雨が降る 賭けてもいい
パーティの準備をすれば
上の部屋の住人が苦情を言ってくる
風邪を引くとか電車に乗り遅れるとかは
僕の人生ではまだマシなほう
どんなことでも起こる
僕にやり残しなどない
ハシカもおたふく風邪も経験済み
エースのカードで勝負すれば
相手はいつも切り札を出す
僕ってバカかもしれない
「跳ぶ前に見る」そんなこともできない
僕には本当どんなことでも起こる
出合った最初は、
君の愛の力でこの僕の不運を
終わらせてくれるって思った
でも もうそんな思い込みではごまかせない
空想の城も もう抵当に入れてしまったよ
電報も打ったし電話もかけた
特別便のエアメールも出したけど
君からの返事は「さようなら」
しかも郵便料金不足のオマケ付き
たった一度だけ恋をした
それが君だったのに
僕には本当どんなことでも起こる
~ ♪ ★ ☆彡 ☆ ♫ ~ ~ ♪ ★ ☆彡 ☆ ♫ ~
※この曲を作曲したマット・デニスのLPレコードジャケットです。
それを語りかけるように静かに歌われ、大人の感じがしました。
シェリル・ベンティーンの歌も聴きましたが、女性の感性で共感できるとこあります。
どちらもお上手ですね~^^
不運な自分を寂しく語る男性の心情を
歌詞にしていますが、歌詞を訳した最初は
笑ってしまいましたが、歌っているうちに
かわいそうと思うようになりました。
日本語で歌うには、リアルすぎて歌詞には
不適切かもしれませんね。
立場を女性にして歌っているシェリル・ベンティーン
は、綺麗な声と発音なので、もっと切実に
聞こえました。
男女ともに、この歌詞をこのメロディを歌う
のは難しいかと思いますね。