リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

自民に投票した人が「自民多すぎ」と言う矛盾――「有権者のバランス感覚」はどこへいった?

2017-10-25 | 政治
比例区で自民・公明に投票した人でもそれぞれ3割が自公で3分の2は「多すぎる」と答えたという世論調査の結果が10月25日の朝日新聞で報じられていた.年代別にみるとほとんどは「多すぎる」が多かったというが,18~29歳では「ちょうどよい」が56%に達しているという.自民党が若者に支持されていることは選挙前から報じられていたが,どういうことなのだろう.分析がほしい.昔なら若者ほど革新志向と相場が決まっていたと思うのだが.
そもそも安倍首相の進める政策については「期待の方が大きい」の29%より「不安の方が大きい」の54%が大きく上回っている.一方で自民党優勢が報じられてから株高が続き,選挙で与党が勝利するとまた上がった.これはやはりアベノミクスによるばらまきには期待するが,安保法制や改憲などの右寄りの施策には不安という民意の現われだろう.

それはさておき,自公に投票しておいて「3分の2は多すぎる」,というのは有権者の健全なバランス感覚だろう.このブログでは事前調査で自民優勢がはっきりすると,自民党政権が続くのまでは我慢するから多すぎる多数は与えないよう呼びかけた(10月19日).だが零細ブログの悲しさ,全く効果はなかった.「とりあえず自分一人は自民に入れても害はないだろう」と思って投票する人が多かった結果が,この「多すぎる」与党議席だ.「自分一人くらい棄権しても何も変わらないだろう」というのと同じで,無自覚な一票の行使が集まって,多くの人が望まない結果を生んでしまった.有権者はもっとバランス感覚を行使できなかったものか.

無茶を言っているのはわかっている.万一,自分が非自民に投票することで自民党が負けたりしたら……と考えると,いくら優勢が伝えられたからといって自民支持者が自分の一票を非自民に託すのは無理だろう.有権者のバランス感覚を本当にすくい上げようとしたら,たとえば「一人10票制」にして,「自民4,公明1,あとは野党に1ずつ」みたいな投票を可能にするしかないが,そんな複雑なことをするには信頼できる電子投票システムが不可欠で,当面実現は無理だろう.
現在の小選挙区制になってからも選挙結果について「有権者のバランス感覚」が指摘されたことは過去にあったと思う.それはどこにいってしまったのだろう.

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