リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

制裁としての輸出制限は相手国産業の育成につながることも!

2020-01-21 | 政治
韓国が超高純度のフッ化水素の国産化にしたそうだ(朝日新聞2020-1-21)。半導体製造に不可欠なものだが、2019年8月に日本政府が輸出規制したため「脱日本」「ジャパンフリー」の動きを加速し、19年間できなかった悲願を達成したという。輸出厳格化の時点で危惧されていたこと(過去ブログ)が早くも現実化したことになる。
昨年アメリカが中国のファーウェイ向けの一部の電子部品の輸出を禁止した(BBC)ときにも思ったのだが、圧力をかけようと思って輸出を規制することは、むしろ相手国の産業を育成することにつながることがあるのではないか。相手国内のメーカーにとっては、輸入品の圧倒的なシェアの前に販路を拡大できずにいたのが、輸出国の側から勝手に手を引いてくれるとなれば、それはまたとないビジネスチャンスとなるのだ。レアアースのように資源を押さえているという事情がなければ、先進国相手の輸出規制はもろ刃の剣になりうることを心しておくべきだ(資源を押さえていれば輸出規制していい、という趣旨ではない)。
今回の超高純度フッ化水素についても、技術的にはこれまでもできないことはなかったのだが、日本からの輸入があったために経済的に割が合わなかった。日本政府が輸出厳格化を決めたことで本気で取り組んだらできた、というだけのことのようだ。多くの大企業が中小企業に協力的だったというから、国民的な「脱日本」の動きを盛り上げてしまったことがうかがえる。
昨夏の政府の輸出厳格化が間違いだったかどうかは今断言できない(過去ブログでも迷っていた)。だがいろいろな面で、自公政権のやっていることは近視眼的な政策ばかりで長期的な国益をきちんと考えていないように思えてならない。

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