リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

ワクチン不足を「風評」と切り捨てず、現実を見て差を埋めよ

2021-07-14 | 一般
ワクチン接種を急げというから努力したのに政府からの供給が滞って受付停止に追い込まれる―そんなことがあちこちで起こっている。7月11日には全国知事会が「接種に全力を挙げてきたのにハシゴを外されて混乱していると、政府は厳しく認識すべきだ」と訴えた。だが13日、自民党の下村博文政調会長は「ワクチンが足らないという風評が広がっている」と述べた。(asahi.com)現実を見ずに改めようとしない安倍・菅政権のいつもの悪い癖だ。
政府の認識が現実とずれているのには二つの原因が考えられる(朝日新聞2021-7-13)。
・まず、国はワクチン接種記録システム(VRS)というものを使って接種回数を認定している。だが、これはワクチン接種券の読み取りなど操作が煩雑で、さらに一部では国からの機器の配送が遅れている。そのため、接種してもVRSに入力されていない事例が多数ある。VRSだけでは現状は把握できない。
・さらに、1回目の接種だけ終えた人には数週間後に2回目の接種をしてもらう。その分を新規予約に振り向けるわけにいかないのは明らかだ。

ワクチン不足で5万人以上の予約をキャンセルする事態になった神戸市の場合、国から供給されたファイザー製ワクチンは約95万回分。VRSでの接種済み回数は約68万回(8日時点)だが、市が医療機関から報告させている接種回数の累計は72万回に上る。さらに1回目の接種のみ終えた高齢者の2回目に必要な分が約23万回分あるのを加えると、95万回。ちょうど国からの供給量と一致する。これはやはり「在庫なんてない」というのが正しいのではないか。

不祥事が発覚しても「調べる必要はない」、オリンピック開催のリスクを問われても「安全安心」の一点張り―菅政権は一事が万事こういう調子で、現実をふまえて合理的にすべきことを考えるということをしない。現場にワクチンがない現状を見すえて、対策を打つべきだ。

追記:大阪市の場合、接種されたのにVRSへの登録がまだで政府が把握できていないのが24万件ある。政府はVRSに基づいて在庫があると判断して大阪へのワクチン共有を1割減らすことにした。大阪市は各医療機関に聞き取り調査をしたが、1週間分以上の在庫があるところはなかった。(朝日新聞2021-7-16


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