リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

中国の恫喝外交が今度はチェコを標的に

2020-09-03 | 政治
中国が資金力にものを言わせて、アジアやアフリカ、ヨーロッパにまで影響力を広げているが、借金漬けで中国に支配される「債務のわな」に気づいて中国頼みを見直す国も多い(過去ブログ)。今回はチェコだ(朝日新聞2020-9-2)。
投資事業が予定通り進まないなどの理由でチェコでは中国への失望が広がり、プラハ市で北京市や上海市との友好関係を犠牲にしてまで台北市と友好関係を結ぶ動きまである。そんななか、前上院議長が訪台を計画していたのだが、中国がチェコ大統領に中国市場からの締め出しを示唆して警告する書簡を送ったのが猛反発を呼んだ。前上院議長は1月に病死したが、後任のビストルチル上院議長は「チェコが自由で独立した民主主義国家だと示す」と宣言し、強い世論の支持を背景に台湾訪問を決行した。
チェコ大統領や政府はいまだ中国との協調路線を捨ててはおらず、今回の訪台とも距離を置いているが、8月にはポンペオ米国務長官も訪台したばかり。中国外相は「14億人の人民を敵に回すものだ。必ず大きな代価を払わせる」と宣言した。

これまでも中国は気に入らない相手に対して、巨大市場を背景に恫喝し、無法を繰り返してきた。2008年にはチベット問題でフランス系スーパーのカルフールに対して営業妨害がされた。南シナ海問題で対立するフィリピンに対しては、検疫強化でバナナの陸揚げを止め、大量に腐らせた。2010年に人権活動家の劉暁波氏にノーベル平和賞が授与されたときには、ノルウェー産のサーモンを事実上締め出した。(過去ブログ) 日本だって他人事ではない。2010年に尖閣諸島での中国漁船体当たり事件の際、レアアースの事実上の禁輸やさまざまな通関手続きの厳格化など、あの手この手でいやがらせをされたことは記憶に新しい(レアアースについてはWTO協定違反と認定された)。今回、中国がチェコに対してどのような報復措置を講じるかわからないが、中国の危険性に目覚めたチェコ人民を陰ながら支援したい。

あからさまに世界秩序を破壊するトランプ大統領を見ていると、中国のほうが正しいのではと思えてしまう局面も多々ある昨今だが、香港の締め付けといい、各国に対して続けている恫喝外交といい、やはり中国のやり方は見過ごしにはできない。

追記:中国政府は、議長の訪台に加わったチェコ企業を中国市場から排除する方針を決めた。(朝日新聞2020-9-12)チェコ関係者は「幼稚な対応に驚く」と述べたという。また、中国国民に対してチェコへの旅行を控えるよう呼びかけたともいう。建前は新型コロナウイルスの流行のためとなっているが、事実上の報復措置とみられている。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ポスト安倍は、バラマキによ... | トップ | 安倍首相辞任は、自民党の選... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事