リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

ワンイシュー投票の功罪:沖縄・普天間飛行場の辺野古移設の場合

2018-10-27 | 政治
沖縄県で米軍の普天間飛行場の辺野古移転の賛否を問う住民投票の実施が県議会で決まった(朝日新聞2018-10-27)。先の知事選では、経済問題で安倍政権に冷遇されるリスクがあるにも関わらず、沖縄県民は与党が全面支援した候補ではなく、移設反対派の玉城デニー氏を選出した。住民投票を実施すれば移設反対が多数になることは目に見えている(投票率が低いと県民の総意とみなされない懸念はあるようだが)。結局、住民投票は移設反対派がアピールするだけのものなのだろうか。

国政選挙でも地方選挙でも、争点は一つではない。先の国会では自民党・公明党はカジノ法の成立を強行した。カジノのような世論調査では反対が多数のものであっても、選挙の際には「ばらまきで景気を支えてくれる」などそれ以外の政策で与党が票を集めてしまう。だから個別の政策で住民・国民の意見を直接聞く「ワンイシュー投票」は十分意義のあるものだと思う。

だが辺野古移転場合、単にその賛否を問うて反対が上回ったとしても、代わりの候補がみつからない以上、普天間基地返還が進まないということだ。(世論調査でも設問の仕方によって賛否が大きく変わることが知られているが、住民投票も賛否を問う内容をどこまで書くかによって結果も大きく変わってくる可能性がある。)
住民投票の結果に法的拘束力はなく、安倍政権は投票結果にかかわらず辺野古移転を進める姿勢だが、その点をべつとしても、やはり「移設反対」をアピールするだけの住民投票の意義は限定的だと思えてならない。

先日も書いたが、軍事的に「辺野古しかない」という主張に対し、「軍事的必要性はどこまでなら譲れるか」という視点から、本土も含めた代替地を検討することが必要だろう。それには、沖縄県での住民投票もいいが、やはり本土のほうでの意識の盛り上がりがほしい。

関連記事:
「沖縄知事選での民意を受け止める2つの道」
「沖縄基地問題:共産党は現実的な枠組みでの「一歩前進」を否定するな」

追記:今回の沖縄県民投票の意義が限定的だと書きながら申し訳ない気持ちになっていたが、一般論としてはよくあることのようだ。朝日新聞2019-2-16では、住民投票に関する一般論として、「選択肢……が実効性を欠くことによって投票そのものの意義が失われるという懸念」に触れられていた。



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