景気が悪ければ金融緩和し、景気が良ければ引き締めて調整する。教科書にも書いてある基本だ。だが日本ではアベノミクスのもと「異次元」と称する異常な金融緩和が続けられてきた。今年、景気拡大が戦後最長の6年超になった可能性があると発表されたが、アベノミクスで好景気と宣伝する一方で金融の引き締めは一度も行われなかった。「景気がいいときも景気が悪いときも緩和」というのは「永久緩和」であり、「思考停止」だと、「(多事奏論)世界経済に暗雲 「永久緩和」という思考停止 原真人」(朝日新聞2019-4-17)は指摘している。アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は段階的に利上げを行ない、正常化に向けて努力している。利上げで景気を冷ますのを恐れるのはわかるが、出口戦略を怠って金融緩和をやめられないのはおかしい。
ここ数年間は世界経済の好調のおかげでなんとかなっていた(過去ブログ)。問題は世界経済が下降に転じた時だ。日銀が国債を買い、銀行にはマイナス金利という負担を押し付け、公的資金で株も買う――あらゆる手段で緩和を進めてきたおかげでもはやさらなる景気刺激の余地は残されていないのではないか。上記記事も「次の危機で有効な緩和手段は残されていない」と指摘するし、私を含め多くの人が指摘してきたことでもある。
今年は消費税増税がせいいっぱいで利上げどころではないだろうが、将来的な出口戦略を練るとともに、「アベノミクスで好景気」といいつつ将来の金融政策ののりしろを作る努力をしてこなかった黒田・日銀のやり方の検証も欠かせない。
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「2兆円を超える対策予算を決めて消費増税見送りはあり得ない」
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