福島原発で増え続ける処理水の海洋放出が始まった。中国は即日、日本産の海産物の全面輸入禁止を打ち出した。放出開始前から通関手続きの厳格化など嫌がらせは始まっており、放出を開始すればさらなる手を講じてくることは予想されていたが、全面禁輸は関係者にとっても想定外だったようだ。福島周辺のみならず、日本中の漁師や輸出業者に影響が及ぶ。日本にとって中国は海産物の輸出先の大事な市場だが、中国にとって日本は海産物の輸入先のトップ10にははいっていないというから、自分は被害を受けずに日本を困らせるのにうってつけと見て踏み切ったのだろう。
だが、日中双方の漁船が同じ海域で操業することもあるというのに、日本からの輸入のみを禁止するというのはやはりおかしい(朝日新聞2023-8-26)。そもそも原発の処理水の放出はどの国もやっていることで、中国自身、日本よりはるかに多くの処理水を放出していると、先日のテレビ番組で池上彰氏が解説していた。同盟国の米国や韓国はともかく、IAEAからもお墨付きをもらっているのに執拗に反対する中国の姿勢は、政治的なものとみて間違いない。
とはいえ日本国内でも処理水の放出に反対が強いのも事実だ。不都合なことは公文書でもなんでも隠蔽して国民に説明しようともしない自公政権の体質を考えると、問題があったときにきちんとした情報公開、対応がなされるのか疑念をもつのもわかる。そもそもIAEAに正しい情報が伝わっているのか、など疑いだせば切りがない。
だから私もこれまで処理水の海洋放出はやむをえないこととは思いつつ、賛成とは言い切れずにいた。
だが中国の態度を見ていると、もはや海洋放出の中止はすべきではない。そんなことをすれば中国の威圧に屈したことになる。「テロリストとは交渉しない」と言うように、威圧に屈したとあれば、ことあるごとに威圧をしかけられることになる。これまで態度を決めかねていた私だが、今となっては海洋放出の継続を強く求めたい。
追記:中国政府が海産物は危険だとあまりに大々的に宣伝したので、中国沿海で操業する中国の漁業者たちも風評被害に苦しんでおり、SNSなどでアピールしているという(朝日新聞2024-8-21)。記事では2例しか言及されていないが、こうした動きが広がることで、日本の水産物禁輸を続ける中国の政策の矛盾に気づく人が増えてくれるといいのだが。
追記2:結局、日本産水産物の全面禁輸をやめようとしない中国政府のかたくなな姿勢とは裏腹に、漁業者に対して処理水関連で海域や魚種を制限する通知はなく、大量の中国漁船が基本の近くで操業する状態が続いている(朝日新聞2024-8-24)。中国の禁輸で大打撃を受けた日本の海産物の「王様」ホタテも、減った分の半分ほどはアメリカ、ベトナム、タイなどへの輸出増でカバーできるまでになったが、予断を許さない状況だという(同35面)。
だが、日中双方の漁船が同じ海域で操業することもあるというのに、日本からの輸入のみを禁止するというのはやはりおかしい(朝日新聞2023-8-26)。そもそも原発の処理水の放出はどの国もやっていることで、中国自身、日本よりはるかに多くの処理水を放出していると、先日のテレビ番組で池上彰氏が解説していた。同盟国の米国や韓国はともかく、IAEAからもお墨付きをもらっているのに執拗に反対する中国の姿勢は、政治的なものとみて間違いない。
とはいえ日本国内でも処理水の放出に反対が強いのも事実だ。不都合なことは公文書でもなんでも隠蔽して国民に説明しようともしない自公政権の体質を考えると、問題があったときにきちんとした情報公開、対応がなされるのか疑念をもつのもわかる。そもそもIAEAに正しい情報が伝わっているのか、など疑いだせば切りがない。
だから私もこれまで処理水の海洋放出はやむをえないこととは思いつつ、賛成とは言い切れずにいた。
だが中国の態度を見ていると、もはや海洋放出の中止はすべきではない。そんなことをすれば中国の威圧に屈したことになる。「テロリストとは交渉しない」と言うように、威圧に屈したとあれば、ことあるごとに威圧をしかけられることになる。これまで態度を決めかねていた私だが、今となっては海洋放出の継続を強く求めたい。
追記:中国政府が海産物は危険だとあまりに大々的に宣伝したので、中国沿海で操業する中国の漁業者たちも風評被害に苦しんでおり、SNSなどでアピールしているという(朝日新聞2024-8-21)。記事では2例しか言及されていないが、こうした動きが広がることで、日本の水産物禁輸を続ける中国の政策の矛盾に気づく人が増えてくれるといいのだが。
追記2:結局、日本産水産物の全面禁輸をやめようとしない中国政府のかたくなな姿勢とは裏腹に、漁業者に対して処理水関連で海域や魚種を制限する通知はなく、大量の中国漁船が基本の近くで操業する状態が続いている(朝日新聞2024-8-24)。中国の禁輸で大打撃を受けた日本の海産物の「王様」ホタテも、減った分の半分ほどはアメリカ、ベトナム、タイなどへの輸出増でカバーできるまでになったが、予断を許さない状況だという(同35面)。