リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

幼児教育無償化8000億円 vs 待機児童対策3400億円 ~優先順位が違うのではないか

2017-12-14 | 待機児童
安倍政権が選挙に向けて9月急遽持ち出した「幼児教育無償化」.待機児童対策が先ではないかとの声が噴出してたびたび軌道修正を迫られてきた.今日の朝刊(12月14日)によれば,幼児教育(保育)無償化に8000億円,待機児童対策には3400億円(さらに保育士の待遇改善に数百億円)を投入する予定という.だがこの数字を見て改めて幼児教育無償化に投入する資金を待機児童対策に振り向けるべきではないかと思う.11月26日にも書いたように,政府の待機児童数の見通しは甘い.安倍首相も待機児童がゼロにならない可能性には言及して予防線を張っているが,政府推定より倍以上ある民間の試算があることを考えると,「予想より増えてゼロになりませんでした」ではすまされない.ここは大幅に食い違う試算をすりあわせて検討し,厳しめに見積もった目標に向けて集中的に資金を投入し,待機児童対策に万全を期すべきだ.
待機児童対策で重要なことはいろいろあるのだろうが,その一つが保育士の待遇改善であることは私も10月12日に書いたし,上記朝刊の記事でも識者が指摘している.記事の別の学者の試算によれば,約3500億円を投じれば,約20万人いる私立認可園の常勤保育士を3割増やし,給与を月額4万円引き上げる(それでやっと女性の全産業平均と並ぶ)ことができるという.
こうした数字を見るにつけ,政権の人気取り政策の「無償化」に向けられる8000億円は方向性が間違っていると思わざるを得ない.

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