リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

戦時中の加害責任を語ることさえ許されない社会はおかしい

2019-09-04 | 政治
ナチスドイツによるポーランド侵攻による第二次大戦勃発から80年目となる9月1日、ポーランドでの記念式典で、ドイツ大統領は「わが国が犯した罪を忘れず伝えていく」と語った(朝日新聞2019-9-2)。一方、終戦記念日の全国戦没者追悼式で安倍首相は「三百万余の同胞の命が失われました」とは語ったものの、アジア諸国の犠牲については触れなかった(朝日新聞2019-8-16)。日本では「侵略」といっただけでも右派からの批判にさらされる。政府が加害責任に目を向けようとしないばかりか、市民が加害を語ることさえ許されないような雰囲気が息苦しい。
「あいちトリエンナーレ」で慰安婦を表わす少女像に対して過激な批判が殺到したのは象徴的だ。今韓国との関係が最悪と言われる状態になっているのも、(韓国が約束を守らない態度が直接的な原因であるとは思っているが)日本の「保守派」が過去の加害責任を否定しようとする姿勢に対する不信感が背景にある。

ところで、ローマ教皇が11月に訪日して被爆地の広島・長崎を訪問する方向で調整が進んでいるという(朝日新聞2019-9-2夕刊)。海外に向けて日本は原爆被害については積極的にアピールしている(そのわりには核兵器廃絶には及び腰だが)。だがアジア諸国への加害から目をそむける一方で、自国の被害ばかりアピールするのは不釣り合いではないか。数年前、何かのイベントで広島・長崎を国際的にアピールしようとしたら、中国から「日本が被害者面している」と批判されて否決されたことがあった。あの中国に言われるのは面白くないが、残念ながら日ごろの「保守」政治家の言動を見ていると「被害者面」の批判にも反論しにくい。

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