リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

ユニーク公約の落とし穴

2019-07-17 | 政治
参院選の各党の公約には、孤独担当大臣の創設、花粉症ゼロ社会、大阪消防庁の設置といった変わり種の公約が散見されるそうだ(asahi.com)。今回の参院選では知らないが、「PTA改革」を公約にした市長もいたし、「ごみ問題」のような身近なところを訴える候補者もいるかもしれない。「安心できる年金を」とか「豊かな暮らしを」といったありきたりの公約や、統計不祥事とか森友・加計疑惑など経緯が複雑な批判にぴんとこない人も、ピンポイントで自分が重視する点を訴えてくれる党があれば魅力的に魅力的に映るだろう。
だが選挙は決してワンイシューではないことを忘れないでほしい。ある一点で頼もしいと思って投票したら、当選後に実は右寄りの人だったと思って愕然とすることだってあるはずだ。

ユニークな公約というのは、たしかにメジャーな政治的争点に隠れて埋没しがちな問題に焦点を当てるという意味もあるが、優先順位の差こそあれ、与野党でも対立は少ないはず。世論の盛り上がりさえあれば遂行は不可能ではない。そのような基準で投票して、憲法改正とかカジノとかに突き進む人を当選させたりしたら、取り返しのつかないことになりかねない。


追記:上記を書いたとき、実は念頭にあったのは「NHKから国民を守る党」だった。一部から共感を集めやすい特徴ある政策で議席を獲得しておいて自民党の補完勢力になるのではと危惧していたのだが、調べる時間がなく具体的に指摘できなかった。だが案の定というべきか、党代表の立花孝志氏は「自民党がNHKのスクランブル放送をやってもいいというのなら、憲法改正に賛成する」と述べたという(朝日新聞2019-7-25)。参院選挙区で候補者37人を立てたのも党の名を売るためと割り切っていて、候補者の信条なども細かく問わずに主に電話で決めたというから、右寄りの信条を隠していたというよりは「NHKをぶっ壊す」という目的のためには他はどうでもいい、ということなのだろう。だが、それにしても憲法改正を軽々しく交換条件に使ってほしくない。
また、記事で立花氏が「地方選は、国政進出への資金稼ぎのため」と公言しているのも気になった。地方議員を増やしてその給与から選挙費用を借りるということらしい。(地方議員って、そんなに実入りのいい職業だったのか。)だがそんなふうにして集めた地方議員たちはいろいろ問題を起こしており、しかもその問題というのが「在日特権を許さない市民の会」の会員らと教職員組合の事務所に侵入するだとか、韓国と取引する日本企業を「売国国賊企業」と語るなど、右寄りの過激な言動なのが気になる(後者は党を除名)。
多様な争点があるなか、どこか一点で強く共感できる人がいれば投票したくなるのはわかるが、やはり「事案ごとの投票」でなく「議員を投票で選ぶ」代表民主制の限界と思えてならない。

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