リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

トランプ大統領の一言が地球の裏側に戦禍を招く

2017-12-13 | 政治
トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言した.エルサレムはイスラエル,パレスチナ双方にとって聖地であり,これまで国際社会はイスラエルの首都として認めてこなかった.日本の大使館もエルサレムではなくテルアビブにある.これまでもアメリカはユダヤ人ロビーの影響でイスラエル寄りの姿勢を取ることが多かったが,トランプ大統領は12月6日,完全にイスラエル寄りの立場を鮮明にして,エルサレムをイスラエルの首都と宣言したのだ.
それ以後,イスラエルとパレスチナの間で暴力の応酬が止まらなくなっていて,死者も出ているという(朝日新聞12月12日同一面).
かつてブッシュ大統領が大量破壊兵器に関する誤った情報に基づいてイラク戦争を始めて中東を混乱のどん底に落とし入れた時とは異なり,今回は軍隊を送り込んだのでもミサイルを発射したのでもない.だが対立する一方に肩入れすると宣言することで,和平に向けた一切の努力を踏みにじり,暴力の連鎖を生むことになった.「アメリカファースト」を唱えるトランプ氏としては,地球の裏側がどうなろうと知ったことではないのだろう.(国際情勢の不安定が長期的にはアメリカの利益にならないことも判断できないようだ.)
これは日本にとっても他人ごとではない.北朝鮮問題に関し,トランプ大統領は金正恩氏と同レベルの挑発的な発言を繰り返している.北朝鮮と戦端を開けば韓国や日本といった「同盟国に重大な結果を招く」にもかかわらずだ.地球の裏側がどうなろうと気にかけない大統領が米軍のトップにいるとなると,ちょっとしたはずみで取り返しのつかない決断をしかねない.
エルサレムに関するトランプ大統領の宣言に関し,ヨーロッパでは批判が広がっているのに対し,日本政府の反応は鈍い.他人ごとだと思っていると,次は日本が翻弄される番になりかねない.ここは同盟国として,トランプ大統領を諫めるのが筋であり,日本の国益にもかなうと思うのだが.

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