リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体のインタビューに応じて何が悪いのか?

2022-08-21 | 政治
自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関連が次々に明るみに出ている。世界平和統一家庭連合からの票を自民党が安倍元首相のもと、組織的に割り振っていたことをうかがわせる証言も出てきた(朝日新聞2022-)。そしてこのたびは公明党の選挙対策委員長と国会対策委員長が世界平和統一家庭連合の友好団体が発行する月刊誌のインタビューを受け、記事が掲載されていたことがわかった(朝日新聞2022-8-20)。
旧統一教会は高額商品を買わせる霊感商法などが社会問題になったが、その後は品物が残らない寄付の強要に手口を変えているという。連合自身は改善したと主張しているが、その後も借金・破産してでも数千万とか億とかの寄付をさせる事例が後を絶たない(asahi.com)。安倍元首相を射殺した男性の母親もそうして破産した一人だ。
国会議員とのつきあいがあることが世界平和統一家庭連合にお墨付きを与えるようなところがあったことは間違いない。また、旧統一教会から世界平和統一家庭連合への名称変更が水面下で拒否され続けてきたにもかかわらず、2015年になって認められた(asahi.comasahi.com)ことも、やはり団体の素性を隠すことを助けただろう。政治家としては、このような反社会的活動を続ける団体とのかかわりは問題だ。

その前提であえて言うが、公明党の幹部二名が関連団体の月刊誌のインタビューを受けて記事が掲載されたという今回の件は、それほど重大事なのだろうか。たしかに関連団体が公明党幹部のインタビューを載せた機関紙を見せることで「うちは機関紙に大物政治家のインタビューが載るようなまともな団体なんですよ」という宣伝に使われたことは想像に難くない。だがそれをいうなら、公明新聞(公明党の機関紙)やあかはた(共産党の機関紙)でインタビューに応じている有名人だって、必ずしも公明党や共産党を支持しているわけではないはずだ。インタビューを受けたこと自体を問題視されるとなると、公明新聞やあかはたの取材に応じることすらできない状況にならないか。さらにいえば、朝日新聞とか産経新聞とか、政党機関誌でなくても政治的スタンスが鮮明なメディアはたくさんあるが、明確に支持している団体以外は取材も受け付けないような風潮が広まると、報道の前提がくずれるのみならず、社会全体が委縮してしまう。

たしかに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は組織的に問題活動を行っていて、公明党や共産党といった政党と同列に論じることはできない。なので関連団体のインタビューに応じたのは大物政治家としては不用意だったと言われればそうなのかもしれない。だが、政治家にとって取材依頼は日常茶飯事と思われる。そのたびに取材側の身辺調査を行うことも現実的ではないだろうから、今回の一件に限っては私は公明党幹部2名に同情を禁じ得ない。

少なくとも、インタビューに応じたことが問題視されるのは、団体の思想そのものが理由なのではなく、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が反社会的な活動を続けているという点であることは忘れないようにしたい。


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