中国で主席の任期を「2期10年まで」とする憲法条文を削除する憲法改正案が発表された(朝日新聞2018-2-26).かつての終身制に後戻りしかねないとの懸念も出ている.ことほどさように,権力者とは自分の都合のいいように憲法を変えたがるものだ.
日本の民主主義はまだ中国と同レベルにまでは墜ちてはいないと思うが,それでも安倍政権による改憲の動きには私もたびたび警鐘を鳴らしてきた.特に,一時期話題に上った緊急事態条項は,緊急事態を宣言しさえすれば国会議員の任期をいくらでも延長できるという危険なものだ.折しも,集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」について,安保法制が違憲かどうかが問われる裁判で国は「発生を具体的に想定しうる状況にない」としているのに,国会の議論では北朝鮮の脅威が強調されてきた(朝日新聞2018-2-26).ことさらに「Jアラート」などと称して危機をあおっていたことも記憶に新しい.
こういう二枚舌を平気で使う政権のもとでは,改憲案の内容を検討して妥当な憲法改正の方向性を決めるという理性的な手続きは望めない.やはり少なくとも安倍政権に憲法改正をさせてはならない.
関連記事:
「改憲「緊急事態条項」は「国難」による首相の終身化に道を開く」
関連リンク:「「習氏は終身国家主席」 トランプ氏、任期制限の撤廃巡り 政治資金パーティーで冗談」(朝日新聞2018-3-5)
追記:朝日新聞2018-3-6によれば,発表が全人代開幕直前になるなど不自然な点があり,さすがに中国国内でも疑問の声が上がっているという.これが通ってしまうようではかなりやばいと思うのだが.
日本の民主主義はまだ中国と同レベルにまでは墜ちてはいないと思うが,それでも安倍政権による改憲の動きには私もたびたび警鐘を鳴らしてきた.特に,一時期話題に上った緊急事態条項は,緊急事態を宣言しさえすれば国会議員の任期をいくらでも延長できるという危険なものだ.折しも,集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」について,安保法制が違憲かどうかが問われる裁判で国は「発生を具体的に想定しうる状況にない」としているのに,国会の議論では北朝鮮の脅威が強調されてきた(朝日新聞2018-2-26).ことさらに「Jアラート」などと称して危機をあおっていたことも記憶に新しい.
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追記:朝日新聞2018-3-6によれば,発表が全人代開幕直前になるなど不自然な点があり,さすがに中国国内でも疑問の声が上がっているという.これが通ってしまうようではかなりやばいと思うのだが.