リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

不便な正月がなつかしい

2017-12-31 | 一般
三越伊勢丹は,従業員に配慮して正月三が日の休業を検討していたが(asahi.com),結局断念し,従来通り2日や3日に初売りをすることになった(asahi.com).思えばかつては正月三が日は店は営業していないのが当たり前だった(それをいうなら大晦日も休みだったように思う).「働きバチ」と言われた日本人が正月だけは休みになるのが海外で大きく報じられたものだ(バブルのころの『ニューズウィーク』誌あたりに「東京に人がいなくなる日」のようなトップ記事があったように記憶している).
だが今や三が日どころか元日営業も当たり前だ.買いだめを心配せず普段どおりに生活できるのは便利ではあるのだが,店で働いている人たちは正月も休めないということだ.ライバル会社のことを考えると自社だけ休むというのは難しいのかもしれないが,地域で話し合って一斉に休む,といったことはできないのだろうか(独禁法上,大丈夫かな?).もっとも,ある地域だけ休みになれば,近隣地域に客足を取られてしまうということがあるから,やはり全国レベルでやる必要があるかもしれない.(ヨーロッパでは「閉店法」というものがあって日曜は店は休みという話も聞く.「ビンボー主婦の海外放浪記」「海外の万国反応記」など.)
そもそもそうまでして競争する必要があるのだろうか.「利益よりも従業員」と考える企業がリーダーシップを取って休みを導入してはどうだろうか.
だがスマホで常時他人とつながっている今の人たちは,私がなつかしむ「何もないゆっくりした正月」というのは望んでいないのかもしれない.考えてみれば,たとえ店が休みになったとしても,交通機関,郵便・配送,放送など正月も働いてくれている大勢の人がいることで現代社会が成り立っているという側面もある.少なくとも,正月に仕事をする人たちが,若干時期をずらしてでもまとまった休みが取れるような社会であってほしい.

追記:少しだが「きちんと休む」動きもあるらしい.コンビニのセイコーマートは半数の店で元日休業し,定食チェーンの大戸屋は年末年始に安む店を前年比で倍増させたという.ロイヤルホストでは深夜早朝の営業時間を短縮したのに続き,今年は3日間の一斉休業日を設けるという.(朝日新聞2018年1月17日)人手不足のためやむなくということらしいが,もっとこういう動きが広がってほしい.

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