第5節 三位一体と自由の国―――第三部のテキスト分析「第三部 完成された宗教」の課題は、キリスト教を「宗教の概念」の完全な実現として叙述することである。その中心をなすのは、神の概念を三一的な「精神の生」として展開することである。>><<山崎純『神と国家』(s 184 )
その中で、キリスト教の三位一体の教義が理性の言葉で思弁的に捉え直される。この思弁的な正当化の基本はすでに『精神現象学』でなされていた。(第一章第三節)そのために叙述に安定性がある。一、この構成の変化とその意味、二、三一論と自由論との関わり、三、講義を締めくくる講述の変化