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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 ブラウブリッツ秋田vs藤枝MYFC

2024-11-26 16:06:13 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(36節・大分戦、0-2)
※前回の藤枝の記事はこちら(37節・岡山戦、0-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(藤枝 1-0 秋田)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 蜂須賀が今季限りでの引退を発表。そして今節スタメン出場と、引退試合の様相に。
  • 吉田の負傷が発表されるも、発生日・治癒期間ともに未発表。
  • 大ベテランの加賀が10節(岡山戦、0-0)以来のベンチ入り。

<藤枝スタメン>

  • DAZNの予想では、世瀬がアンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)。しかし前線5人は流動的なため、どれが正解かは一概には言えず。(試合開始後の布陣を見た放送席では、3-4-2-1と言っていた)

お互いチームカラーがハッキリとした、かつそれが真逆のものというクラブのぶつかり合い。
しかも2クラブとも、2020年以降にJ2昇格を果たした者同士という、シーズン最終戦に相応しい一戦となったでしょうか。
藤枝・須藤大輔監督も、試合前のインタビューで「信念」というワードを口に出す程、そんな対決の色は強く。

しかし「信念を貫く」という事は、悪く言えば「それに基づいたプレーをしていれば、例え負けても良い」と捉えられる事でもあり。
前年の藤枝は終盤の残留争いの際、引き気味に守備ブロックを作るという、その信念を曲げるようなスタイルへと舵を振ったのは記憶に新しく。
これが信念よりも、結果に拘るという勝ち点への「執念」と言っても良く、そのおかげで残留を果たしたのは周知の通り。
今季は中位の上の方に居たため、表立ってその選択を迫られる事は無かったでしょうが、今後それだけで良いのかどうか。
信念と執念を天秤に掛けながら、進化と微調整を続けていくのが生き残る道……というのは言うは易しですが、秋田のような振りきったチームまでとはいかない(単に守備的か攻撃的かの違いともいう)だけにやるしかない。

「超攻撃」と謳ったものの、J2・2年目の今季そのスタイルはかなり警戒された節のある藤枝、得点力は大きく落ち込み。
38得点と前年(61得点)から大きくダウン、しかもそのうちの大部分は矢村が挙げたもの。(16点)
矢村が徹底マークされた時にどうするかという答えを、レンタル終了に備えて出したい所ですが果たして。

しかし相手は周知とはいえ、パワーサッカーの秋田であるが故にそんな流暢な事は言っておられず。
圧力をかわすべく、ラフなボールの蹴り合いの入りを強いられた事で、早くも信念を貫く事は厳しいという雰囲気が立ち込めます。
それでも反則を受け、遠目からのフリーキックでの放り込みや、モヨマルコムのロングスローなどセットプレーを駆使して攻撃機会を多く取り。

それ故に「何かが違う……」という思いは拭えず、前半6分には最終ラインでの保持が乱れてプレスを浴び、GKへバックパスするもその北村のフィードも乱れてタッチラインを割り。
そして今度は秋田が(蜂須賀が)ロングスローと攻撃権が移るも、これを防いだのちカウンターに持ち込む藤枝。(世瀬の裏へのミドルパスがオフサイドとなり終了)
しかしその思いは依然として晴れないまま、9分に本来の姿であるGKからの繋ぎを敢行するも、違和感を抱えながらのそれは巧くいかないものであり。
2トップの間を通すボランチへのパスを、あろう事か新井・世瀬の2人の間に送ってしまい、2人とも被り気味に受けにいった結果乱れて秋田ボールに。
ここからのショートカウンターはクロス連発に終わったものの、とてもじゃないが「信念」を貫く土壌は安定しない状態であり。

逆に秋田が「信念」を貫き、いつものように縦に速い攻めを繰り広げ。
シンプルな攻撃故にそれを貫くのは容易いという差異はあれど、早くも優劣が表れたような立ち上がりに。

それでも秋田は守備の面で、その信念を曲げるかのように立ち回り。
即ちハイプレスの抑制であり、最終ラインに詰める絵面は、藤枝の敵陣→自陣へバックパスした場面以外は殆ど見せずに我慢する体勢を取っていたこの日。
これはGKを含めた藤枝の繋ぎで、全体前に出た所の裏を突かれる所謂「疑似カウンター」を警戒していた感があり。
序盤に何度もそれでやられていた戦いを経て、その弱点を放置する事無く向き合うという、勝利への「執念」が形になっていたでしょうか。

藤枝は24分に左サイドで鈴木が戻りながらボールキープを経て、GKへの戻しで秋田のプレッシングを呼び込み。
そしてすかさず右へ展開ののち縦パスを通すという、「疑似カウンター」といえる好機の作り方。(それでもパスは全部地上で完結したものでしたが)
梶川を中継して逆の左へ展開、シマブクがバイタルまで持ち運ぶ状況を作ったものの、シュートでは無く矢村へのラストパスを選択した結果遮断されて実らず。
しかしここ以外に際立ったチャンスは生まれず、遊びのパスを入れても戻しに反応しないという、秋田の我慢に対し困惑が隠せないビルドアップを強いられます。

一向に出て来ない秋田ディフェンスを受け、サイドからの前進一辺倒を強いられる藤枝。
何とかリズムを変えるべく、29分には自陣でのFKの際に素早くリスタートするなど変化を付けるものの然したる効果は出ず。
強力なウイングバックを押し出すという定番の手法ばかりななか、45分には新井が右へと張り出し持ち運び、モヨマルコムがハーフレーンに降りて出来たスペースへとスルーパス。
そして走り込んだ久富が奥からマイナスのクロス、ニアで受けた千葉がシュートするも喜岡のブロックに阻まれ。
この場面のような純粋に敵陣での崩しを図りたい展開ですが、秋田の中央の硬さ故にその機会も少なく推移します。

一方秋田は守備面が冴え渡るなか、相変わらず泰然自若として自身の攻めを貫く立ち回り。
そんな中、中盤の底でボールキープして溜めを作る小野原の存在が貴重に映るという具合に、攻撃面でも若干の変化が表れていたようであり。
31分には藤枝のクリアボールを拾った小野原、キープを経て左サイド奥へミドルパスを送ってクロス攻勢に繋げ。
2本目の(村松の)右からのクロスを梶谷が合わせヘディングシュート。(枠外)
全体として藤枝のボール保持(しかし有効打は少ない)の場面が多く、機会は少ないながらもしっかりとゴールを目指す姿勢は変わらず。

そんな展開を経て、スコアレスで前半が終了。
藤枝はハーフタイムで動き、梶川→浅倉へと交代します。
流れを変えるよりは、同ポジションながら年齢差が12という事実から、将来を見据えての采配だったでしょうか。

後半、秋田はキックオフでの攻めでいきなり好機を作る(小松狙いのロングパスが流れて右奥を突き、村松のクロスでCKに)と、前半の藤枝同様セットプレー攻勢に入り。
村松が何度もロングスローの体勢を取り、時には短く入れる変化も交えるという具合に揺さぶり、フィニッシュを膨らませ。
後半3分にはそのロングスローのこぼれを、諸岡がミドルシュートに持ち込むも枠を捉えられず。
7分にもロングスローからニアで梶谷がフリック、繋がらず藤枝が拾って前進を図った所、村松自身が奪い返してすかさずミドルシュート。(枠外)
撃てなかった藤枝とは違い、遠目からながらシュートで終わるシーンを連発する辺りが、ロングスローの「本家」の面目躍如といった所でしょうか。

一方押し込まれ続けた藤枝、最初の好機は9分でしたが、こちらもモヨマルコムのロングスローと対抗姿勢。
秋田ディフェンスが釣られない以上、純粋にサイドから前進を図るしかないと割り切り。
13分にGK北村から右へ展開して縦に速く運び、久富のスルーパスからモヨマルコムが奥からクロス。
これがブロックを掠め、左ハーフレーン・エリアすぐ手前へ流れるボールになると、走り込んだシマブクのミドルシュートが炸裂。
GK山田がセーブし、右へこぼれたボールをモヨマルコムが追撃しますが大きくふかしてしまい決められず。
何とかフィニッシュに持ち込めるようにはなったものの、同時に両WB頼みかつ、繊細さに欠けるようにも映りました。

そして狙い通りの攻めで無い以上ペースを失うのも早く、以降秋田の独壇場という展開に。
14分にベンチが動き梶谷→水谷へと交代した秋田、畑がFWへ・佐藤が右サイドハーフへ回るというポジションチェンジも交えたうえで攻め上がります。
藤枝の前進を敵陣で阻み攻撃権を確保し、時にはボールキープやバックパスを交えて隙を伺うという、やはり以前の秋田のスタイルから幾ばくか進化が図られたようであり。(といっても、前回のこのカードでもその傾向が強かったですが)

15分に右サイドで溜めを作った佐藤から村松→畑と経由して右ポケットを取り、グラウンダーのクロスがファーに流れた所を水谷がシュート。
これがブロックを掠め、パス&ゴーを止めなかった村松がゴール前右で跳び込む絵図となりますが、僅かに合わせきれず右へと外れ。
その後も急所を突くボールが何度もエリア内へ送られ、ひたすら脅かされる事ですっかり専守の体勢へと押し込まれる藤枝。

そして19分、ここも敵陣左サイドでボール確保した秋田は、蜂須賀や小野原のボールキープを交え藤枝をリトリートに追い込んだのが最初に採った手法。
最終ラインへの戻しを経て逆サイドへ展開と、一見保持の姿勢からの攻めという秋田らしくない絵図から上げられた小野原のクロス、跳ね返りを同サイドで拾って尚も繋いだ末に今度は村松のクロスと分厚い攻撃。
中央でボレーシュートにいった小松は合わせきれずも、右へ小さくこぼれた所に佐藤が走り込んでシュート。
この決定的なフィニッシュを、至近距離ながらGK北村がセーブしましたが、跳ね返りをすかさず小松が詰めて勝負あり。
怒涛の攻勢を最後は連撃で締める形で、先制点に辿り着きました。
そしてキックオフの前に、佐藤・畑→大石・河村慶へと2枚替え。

悪い流れを跳ね返せず、とうとうビハインドとなってしまった藤枝。
何とか反撃を試みるも、その後もそれを振り払う事は出来ず。
25分にベンチが動くものの、芹生・河上を投入(千葉・世瀬と交代)と、今季出場機会の少ない者に託すという格好に。
やはり疑似カウンターが出来ずに、ポイントゲッターの矢村に好機をお膳立て出来ないのが致命傷といったこの日の展開。
ボールを受けても秋田ディフェンスに直ぐさま対応される位置であり、何度も潰されてしまい、それ故にフラストレーションも露わにする場面も見られます。

そんな矢村の状態が試合絵図にも波及。
30分に自身の下で攻撃が途切れ、秋田が左サイドを前進するなかプレスバックして責任を取りにいく矢村。
しかしキープする諸岡を足払いのように倒してしまう格好となり、これに諸岡の方が激昂して主審(田中玲匡氏)に止められるという一幕が生まれてしまい。
その後33分、裏へ送られたロングボールに対し、小野原と競り合いながら追いかけて確保した矢村。
その勢いのまま小野原に倒される格好になると、反則の笛が鳴って両軍ともにヒートアップとまたもや起きる一悶着。(小野原に警告)
秋田サイドも、矢村に自由にやらせればどうなるかは十分熟知しているような、タイトな寄せで凌いでいた感は隠せません。
(31分に藤枝は久富→前田へと交代、右WBに入りモヨマルコムが右センターバックに)

これで得た左ワイドからの藤枝のFK、クロスを入れると見せかけて新井は笛が鳴ったその刹那、左奥へとショートパスを蹴り出し。
同サイドで細かく繋いだ末に、前田の角度を付けたクロスがゴールに向かったものの、GK山田が抑えて実らず。

その後も、秋田が攻守に冴え渡り。
得点ならびに決定機を許さず、その合間に前進を図って相手を自陣に押し込む立ち回りを貫きます。
ゴールキックでロングフィード→小松フリックという、本来の秋田らしい定型の手法もそれに一役買い、守勢一辺倒を避ける事に成功。

しかしその小松が足を攣らせてしまったのが42分で、それに合わせて最後の交代。
小松→青木へ交代するとともに、村松に代えて今季初出場となる大ベテラン・加賀を投入。
蜂須賀(結局フル出場し、花を添える)のような、最後の花道なのかはまだ不明ですが、ともかく試合を締めるためのピッチに立つ事となりました。
(藤枝も同時にシマブク→榎本へと交代)

突入したアディショナルタイム、秋田はそんな采配とは反して、尚も果敢にゴールへ向かうという立ち回り。
道中はボール保持の姿勢も見せる変節が垣間見えたものの、抑えていたが故の反動が最後の最後に露わになった感があり。
青木の左ポケットへのスルーパスに、走り込んでグラウンダーのクロスを入れたのはボランチの小野原と、総員前掛かりの精神を発揮した末にクリアボールを拾って水谷がシュート。(ブロックされてGK北村が抑える)
この辺り、今後更なる上で昇格争いに加わるという状況でもこれを貫くのかどうか、議論の対象となるシーンとなるでしょう。

結局1-0のまま試合終了の時を迎え。
得られた勝ち点3により10位浮上と、トップハーフに滑り込んでシーズンを終えた秋田。
思えば今季初めて観た試合(2節・山口戦、0-2)で、何度も疑似カウンターから決定機を作られるシーンを見て、正直「J2も今季限りか……」と思ってしまったものであり。
しかし弱点を修正し、縦一辺倒という立ち回りも微調整が図られるなど、着実に成長を果たした末のこの順位は見事という他ありません。
シーズン後には吉田謙監督の続投も発表され、「秋田一体」の進化はまだ止まらないという来季以降となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 いわきFCvsザスパ群馬

2024-11-24 15:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回のいわきの記事はこちら(36節・水戸戦、1-2)
※前回の群馬の記事はこちら(36節・徳島戦、0-2)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 引退表明しているGK田中が、今季初のスタメンに。

<群馬スタメン>

  • 前節(大分戦、1-2)出場停止だった中塩がスタメンに復帰。
  • 平松が累積警告により出場停止。

2年目ではや「はじめての……」という、昇格争いを体験したいわき。
しかし32節以降未勝利という失速ぶりでモノに出来ずと、その厳しさを味わうに至り。
それでもホーム最終戦を勝利で締める事で、記念すべきシーズンを上昇機運を持って終わりたい所でしょう。

対するぶっちぎりで最下位の群馬、今季のいわきと同様、初めて昇格争いに加わったのが前年。
しかしそれがJ2に参戦してから実に19年目という歴史の長さからか、今シーズン前にはクラブ総出で一気に前掛かりな姿勢を露わにし。
つまりは開幕前に行われたリブランディングであり、これまで再三我慢を強いられた時期からなる反動か、攻めにいくという思いに駆られたのは想像に難くなく。

それが浮上どころか……というのは意外でも無く、前年も開幕前派手に欧州路線をぶち上げた徳島が、そのスケールの大きさを一度も見せる事無く低迷期に入ってしまったのは周知の通りであり。
J2ならびに日本では日常茶飯事ともいえる、身の丈にあったクラブ運営が抜け落ちた者の末路をなぞってしまう、ある意味納得感のある今季の降格劇。
果たして来季を迎えるに辺り、残るのは一面の焼け野原か、ないしは完成した「ザスパーク」を軸に新たな秩序を築き上げるのか。

最後に意地を見せたい……という意味合いのみの試合となった群馬。
その思いが実るかのように、立ち上がりは攻勢に。
それでも好機自体はアバウトな裏への放り込みや、中塩のロングスロー攻勢が目立つのみでしたが、これまでの苦難を振り払わんとする姿勢で主導権を奪う道筋を作れたのは第一歩であり。

しかしその後、二歩目を踏み出す事は永遠になかった、というような結果になるとは思いもよらず。
こうしたスタイルはいわきのようなパワーサッカーの十八番であり、すぐに慣れを示すに至り。
前半7分にコーナーキックを得たいわき、キッカー山下のグラウンダーのクロスからスルー2連発を経て、放たれた谷村のシュートはブロックされて実らず。
しかしすぐさまプレッシャーを掛け、左サイド深めで奪い返して更なる好機(坂岸のクロスがファーに入るも、有馬の反則で終了)と、群馬を自陣に釘付けにし始めます。

11分、今度は逆にいわきのビルドアップに対しハイプレスと、果敢な姿勢は健在な群馬。
しかし柴田が冷静にパス交換からのロングパスでいなし、これを右サイドで受けた加瀬が奥へ切り込んでクロス。
そしてファーで山口が合わせヘディングシュート(GK櫛引キャッチ)と、例によって前線・後方ともに良い所無しという事態に陥り。

そして13分、空中戦から地上での奪い合いを経てボール確保したいわき、乱れた陣形を突くように右から加瀬がアーリークロス。
これを中央で山口が今度は足で合わせると、シュートはGK櫛引の裏を掻くような緩い軌道になり、ゴール右へと吸い込まれます。
あっさり先制点に辿り着いたいわきにより、この日も苦境に陥る群馬。

その後、地上からのパスワークで前進する色を強める群馬ですが、いわきも例外無くハイプレスで対抗。
降格決定後、和田が前年の長倉のような「何処にでも顔を出し、相手選手の間で受ける」役割を務める事に活路を見出すビルドアップですが、この日はその和田まで届けられる事すら稀となり。
いわきの圧力に屈するように、次第に佐川狙いのロングボールへの傾倒は避けられずと、立ち上がりの攻めの機運はすっかり雲散霧消に。

逆に守備面は、これも降格決定後は純正4-4-2の色を強めるという立ち回り。
しかし巧くいかない流れを受け、5バックで守るかという意識が顔を出した結果曖昧になる場面も多々見られ。
25分のいわきの攻撃、大森からのロングパスを加瀬が右ワイドで受けた場面、群馬はサイドバックの中塩が中を締めており。
しかしサイドハーフの川本は前線に加わるのか、5バックとして降りるのか実に中途半端な立ち位置で、結果フリーで受けられてここから決定機を作られる格好に。
加瀬は中塩に詰められる前に例によってアーリークロスを送ると、ファーに流れた所を山口が折り返し、クリアされるも天笠に当たって跳ね返る不運が絡んで有馬に収まり。
必死に掻き出さんとするディフェンスをかわして放たれた有馬のシュートが、GK櫛引のセーブを掠めてゴールバーに当たって跳ね返る際どいフィニッシュとなります。(尚も山下が拾って追撃もブロック)

その後も怒涛の攻勢を見せるいわきに対し、群馬は24~39分まで全く好機を作れない状況に。
37分には敵陣でのボール奪取から柴田が左からアーリークロス、これを谷村が合わせてのヘディングシュートをGK櫛引が脚でセーブと、今季幾度も陥った守護神頼みの様相の色が強くなり。

追加点は許さなかったもののズルズルと時間を浪費し、前半もアディショナルタイムに。
中塩ロングスロー→佐川フリックで好機になりかけ、再度入れたクロスの跳ね返りを確保してボール保持に入った群馬。
エドオジョンが左奥へと切り込んでクロスと、何度もチャンスボールを送るものの跳ね返され、結局は天笠の無理目のミドルシュートで終了。
火力不足のなか何とかファーストシュートを放ったという、前半最後の攻撃となりました。

1-0で折り返しとなり、共に交代無く迎えた後半戦。
現在の順位が示す通り群馬の劣勢ぶりは明らかで、ここから巻き返しのための駒・策が必要な所ですが、それが簡単に見つかればこの順位に居ないのは確か。

そんな状況でも、試合再開を止める事は出来ず。
それなりに微調整が図られたか、ボール保持の際に一工夫を見せる群馬。
仙波が右サイドで降りて最終ラインからパスを受け、出口兼エドオジョンを高目に上げる役を務め、突破口を図ります。
ある程度の成果は出、前半同様立ち上がりに攻勢に入る事に成功。
後半6分に持ち込んだ左CKから、川本がファーで放ったヘディングシュートはサイドネット外ともう一息というフィニッシュ。
8分には降りた佐川のポストワークから右へ展開、仙波スルーパス→エドオジョン右奥からクロス(グラウンダーでGKとDFの間を突くも、川本には惜しくも合わず)と、変形の通りの好機を生み出し。

しかし好循環もここまでで、9分に谷村に対し反則を犯した中塩が警告を受けたのを契機に、再びいわきのターンに。
1タッチパスをテンポ良く繋いでいく崩しでサイド奥を伺う攻撃で、フィニッシュには結び付かずも、群馬の狙いを折る事に成功。
それによる、僅かな希望に縋るといった相手の心も折られた感がありました。

そういった状況で、お互い選手交代を図る時間に。
いわきの方が先に動き、15分に加瀬・坂岸→五十嵐・大迫へと2枚替え。
すると群馬は17分に3枚替えを敢行、北川・川本・和田→樺山・山中・風間へと交代。
風間がボランチに入る事で仙波がトップ下、それもセカンドストライカー気味だった和田とは異なる、4-2-3-1のトップ下という感じに。

交代が交わった事で、群馬は攻撃時3バックの色を強めたビルドアップ。
仙波のポジションが変わったため、樺山が中に絞る事でエドオジョンを高目に上げるというシステムに。
20分に左サイドに人数を掛けて前進していき、クロスの跳ね返りを繋いだ末に仙波がミドルシュート(枠外)と、有効打に繋げる事で再度光明が見出されたような状況となったでしょうか。

しかしそれも一瞬で、ウイングバックを揃って代えたいわきの圧力が増大した事もあり、プレスに屈する状態へ逆戻り。
23分にあろう事か、果敢に前に出てきた大迫がエリア内でボールカットする絵図が生まれ。
こぼれ球をそのままシュートにいった山口が空振りに終わった事で命拾いしたものの、またも苦境に陥った群馬。
樺山が絞った位置を取る事で、彼に付く大迫も中央寄りとなった分、ハイプレスに加わり易くなる副産物が生まれてしまったという印象でした。

そして26分に再度カードを切る群馬、佐川→河田へと交代。
これは完全に「ターゲットを務めた佐川の燃料切れ」というような意味合いで、ロングボールを攻撃に繋げる事も出来なくなり手詰まり感は一層強くなり。

そんな相手を尻目に攻めるいわき、29分に右サイドからミドルパスをフリックした五十嵐が、素早く前を向いて有馬のスルーパスを受けにいく体勢に。
これは遮断されるも、右ポケットへこぼれたボールを拾った谷村が勢いのままカットインからシュート。(GK櫛引セーブ)
ペースを握っていた割には後半初めてと言ってもいい有効打でしたが、ここから劇的に様相が変わる試合展開。
群馬に一縷の望みも許さないという具合に、攻撃権を握り続けます。
(29分に柴田→大西へと交代)

加瀬より突破力の面では劣るというイメージの五十嵐ですが、途中投入されたこの日は周囲との連携もあり、度々サイド奥へ進入。
32分にもスルーパスに走り込んでクロスに辿り着き、ブロックされるも右CKに持ち込み。
そしてキッカー山下がニアに上げたクロスが綺麗にゾーン守備の合間を縫い、そこに入り込んだ山口が合わせヘディングシュート。
完全に棒立ちを余儀なくされた群馬ディフェンスを他所に、ゴールネットに突き刺して追加点を挙げました。

その後も勢いをもって攻め上がるいわき。
群馬はそれを凌ぐのに精一杯で、34分にはいわきのパスワークの中で樺山が大西を倒してしまい、アドバンテージののちに警告と守勢故の被害も膨らみ。

そして終盤を迎えるという40分、両ベンチとも最後の交代を敢行。
群馬が仙波→齋藤へ代えたのに対し、いわきは生駒・谷村→加藤悠・熊田へと2枚替え。
加藤悠が右WBへ入り、再三群馬を掻きまわしていた五十嵐が右センターバックへと降り。(下田が左に回る)

時間も押し迫り、何とか一矢報いたいという、今季そんな気分を味わったのも何度目かと考えさせられる状況になる群馬。
しかし迎えた結末は無慈悲であり、43分にまたも大迫が中央寄りでパスカットし、そのままミドルシュート(枠外)といわきの圧力は衰えを知らず。
そして直後の44分、いわきはクリアボールを山口・熊田の2人での1タッチによる繋ぎで、スルーパスに抜け出した熊田がエリア内でGKと一対一の状況を迎えます。
この場面で冷静に横パスを選択した熊田、走り込んだ有馬が合わせたシュートが無人のゴールに転がり込み。
文字通り止めとなる3点目で、この試合ならびにシーズンの終了が彩られました。

それでも攻める事を止めないいわき、直後の45分にも決定機。
ここも1タッチかつアバウトな浮き球の繋ぎを経て、右ワイドで受けた加藤悠がカットイン。
そしてポケットから放たれたシュートを瀬畠がブロックと辛うじて防ぐ群馬、クリアが小さくなった所を追撃される(山口がペナルティアークからシュート)も、GK櫛引がキャッチ。
結局この日も、最も目立っていたのは守護神という展開は避けられませんでした。

突入したアディショナルタイム、いわきは下田が足を痛めてしまい、代わりに大西が最終ラインに回るというアクシデントが。
これ以降好機は打ち止めとなりましたが、「今日はこれぐらいにしといたる」といった思惑も感じられ。
残された時間で何とか群馬は攻め上がりますが、パスミスもありフィニッシュは生まれませんでした。

結局3-0で試合終了。
いわきは文字通り景色が広がるようなJ2・2年目となりましたが、同時に群馬が今季味わった「昇格争いの翌年の低迷」を避けたいシーズンにもなる翌年。
この勝利が、その危惧を振り払うものとなるかどうか。

一方の群馬、終了後に引責?の人事が一気に発表される事となり。
その中で目を引いたのが、引退した細貝が社長兼GMに就任というもの。
OBがトップで舵取りを請け負うという前向きな思いと、「とうとうそういった手段しか残らなくなったのか……」という後ろ向きな思考が錯誤するものの、再度の昇格への切り札と出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 栃木SCvs徳島ヴォルティス

2024-11-22 18:08:37 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(37節・横浜FC戦、0-0)
※前回の徳島の記事はこちら(36節・群馬戦、2-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(15節、徳島 1-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 玄は徳島からのレンタル選手なため出場不可。
  • ユース上がりの新人・揚石が初出場・初スタメンと大抜擢。

<徳島スタメン>

  • 強化部長の谷池洋平氏の退任が決定。(なおシーズン終了後に、来季栃木の強化部長への就任が決まる)
  • 前節HTで交代したエウシーニョ、交代出場で負傷交代した柳澤がともにベンチ外。

泣いても笑っても最終節。
既に目標が無くなっているクラブは、将来の見通しを立てる場でもあり。

J3降格が決まっている状態で迎えた栃木も例外では無く。
ホーム最終戦という要素も兼ね、クラブとしてはどうセレモニーを凌ぐか来季への道筋を作るか考えている真っ只中。
そんな中で、玄・南野といったレンタル選手をスタメンから外し、ユース上がりの揚石を抜擢。
と書いたものの福島・石田・山本もレンタル選手であり、どれだけ彼らを主軸としていたかが伺えるものですが、J2内でも脆弱なクラブ規模故に仕方無い。
そういった編成面での邪推を、(表面上)考えさせない屈強なクラブに成り得る事は果たせるかどうか。

前半2分に徳島の高田颯の突破に対しディフェンスに入った大谷が、コンタクトレンズの異常のためピッチ外で調整というアクシデントが発生して幕を開けた試合。
その間に徳島のコーナーキックを浴びるという具合に、この日も受け身を強いられる予感がありありな入りに。

それを跳ね除けるべく、ロングパス攻勢+ハイプレスで徳島のポゼッションサッカーをぶち壊しに掛かり。
5分に右から石田がロングスロー、ニアで誰も触れずにバウンドと紛れが起き、クリアが小さくなった所を福島がシュート。
味方の山本に当たって跳ね返り、エリア外へこぼれた所を揚石がミドルシュート(枠外)と、相手が混乱しているうちに決めたい流れへと突入し。
9分にはプレスを嵌め、敵陣で矢野がレイオフをカットして攻撃スタート、細かな繋ぎを経て山本が左ポケットへ切り込み。
しかしカットインを図るもシュートは打てず、戻しから左奥への切り込みを経て、福森のグラウンダーのクロスをニアで受け直した山本。
満を持してシュートが放たれるも、カイケのブロックで決められず。

意気揚々と攻めたものの、出来たのはフィニッシュを重ねるも得点できずという流れ。
すると持ち込んだCKから徳島のカウンター(クリアミスも絡み右奥まで運ぶも撃てず)と、現実は非情である、と言いたくなる絵図に。
その後もロングボールとハイプレスの二段構えは崩さずも、段々と対処され始め。
16分に攻撃を断ち切った徳島ですが、右サイド深めからのスタートとなり永木がゲーゲンプレスを浴びながらボールキープ。
そして送ったフィードはブロックされるも、こぼれ球をブラウンノア→渡と1タッチで繋ぎ、渡井が逆サイドに展開して脱出成功と保持に長けたチームの面目躍如。(その後高田颯が溜めを作りながら前進ののち、遠目からカイケがシュートもGK丹野キャッチ)

この日の徳島のポゼッションは、エウシーニョ不在なためか栃木のプレッシングに屈する場面も多々見られ。
それでも、栃木の前線五角形の中で動き回る渡井を軸にけん制しつつ、ボールを繋いでいく姿にブレは無く。

部分的にも流れを得ているうちに得点したい栃木、17分に徳島のプレスにより蹴らされたロングパスでしたが、跳ね返りを矢野が拾って攻撃に繋げ。
そして山本が左ハーフレーンをドリブル、カイケのスライディングをかわして再び左ポケットへ進入という絶好機を迎えます。
しかし放たれたシュートはGK田中が脚でセーブと防がれ。

尚も先制点に向かって前向きな姿勢を続けたものの、以降それが空回り。
それにより被害を浴びたのが徳島・児玉で、幾度も栃木のアフターチャージを受けて倒れ込む場面が作られ、試合の流れもブツ切りとなり。

それでも球際で突っ込む事を止めなかった栃木、38分に何度目かの児玉が倒される場面になると、流石にここで(揚石に)警告が突き出され。
それ以前の30分には、徳島のビルドアップに対抗するという流れの中で、中央→左→中央→右へと揺さぶる徳島のパスワークを嵌められず。
例によって渡井のポジショニングで脱出された上に、すかさず送られた永木の裏へのロングパスを受けたブラウンノア。
これをラファエルが腕で前進を阻止という絵図になり、吹かれる反則の笛。
良く言えば反則も厭わず、悪く言えば反則紛いでしか止められないという流れに突入した感がありました。

中々渡井の動きを捕まえられない栃木、42分には前線3人が中央寄りとなり、五角形を極限まで小さくする姿勢で対抗せんとします。
しかしここも、ワイドに開いた渡井から通されて左右を揺さぶられる(最後は児玉を矢野が反則で止める)という具合に、どうしても相手に上回られ。

それでも前半はスコアレスで終了となり、(ともにハーフタイムでの交代は無く)後半を迎え。
今シーズンも残り45分で終了と、感慨深くなるのは必至な最終戦。

あくまでそのスタイルを貫く他無い栃木。(とはいっても、これまで通り地上での繋ぎを交えるなど完全なパワーサッカーでは無い事を付け加えておく)
早々の後半1分に、ロングパスを収めにいった矢野が(鹿沼に)反則を受けた事でフリーキックに持ち込み。
右ワイド遠目から放り込まれたクロスボールに、ファーサイドで走り込んだラファエルが足下で合わせシュート(枠外)と、劣勢を挽回するのはセットプレーという定番の立ち回り。
しかしこれにより主導権を奪い、攻め続ける栃木。
10分に再びセットプレー、今度は裏抜けする矢野が森昂に腕で阻止されるという具合に、栃木の圧力を受け続ける事で次第に徳島サイドも反則で止める流れが浸入してきてしまったでしょうか。
これで得た右ハーフレーンからのFK、揚石のフェイクを交えて上げられた福森のクロスが、先程と同様にファーサイドのラファエルの下へ。
今度はヘディングシュートで、GK田中がセーブしたこぼれ球を山本がすかさずシュートしますが、ゴールバーを直撃。
それと同時に(ラファエルの)オフサイドを告げる笛と、無効だったものの冷や汗ものの一幕が生まれました。

一方、開始から約10分押されっぱなしを強いられた徳島、この直後に高田颯→杉森へと交代。
それでも栃木の猛攻は続きましたが、13分にそれを断ち切ると(交錯で痛んだ永木を尻目に)カイケの持ち運びを経て右ワイドで受けたブラウンノアが猛然とドリブル。
そのまま奥まで切り込んで上がったクロスは、精度を欠いたもののそれが逆にゴールに向かってポストを直撃するボールとなり。
栃木がホッとしたのもつかの間更なる乱戦と化すボックス内、拾った児玉の決定的なラストパスを経て渡がシュート。
GK丹野がセーブするも、尚もゴールへ弧を描いて向かったボールを間一髪福島がクリア、しかしさらに渡が追撃。
これもライン寸前で大谷がブロックと、必死に凌ぐ栃木ディフェンスですが徳島もこぼれ球をブラウンノアが折り返して継続が図られ。
そして確保したブラウンノアの戻しを経て児玉がミドルシュート、この4度目のフィニッシュも右ゴールポストを直撃と、「惜しい」という言葉すら生温い一連の決定機。

結果的に絶好の先制機を逃した徳島、おまけにこの興奮のるつぼという最中にも起き上がれなかった永木と、被害もついて回る格好に。
この際は何とか継続した永木でしたが、結局18分に限界を迎えて再度倒れ込み、交代の運びとなり。
石尾が同ポジションで投入されました。(同時に渡→村上へと交代)

アクシデントが絡んだ事で、勢いは消沈気味となる徳島。
そこに襲い掛かる栃木のハイプレスと、再び前半立ち上がりの流れが蘇り。
24分に右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置で小堀がカットに成功した栃木。
すかさず拾った石田がワイドからクロス、クリアが小さくなった所を小堀が拾い、エリア内からシュート。
しかしゴール左へ外れと、ショートカウンターをモノに出来ないという流れは、「ストーミング」スタイルを貫いていた2020年前後を思い出させるものでもありました。
その後も徳島最終ラインに繋がせず、カイケに詰めた山本がCKを奪う(27分)など冴え渡ったプレッシングですが、得点という成果のみは挙げられません。
29分に栃木ベンチも動き始め、揚石→大森へと交代。

栃木が動いた影響か、流れも落ち着き気味となり。
再び徳島がボール保持から敵陣に攻め入る状況が生まれたものの、それを定着させる事はできず。
膠着状態を象徴するように、35分に両ベンチ同時に動く運びとなり、徳島が渡井・ブラウンノア→杉本・坪井へと2枚替え。(坪井の1トップで、村上が右シャドーに回る)
栃木が福森・矢野→川名・大島へと2枚替え。

栃木は大島の1トップ、しかもそこにロングボールを送るという機能しない立ち回りをしてしまったため勢いは失われ。
一方の徳島も5人交代により新たな構築をしなければならない状況で、中々波に乗れず。
その道中で、度々栃木の圧を受けていたカイケのダメージを考慮したでしょうか、石尾とカイケの位置を入れ替え。
それに伴い4バックへ切り替え(カイケが右サイドバック・青木が左SB)と布陣変更、杉本トップ下の4-2-3-1へとシフトし、アンバランスぶりの改善に努めます。

栃木も41分に最後の交代、福島・石田→高嶋・森俊へと2枚替え。
お互いベンチも手を尽くしたという終盤、全てさらけ出したかのように素手での殴り合いへと移行します。

栃木はここから、川名がドリブルで縦横無尽に切り裂いて好機を生み出す攻撃法が炸裂。
44分に山本が鹿沼に倒されるも拾ってアドバンテージになると、エリア内へ送ったスルーパスが遮断されるも、自ら拾い直しそのまま左奥へ切り込む川名。
そしてカットインで左ポケットを突くと、さらにマイナス方向へ切り込んだ末にシュート(GK田中キャッチ)と、勢いをチームに持ち込み。
対する徳島は、トップ下システムに相応しく中央をパスワークで突破を図り、栃木ディフェンスを中央に寄せた所にスルーパスでサイドを突くという攻撃法。

しかし疲労困憊という終盤戦で、脅威となりうる川名の突破力を得た栃木が勝る格好に。
アディショナルタイムにも、CKからの二次攻撃で今度は右から切り込む川名。
例によってカットインで取ったポケットから、ループ気味のシュートでゴールを狙いますがこれもGK田中にキャッチされ。
再三徳島ディフェンスを脅かすも、結局最後まで得点は得られず、ホーム最終戦を飾る事はなりませんでした。

0-0で引き分けとなった試合。
どちらもこれ以上の順位の浮上はあり得ない状況なため、徳島は8位・栃木は18位でフィニッシュとなりました。

当然これで終了となった今シーズン。
徳島は、既に柿谷が契約満了で退団となっているなど来季に向けた走り出しに努める最中であり。
一方の栃木は、終了後に小林伸二監督の来季続投が発表され。
個人的には責任を取って退任、という流れにこのままなってしまうのではないかと予想していたため、これは朗報という他無いでしょう。
やはり昇格請負人は昇格を目指す方がしっくりくる、と言える戦いに来季は持ち込む事ができるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 鹿児島ユナイテッドFCvsファジアーノ岡山

2024-11-19 16:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(33節・水戸戦、3-0)
※前回の岡山の記事はこちら(37節・藤枝戦、2-0)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 36節(長崎戦、1-4)消化の段階で降格が確定。
  • 木村祐が今季限りでの引退を発表。そしてホーム最終戦である今節スタメン出場。(17節以来のメンバー入り)
  • 河野は岡山からのレンタル選手なため出場不可。

<岡山スタメン>

  • 前節をもってプレーオフ出場が確定。

前節の勝利で、PO出場が決定した岡山。
しかし順位はまだ確定しておらず、ホーム開催の権利を得る4位を確保できるか否かという、大事な試合なのは不変である最終節。

その他の事象としては、2年前の出場時とは違い、選手の契約情報は一切発表せずに現在まで過ごしているのが特徴的。
例年契約満了選手の発表が早い傾向のクラブにしては珍しい動きで、大事な戦いに向けての雑念は無い方が良い、という判断に落ち着いたでしょうか。

一方の鹿児島は、来季構想を立てなければならない状況故に、既にその発表は数多出され。
そしてホーム最終戦であるこの試合は、その立場の選手が多くメンバー入りと、同窓的な一戦となりました。
その中で引退を表明した木村祐がスタメンと、幾つものクラブを渡り歩いて19年という大ベテランに、晴れの舞台が用意され。

圧力高い岡山の攻撃を受ける鹿児島、という入りの前半。
流れを変えたい状況の前半6分、自陣からのスローインで投げられたボールを木村祐がダイレクトで蹴り出し。
その跳ね返りを確保すると、田中渉がボールキープで逆サイドまで張り出して組み立てに掛かり、パス交換の末にスルーパスで抜け出しクロスまで辿り着く田中渉。
グラウンダーで入れられたボールをGKブローダーセンが抑えるも、こぼした所を詰めた鈴木翔がボール確保し、戻しを経て圓道がミドルシュート(枠外)とファーストシュートに辿り着き。

しかし状況変化には至らず。
岡山の圧力に対抗せんと守備陣はデュエルの色を高め、何とか凌ぐという展開を強いられ。
14分には岡山の攻撃を断ち切るも、脱出せんとしたミドルパスを末吉が出足良くカットして継続、拾った岩渕のエリア内へのスルーパスに木村太が走り込む決定機に。
放たれたシュートはGK泉森がセーブと、際どい守備を余儀なくされるという双方の順位差相応の内容となり。

そんな状況でしたが17分、岡山のロングボールによりこぼれた所を、GK泉森が前に出てフィードを送り返し。
これが一気に左ポケットを突くボールとなり、抜け出して受けにいく有田稜と絶好機が訪れかけましたが、追走した田上と縺れ倒れ込み。
完全に後ろからのチャージに見えたものの笛は鳴らずと、判定にヘイトを溜めるのみとなってしまいました。

しかしこれを機に、鹿児島がボール保持による組み立てに精を出し。
木村祐が中盤の底を支え、その一列前で田中渉が流動的にボールを持って組み立てる体制を取り。
それでも岡山の中央は硬く、もっぱらサイドで人数を掛けての前進からクロスというチャンスクリエイトを強いられましたが、押されっぱなしの序盤とは雲泥の差なのは言うに及ばず。

POでの戦いのため、リードが欲しい岡山。
鹿児島が攻めの姿勢を作った事で、それを防がんと尚も圧力を高めつつ、奪取出来ない時は素早く中央を固めに入るというメリハリを高め。
一方で攻撃も、正攻法では鹿児島の強度を打ち破れないと見るや、地上でのパスワークを経て左ワイドの末吉に託すという組み立てへ切り替え。
鹿児島ディフェンスを右(鹿児島から見て左)へと寄せてから展開と、判り易く彼の突破力を活かす体制に入りました。

それでも辿り着くのはクロスに終始と、思うような成果は出ず。
鹿児島は稲葉の存在で中央の強度を上げた事で、サイドの選手も1対1に安心感が生まれたでしょうか。
末吉の突破を渡邉が阻むというシーンを膨らませ、思うように攻勢を作らせません。

しかし38分岡山は自陣右サイドからの組み立てで、藤田息のサイドチェンジにより、再び薄くした所を末吉が持つ状況に。
柳育とのパス交換から切り込みに入る末吉、奥からクロスを上げると、ニアでの岩渕のフリックを経てファーで木村太がフリーで収め。
そのままシュートに持っていきましたが、判断良く距離を詰めたGK泉森がセーブと、最後の所でもやらせないこの日の鹿児島。

すると40分、岡山は再度末吉の左奥への進入から、ポケットを突いて岩渕がマイナスのクロスを送るもカットされ。
そしてカウンターに繋げる鹿児島、前残りしていた鈴木翔へスルーパスを送った田中渉が、鈴木翔からの再度のスルーパスに走り込んでフィニッシャーとなり。
右ポケット奥から放たれたこのシュートが、GKブローダーセンのセーブを掠めて左ゴールポストに当たる決定機に。
尚も右奥で拾い直した田中渉から、中央への戻しを経て有田稜がミドルシュートと追撃しましたが枠を捉えられず。
岡山サイドも最後に守護神が立ちはだかる展開と、好ゲームの様相と化してきました。

直後の41分に今度は岡山が決定機、ロングパス→一美フリックからのこぼれ球を確保すると、中央から岩渕がエリア内へスルーパス。
そして走り込んだ木村太がシュートするも、再度GK泉森がセーブと防ぎ。
しかしこの際木村太が、泉森と戸根に挟まれる格好となり痛んで倒れ込んでしまい。
水を差すような負傷か、と思われましたが無事に起き上がり。
その3分後の44分、ハイボールの競り合いでやり返すように木村太が戸根を倒してしまうなど、激しい展開故に醜悪さも顔を出しかけます。

結局スコアレスのまま前半終了。
その間際の鹿児島のコーナーキックで、岩渕がエリア内で倒れ込む事態が発生と同時に終了を告げる笛となりましたが、幸い無事で後半も継続。

既に降格決定している鹿児島に対し、確実に勝利して4位確保したい岡山というコンセプトの試合。(恐らく)
しかし鹿児島サイドの意地が炸裂し互角の展開と化し、岡山も今後得点に辿り着くには頭を使わなければならない状況に。

そして後半が始まると、前半とは打って変わって右サイドでやりきる攻撃で始まり。(後半2分)
細かくパスを前後させての崩しで、田部井縦パス→木村太スルーで奥を突くと、走り込んだ本山もクロスでは無くポケットの横パス。(受けに行った木村太がディフェンスに遭うもCKに)
一ひねり利かせるような攻めで、活路を開かんとした入りに。

この意識を軸に攻勢に入った岡山でしたが、6分に中央をこじ開けようとした縦パスを岡本にカットされて鹿児島のカウンターに。(シュートには繋がらず)
屈する姿勢は決して見せないホームの鹿児島。
それを受けて8分、今度は末吉が左奥を伺う前半通りの体勢を取ると、末吉はカットインで中央に流れ。
そしてパス交換から逆の右サイド奥を突いてマイナスのクロスを送る末吉と、個人レベルでも変節を見せて崩しを図ります。

こうした攻防のなか、木村祐がお役御免となったのが11分。
最後の試合を終え、味方全員と抱き合った末にピッチを後にした木村祐。
彼に代わって投入されたのが、同じく契約満了での退団が決まっている中原と、闘争心とともに哀愁を漂わせながらの戦いは続く鹿児島。

お互い崩れない守備陣を受け、押していた岡山サイドも強引な放り込みが目立つようになり。
シュートも生まれずに停滞感が露わになってきた所で、岡山ベンチも動いたのが16分。
木村太・一美→神谷・ルカオへと2枚替え、前線の圧を増しに掛かります。

重戦車と形容されるルカオを押し出し、鹿児島の堅守を崩さんとする岡山。
その一方で組み立て的には、再度左の末吉を使う事に偏重を見せ始めるなど、単純にストロングポイントを活かさんという意識が高まり。
一方の鹿児島も、圓道の突破力を軸としてのパスワークで、左サイドから攻め上がるシーンを膨らませ。
それでもお互いフィニッシュに辿り着けず、それによるカウンターも数度発生しますがこちらもシュートチャンスの前に防がれ。

一向に膠着状態が終わらないのを受け、岡山ベンチは27分に再度動き。
田部井・岩渕→竹内・太田へ2枚替えを敢行すると、フォーメーションも3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
竹内がアンカーを務め、太田とルカオの2トップと、目線を変える事でその打開を図り。

一方の鹿児島も31分に、圓道・有田稜→五領・有田光(この試合の前に契約満了が決定)へと2枚替え。
これにより2列目が、右から五領・田中渉・鈴木翔という並びになる布陣変更が行われ。
采配面でも、互いに何とか崩さんとする姿勢が伺える展開となりました。

岡山は神谷が降りてボールを受けて組み立て、それに伴い竹内が上がって攻めに絡むなど流動的に動き。
しかしサイドに人数を掛けて崩す、以上の効果は中々得られず。
たまらず34分に最後の交代を敢行(本山→高木、末吉が右に回る)するなど、積極的な采配も実りは少なく推移する事となりました。
それでも増した前線の圧力で、ウイングバックも果敢にプレスに加わる姿勢を貫き、鹿児島に容易に攻撃権を与えず。

鹿児島はその圧を受け、敵陣への進入すら望めない状況となりましたが、36分に自陣でボール確保する野嶽がゲーゲンプレスをかわして繋ぎ。
そして左サイドを中原→鈴木翔と持ち運んで好機が生まれる(フィニッシュには繋がらず)という具合に、相手の前掛かりぶりを逆手に取れれば……という展開に。
投入された五領(この試合の後日に契約満了のリリースが)が、前半の田中渉よろしく逆の左サイドでパスワークに加わるなど、チームに再度好循環を齎さんと振舞います。

39分ルカオのヘディングシュート(枠外)で、ようやく共にフィニッシュが生まれない展開に終止符が。
直後に鹿児島も最後のカードを使い、岡本・鈴木翔→井林・端戸へと2枚替え。
端戸も既に契約満了での退団が決定している選手と、総出演の運びとなりました。(藤本はベンチ外)

それでも硬直間の拭えない展開は大きく変わらず。
ロングパスによる組み立てで攻め→CKという流れが、岡山→鹿児島→岡山の順と繰り返された末に、とうとう試合はアディショナルタイムに。
鹿児島にとっては、2度目のJ2での戦いも終焉を迎える時間帯となります。

岡山は全員敵陣に入っての攻撃で、クロスの跳ね返りを拾った田上が中央から切り込むもディフェンスに阻まれ。
すると鹿児島のカウンター、それもセンターバックの戸根が(田中渉とのワンツーを経て)ドリブルに入るという、一気呵成な攻めを繰り広げます。
しかし前に走り込む有田光へのパス出しが遅れ、誰も居ないエリア内へラフにスルーパスを送る格好となり、モノに出来ず終わり。

結局最後までゴールは生まれず、スコアレスドローで終了となった試合。
岡山は勝ち点1しか積めなかった事で、勝利した山形にかわされる形で5位転落。
そしてアウェイでのスタートとなるPOで、相手は2年前に敗れたその山形となり。
是が非でもリベンジしたい一戦となりましたが、その戦いの行方は果たして。

一方の鹿児島、再度J3から浮上の目を掴む事となる来季。
既に浅野哲也監督の退任と、それに伴う新監督の就任が決定(相馬直樹氏、GMも兼任)するなど、急ピッチで進められる体制作り。
2度目の降格にも悲壮感は見られないなか、どうクラブ規模を拡大していくでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 モンテディオ山形vsジェフユナイテッド千葉

2024-11-18 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(35節・清水戦、2-1)
※前回の千葉の記事はこちら(37節・長崎戦、1-2)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • プレーオフ進出の条件は、引き分け以上で問答無用に確定。敗戦の場合は、7位・仙台が引き分け以下で確定。

<千葉スタメン>

  • プレーオフ進出の条件は、勝利で問答無用に確定。引き分けの場合は仙台が引き分け以下、敗戦の場合は仙台が敗戦と、相手よりやや分が悪い。
  • 前節出場停止だった品田がスタメンに復帰。

注目必至の、プレーオフ出場を賭けたクラブ同士の直接対決。

前節消化前は、4クラブ(岡山・千葉・仙台・山形)がほぼ横一線、勝ち点1のみの差で山形が立ち遅れている状態。
しかし前節で立場が別れ、岡山と山形が勝利・千葉と仙台が敗戦となった結果、岡山が出場確定となり。
残り2枠を3クラブが争うという状況で、目下圏内である山形・千葉が潰し合う間に、7位に落ちた仙台が巧みに横から攫いに掛かる構図の最終節となりました。

昨季に引き続き、連続でPO出場を狙う立場の山形と千葉。
3年連続を狙う山形に年季の差があるというクラブの差異(千葉はウィルス禍以前に3度あるが、当時とは補強路線が異なるので割愛)ですが、直接ぶつかった結果、それが勝負の分かれ目となってしまったでしょうか。

試合開始早々の前半1分、早くも敵陣深めまで攻め入った山形は川井のロングスローと、形振り構わないという今季途中から定着したスタイルに。
ボールを片手で鷲摑みに出来るほどの握力を持つ川井によるこのスローイン、連続した2本目にドラマが待っており。
中央ややニア寄りに入った所を競り合いでこぼれ、クリアが小さくなり小西が拾い継続すると、そのまま右奥へと切り込んでマイナスのクロス。
ポケットで受けたイサカが再び奥へ切り込む姿勢を見せると、ここにディフェンス2人が食い付いた所を反転して戻し。
結果出来たスペースで受けた安部が、巻くシュートを放って左サイドネットに華麗に突き刺します。
崩しの力を発揮し、早期の先制点に辿り着いた山形。

千葉は立場的に不利な以上、やってはいけない失点となってしまい。
その後対抗姿勢のように、品田がロングスローを放り込む(4分)など同様の攻撃を見せるも実らず。

山形は、千葉のハイプレスを十分警戒してのロングボール中心に立ち回り。
従来の繋ぐ姿勢を控えめにするという相手のストロングポイントに合わせての戦いで、この大一番を制さんとする意気込みは、2年前の最終節(徳島戦、3-0)で裏抜けを徹底したその姿と被るものがあり。
6分にそのロングパスから、回収された所をゲーゲンプレスで奪うという「ストーミング」風味のスタイルで、奪った國分がすかさず反則を受けてフリーキックの好機に。
左ワイドからの位置で最初のクロスはクリアされるも、拾った高江が再度クロスを入れ、跳ね返りから川井がダイレクトで放ったボレーシュートがゴール左へ際どく外れ。
狡猾なスタイルで、この日も過去2年の再現(といっても今季はPO圏を守る戦いな点が違う)を果たさんとします。

そんな山形の姿勢をモロに受け、リードを許す格好となった千葉。
しかし目標のために泣き言は言っておられず、徐々に慣れを示し始め。
12分には右サイドから田中を使っての攻めに対し、ハイプレスを掛けた山形は田中に対しセンターバックの安部が詰めにいくという、前節の千葉に見られたハイプレスの欠陥のような一幕が。
しかしこの結果安部がチャージしてしまい反則となり、足を痛めてしまう田中。
山形にとって不本意な形ながら、この副産物もまた試合を左右する要素となり。

その後は上述の通り、慣れてきた千葉が本来のハイプレスを敢行。
山形がロングパスで逃げるのみという展開と化してきましたが、それによりボールを握る機会を得た千葉も、早くゴールに辿り着かんとして無理目な縦パスに頼るシーンが目立ち。

そんな膠着状態となってきた所で、24分に千葉がGKから短く繋いでの前進を選んだ事が運命の分かれ道に。
左に開いた山越が、山形のプレッシングを受けてロングパスを蹴るも、誰も競れずに安部への真正面のボールになってしまい。
すると安部はキープでは無くそのまま1タッチでロングパスを送り返し、これが千葉の最終ライン裏を綺麗に突く大惨事と化してしまいます。
エリア内へ抜け出した土居に対し、松田がたまらず後ろから腕で倒してしまい反則の笛が鳴り響き。
PK献上のみならず、ボールにチャレンジしていないという判定で一発レッドと、考え得うる最悪の結末に。

それだけに留まらず、この最中に田中が負傷を悪化させてしまった事で交代準備を余儀なくされるなど、てんやわんやとなる千葉サイド。(その所為か、キックオフでの再開時点で交代できずとなり)
結局このPKもディサロがGKの逆を突いて決め、10人での戦いで2点差を追い掛ける展開と化した今後の試合。
結局田中→小川へと交代し、小川が左サイドバックに入る事で佐々木がCBに回る、4-4-1へと調整して挑むその後の千葉。

30分にまたも川井のロングスローでボックス内を脅かす山形、こぼれ球をGK鈴木椋が抑えて何とか断ち切る千葉。
とにかく攻勢の形を作りたいという状況で、最終ラインから右へと展開して前進を図り。
(田中の居た右サイドハーフに移った)横山が切り込む姿勢から、山形ディフェンスを下げに掛かった所で目線を変えるようにヒールパス。
しかし後ろで受けた品田がすぐに奪われてしまうと山形のカウンター、土居ドリブルから右へパス→イサカエリア内へラストパス→追い越して受けた川井がシュートと、綺麗に繋がる山形の攻撃。
一度はGK鈴木椋が脚でセーブするも、跳ね返りを土居が詰め、相手を奈落へと突き落とすような3点目が齎されました。
数的不利での粘りも見せられず、一気に窮地となった千葉。

3点リードかつカウンターでの追加点を得た事で、山形はボールを持たせるような戦いへと移り。
10人ながらも千葉は地上での繋ぎに精を出し、何とか崩さんとしますが状況は苦しく。
中央からボックス内を伺う姿勢を見せるもラストパスが遮断され、そうでなければサイドからのアーリークロスに頼らざるを得ないという状態に。

それでもアディショナルタイム、その高橋壱のアーリークロスがブロックされた事で右コーナーへと繋がり。
ここからの二次攻撃、最後方からのロングパスで前に出た山形の逆を突くと、佐々木の落としを拾い左サイドでボール確保。
そして椿がカットインを経てポケットからシュートを放ち、GK後藤雅がセーブした所に山越が詰めにいくも、クリアされ惜しくも撃てずに終わります。
その後も長い目安時間を利用しセットプレーから攻め立てるも、ゴールは奪えずに前半終了を迎え。

ハーフタイムでさらに動く千葉。
1トップで孤立を強いられる小森をサポートすべく、椿→林へと交代して4-3-2へとシフトします。
2列目は品田のアンカーで、右に横山・左にエドゥアルドという形に。

その効果を早速表し攻め立てる千葉。
薄くなるサイドはSBが果敢に上がる事で埋め、何とか人数を掛けての攻めに持ち込まんとします。
後半4分、左での組み立てからエドゥアルドがサイドチェンジを通し、受けた高橋壱がカットインを経てミドルシュート。
ブロックされた跳ね返りから、尚もエドゥアルドがエリア内へミドルパス、横山が抜け出してシュートを放ったもののオフサイドで無効となり。(シュート自体もGK後藤雅がセーブ)

立ち上がりから攻められる状況となった山形ですが、それでも落ち着いた立ち回りは崩さず。
守備時は自陣で中央重視に固め、逆に攻撃時は保持を重視しながらの前進で相手を自陣に押し戻し。
これにより、千葉にとっては「自軍が退くのは止むを得ず、相手が退くのは避けなければならない」という難しい展開に。

唯一無二の好機が13分、山形が右サイドで保持する所、小森がバックパスを遮断してのショートカウンター。
パスを受けた林が中央からエリア内へ進入し、コースを探した末に放たれたシュートはブロックを掠めてゴール上へ外れ。
続くCKからも跳ね返りを横山がミドルシュート(GK後藤雅キャッチ)と、フィニッシュに繋げる事は繋げますが、山形の最後の壁を突破するには足りず。

ピンチは何度かあれど、着実に時間を進める山形はその道中、土居が降りてボールを受けるという色を高め始め。
前半は國分が中に絞ってその役を務めていた事が多く、この時間帯(20分辺り)で役割交代のような形となり、これでさらに高まる保持の安定度。
無理を承知でプレスに出る千葉2トップの間を巧みに通し、無効化していくビルドアップで、全体もリトリートによる激しい上下動を強いられていく千葉。

何とかしたい千葉は23分、GK後藤雅にフィードを蹴らせて回収という形で、山越の跳ね返したボールを横山が足下でフリックして高橋壱に渡し。
右ワイドからカットインの姿勢でクロスを上げる高橋壱、クリアが小さくなった所を逆サイドで小川がボレーシュート。
しかし左サイドネット外に終わり、どうしてもゴールが遠く。

28分に山形ベンチが動き、土居・國分・ディサロ→高橋潤・坂本亘・後藤優と一挙に3枚替え。
早速その直後の29分に、パスワークから左ワイドを取った坂本亘、戻してのパス&ゴーでポケットを突く決定機に。
高江エリア内へパス→高橋潤フリックで受け直し、短いカットインからシュートを放ったもののふかしてしまい決められず。
それでも保持重視から前への意識を高めるような前線の駒の変更で、反転攻勢を仕掛ける絵図。
つまりは止めを刺しに掛かる交代の格好となりました。

千葉にとってこの相手の変節は予想外だったっぽく、30分にはラフな最終ラインでの繋ぎを余儀なくされた所、バックパスをエリア内で受けたGK鈴木椋のタッチが大きくなり高橋潤が拾うという慌てぶりが伺える事態に。
そして右ポケット奥へと切り込んだ高橋潤ですが、すかさず入れられたグラウンダーのクロスには流石に周囲の上りは追い付かず。

これを見たベンチも交代準備をしましたが、結局は間に合わずの形で迎えた35分。
右サイドでの組み立てから、戻してサイドを移すというパスワークでまたも左ワイドで坂本亘が持つという流れ。
しかし今度はポケットへの1タッチパスを選択した坂本亘、そのままパス&ゴーで高橋潤のポストプレイに走り込み、シュートも1タッチで放たれた結果ゴールに突き刺さります。
完璧な崩しに必死のシュートブロックも間に合わないという千葉ディフェンスの絵図に、文字通り止めの4点目となりました。

キックオフの前に千葉は準備していたカードを切る(横山・エドゥアルド→杉山・ドゥドゥ)も、時既に遅しとなり。
一方山形も、準備していた南を投入します。(高江と交代)

こうなると諦めを見せない(見せられない)以上、意地でも1点を返しにいかなければならない千葉。
高目に位置取る高橋壱を軸に仕掛けるも、結局はクロスを入れる位置が高くなった以上の効果は出ず。

逆に39分、イサカのラフな裏へのロングパスを、GK鈴木椋が前に出て処理した所トラップを後藤優に拾われるという情けない絵図が。
空となったゴールを受け、右ワイドという位置ながらもそのまま単騎切り込んで遠目からシュートにいく後藤優。
それを品田が必死でブロックするも、開かれた腕に当たってしまいハンドとなり、警告付きで何とか止めるという形に。
このFKからも、クロスの跳ね返りを回収すると、ボックス内を伺いつつも長らく続く保持に入り相手の攻撃機会を減らす立ち回りを貫く山形。
(42分に山田→坂本稀へと交代)

43分、上がった左SB小川へのロングパスから、セカンドボールを繋げて中央から小森がシュートチャンスに。
しかしそのミドルシュートはミスキックとなり、力弱くこぼれたボールをGK後藤雅がキャッチと、走り回った事で既に余力も無い状態のポイントゲッター・小森。
そしてその絵図から、既にチーム全体も得点への機運が無い事は明らかでした。

ATも諦めずに攻め立てた千葉ですが、結局最後までゴールを奪う事は無く。
4-0のまま試合終了の時を迎え、シーズンを戦った断が下される時が訪れます。
勝利した山形はPO圏が確定、ならびに岡山が引き分けたため4位浮上。
敗れた千葉は、仙台が勝利したため7位に転落、即ちPO出場はならずというそれぞれの運びになりました。

力及ばずとなってしまった千葉、これで(前年までの)ヴェルディを上回る、「オリジナル10」で最多のJ2暮らしとなる事が確定。
クラブの体質を変えても、再び「惜しくも昇格出来ない」シーズンの連続を強いられる、無間地獄のような感じですが脱出の術はあるかどうか。

一方過去2年をも上回る、ホーム(NDソフトスタジアム山形)でのPOスタートを迎える事となった山形。
9連勝でフィニッシュ、その間のスタメンは負傷の西村が城和に入れ替わったのみという、まさに盤石な形での出場権獲得。
それだけに3週間というブレイクは逆にノイズとなる恐れが高いですが、好調を保つべくの渡邉晋監督の策は如何に。

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