強風吹き荒れる中での一戦。
開幕から秋田・相模原と、日程の悪戯で昇格組との連戦になった群馬。
開幕節・秋田戦では、先制したものの追い付かれ、相手のプレッシャーに晒される試合。
アフタージャージを幾度も受ける等苦しみながら(その後平尾がやり返したりもしましたが)も、後半に勝ち越しての辛勝。
続く2節・相模原戦、秋田と似通った守備重視の相手ながら、秋田程のプレッシャーは無く試合内容で圧倒。
シュート数22本と蜂の巣状態を築いたものの、肝心の得点は最後まで奪う事が出来ず、手痛いと言うべき引き分け。
凸凹のような内容と結果ながら、勝ち点はとりあえず付いて来た滑り出し。
自身も昇格組であった前年の戦いを幾ばくか思い出しつつ(?)、迎えた第3節。
この日は(画面から見て)左→右への風の強さが凄まじく、ユニフォームや副審・コーナーのフラッグが常に靡いているという状況。
しかもセットプレーの際は、セットしたボールが転がってしまう程の環境とあり、集中力を保つのに難儀する事を強いられます。
群馬はホームながら、ある意味「出たとこ勝負」の昇格組との戦いを切り抜けたと思ったら、自然の猛威にさらされつつ戦わなければならなくなりました。
それでも風上に立った前半の群馬、それを味方にしつつ琉球を押し込む立ち上がり。
前半2分、内田の縦パスから青木のポストワークを経て、加藤がエリア手前中央からミドルシュート。(ブロック)
これがコーナーキックとなり、群馬のセットプレー攻勢に突入。
しかし最初のCKこそ、大前のニアサイドへのクロスを藤井がフリック気味にヘディングシュート(ゴール前で琉球・沼田がブロック)しましたが、その後はキッカー・大前が強風に苦しめられ。
クロスが直接ゴールラインを割る事2度。
押し気味ながら、8分に内田の縦パスを受けようと走り込んだ吉永が、大前と被ってしまい受けられないなど今一つリズムに乗れていないような群馬。
一方、強風とともに群馬の圧力を受ける立場となった琉球。
ロングフィードの押し戻され方が半端ない状況ながら、持ち前のポゼッションスタイルを駆使してペースを掴まんとします。
しかし群馬の、水ならぬ風を得たような勢いを止める事は難しく。
15分過ぎから琉球陣内奥からのスローイン攻勢に入り、その最中の18分。
右サイド奥から岩上のクロスが入ると、中央で大前が跳び込んでのヘディングシュートを放ちましたが、ゴールバーを直撃してしまいモノに出来ず。(こぼれ球を岩上がシュートも枠外)
以降も群馬が主導権を握り、逆風の琉球の攻撃は強引に後方から縦パスを入れるも、結局繋がらずというシーンが目立ち。
そんな流れのまま飲水タイムが挟まれると(24分)、以降はベンチのアドバイスもあったか、琉球がこの環境に適応を見せ始めます。
グラウンダーの縦パス主体ながらも、要所で浮き球のパスも使いつつ。
戻される性質にも慣れを見せ、攻撃権を掴み始めます。
35分には自陣からのフリーキックで、岡﨑のロングフィードに池田が跳ぶも頭を越えましたが、風で戻ったボールが丁度池田に収まり。
そして阿部→清水と繋がり、エリア内から清水がシュート。(ブロック)
その後CK攻勢にも入った琉球ですが、こちらも強風でキッカー上里が難儀。
全部左サイドでアウトスイングとなったのも災いし、最後の方はショートコーナーに切り替える有様。
これで流れが変わり、再び群馬が攻め上がり、再度CK攻勢に。
ここから久保田のヘディングシュート(41分・枠外)が生まれたりもしましたが、モノにならないまま前半終了の時を迎えます。
結局前半だけで7本CKを得た群馬でしたが、無得点のままコートチェンジとなり、向かい風での戦いに突入する事に。
開幕から連勝スタートの琉球。
2試合とも前半に先制し、リードを守り切っての先行逃げ切りでの勝利となりました。
特に開幕節(磐田戦)は、被シュート数20本にものぼる等守勢を強いられましたが、ここで勝ち点3を得られたのは大きかったでしょう。
この日は一転して、前半は得点どころか環境に適応するのに精一杯な内容。
しかし開幕節のような粘り強さを発揮し、ゴールを許さずに無事に切り抜ける事に成功。
攻撃サッカーを謳うチームとは裏腹に、守備の堅さが光っているこれまでの戦績。
理想の追求とともに、勝負に拘った立ち振る舞いも厭わない、といった姿勢の現われか。
J2昇格を果たして3年目とあり、そろそろ大なる結果を表す時が来たのでしょうか。
その琉球が、久々のスタメンとなった富所をハーフタイムで退かせて(風間宏希と交代)迎えた後半。
向かい風を受ける群馬のキックオフ、いきなり蹴り出して相手陣内左へと出し、ボールを捨てるリスク軽減の振る舞いを選択。
そんな及び腰の相手を余所に、追い風を得て攻め上がる琉球。
後半1分、自陣エリア内で風間宏希右へロングパス→阿部足でフリックして奥へ→右サイドで風間宏矢クロスと、早速伸びるボールというアドバンテージをふんだんに生かした攻撃を見せます。
しかし5分から群馬は再びCK攻勢に突入し、通算9本目のCK。
ニアサイドへのクロスを藤井がループ気味にヘディングシュート、GK田口がキャッチするもこぼし、エリア内で渡辺が拾う好機でしたが追撃のシュートは撃てず。
直後には琉球もCK攻勢で、10分の右CK。(後半から、左からのキックは風間宏希が務める)
上里のクロスがクリアされたボールを、池田が叩き付けるボレーシュートを放ちましたが枠を捉えられず。
追い風という要素があっても、立ち上がりの後は普段の持ち味通りにショートパスを繋いでの攻撃をブレずに敢行する琉球。
時折ミドルシュートを狙いつつ(3分に上里が、9分に風間宏矢が放つ)、群馬陣内でパスを繋いでクロスを入れる攻撃で相手守備を脅かしていきます。
キックオフしかり、風に人一倍神経を使っていたかのような群馬、そんな中で琉球のパス主体の攻撃に耐え続けるのは並大抵の事では無く。
迎えた19分、右サイド手前から田中恵太のクロスが上がると、ニアサイドの池田の頭を越えて中央へ。
清水が走り込む所を、GK松原が岩上と交錯しながら何とか弾きますが、エリア内左で田中稔也が拾ったボールに反応しシュートしたのは阿部。
GK不在のゴールに吸い込まれ、待望の先制点を獲得します。
一方追い掛ける展開となった群馬ですが、再度のキックオフは再びボールを捨てるキックを選択。
相手のスローインを高めの位置で奪うのが理想だったのでしょうが、琉球のボール回しに対しプレスを嵌められず。
逆に琉球が攻める展開となり、23分には右サイドでパスを繋いだのち、阿部が中央遠目からシュート。(枠外)
直後に挟まれた飲水タイムを経て、群馬は田中稔→北川へと交代。(FWに入り、青木がFW→右サイドハーフへシフト)
琉球サイドも27分に動き、清水・風間宏矢→清武・赤嶺へと2枚替え。
4-2-3-1から4-4-2へとシフトし、池田が右SHへと回り阿部・赤嶺の2トップへと配置転換。
双方交代策を経て、先にチャンスを得たのは群馬。
29分右サイドでのスローインから、岩上のクロスがこぼれ球となった所を大前が拾いシュート。
ブロックされるも尚も左サイドで繋ぎ、吉永のクロスをファーサイド奥で北川がヘディングシュート(GK田口セーブ)と連撃を浴びせるも、ゴールは奪えず。
尚も32分に青木→高木へと交代を敢行した群馬、同点を狙いに攻め上がり。
右サイドでは岩上のロングスローも交える、なりふり構わない姿勢も見せます。
時間も押し迫り、ここまで来れば風という要素も気にしている場合では無く。
しかしそんな意識の薄れが少なからずあったでしょうか、一瞬の隙を琉球に突かれたのが39分でした。
左サイド浅めでパスを繋ぐ琉球、何度かの沼田・上里のパス交換ののち、かなり手前の位置から沼田がクロス。
風にも乗ったこのボールがニアサイドの阿部へと合い、後ろ向きで放った阿部のヘディングシュートはループの軌道でゴールに向かうも、右ゴールポストに当たって跳ね返り。
しかし赤嶺が詰め、貴重な追加点を得る事に成功しました。
手痛い失点で2点ビハインドとなった群馬。(ちなみに3度目のキックオフも、左サイドへボールを捨てる選択)
総攻撃の姿勢を見せるしか手段は無く。
何度か攻撃機会を得るものの、45分に琉球のカウンター(清武ドリブル→右サイドからクロス→ファーで阿部折り返すもGK松原キャッチ)が生まれたのを切欠に、アディショナルタイムは琉球の時間に。
CKから琉球の決定機が生まれ、キッカー風間宏希のクロスがクリアされるも、ファーで知念の折り返しからさらにこぼれ球となり、上原慎也(沼田と交代で出場・44分)が至近距離でシュート。
GK松原がセーブし、跳ね返りをさらに知念がシュートするも、松原の後方で岩上がブロック。
さらに阿部が折り返すもクリアと、際どいシーンを演出。
何とか3点目は防いだ群馬ですが、既に勝利は絶望的となっていました。
AT中に最後の交代枠を使い(田中恵→上原牧人に交代)、ラストプレーは清武のロングシュートで締めた(枠外)琉球。
悪条件・しかも逆らえない自然という要素にも負けず、3連勝を達成する運びとなりました。