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DAZN観戦 2024年J2リーグ第36節 ブラウブリッツ秋田vs大分トリニータ

2024-10-30 16:48:55 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(30節・岡山戦、1-0)
※前回の大分の記事はこちら(34節・長崎戦、1-4)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • GK猪瀬の負傷が発表され、9/30に発生して全治約12週間との事。

<大分スタメン>

  • 前節(水戸戦、0-0)は弓場アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、今季も同メンバーで挑むものの、守備時は5-4-1の絵図が多いので3-4-2-1と判断。
  • 30節(山形戦、0-3)で負傷交代した伊佐の詳細が発表されるも、治癒期間は未発表。

前節で、昇格への道は完全に閉ざされる事となった秋田。
パワーサッカー一辺倒ながら、ここまで善戦して来たのは天晴れという他無く。
昇格せずにしても、ここまで4年間J2中位を維持する事となり、持続可能なクラブという面も合格点。

そんな訳で残り3試合、その独特のスタイルを貫いて戦い抜くのみとなりましたが、この日は目の前に鏡が現れたかのような試合となり。
つまりは、自分達と同様のスタイルで挑まれた時の想定をしていたかどうかが試される事に。

大分は周知の通り降格圏から一つ上の17位で、残留争いの行方を最も左右するクラブ。
長崎戦での大敗がよほど応えたか、前節はガラリとスタイルを変え、ひたすらロングボールを裏へ送る攻撃に終始。
その姿は秋田のパワーサッカーそのもので、残留に向けて失点リスクを減らしたうえで、手数を掛けずにゴールを狙う戦いへと変貌を見せ。

そして今節も同様の姿勢で挑む大分により、奇しくも同じスタイルでのぶつかり合う事となりましたが、やはり秋田サイドはそれに慣れていなかったようであり。
これまで散々秋田相手に苦戦を強いられたチームの亡霊が、自分達に襲い掛かって来る事となりました。

ひたすら縦に速い攻めでアタッキングサードを突き、タッチラインを割れば(屋敷が)ロングスローを繰り返すという、まさに自分達がやって来た事をやられる一日となり。
そんな大分の姿に度肝を抜かれたのは、前半13分まで一度も攻撃機会を得られないという内容にもしっかり表れ。(ロングスローに対しては、佐藤大が手前の位置で跳ぶという対策を採っていたが)
11分にこの日初のコーナーキック(右CK)を得た大分、キッカー野村はグラウンダーのクロスを選択、走り込んだペレイラがシュートと意表を突くもここは岡﨑のブロックに阻まれ。

秋田は何とか意識を建て直し、スローインからの組み立てでファイティングポーズを取り戻しに掛かり。
15分に自陣から左スローイン→小松フリック→梶谷収めてバイシクルで裏へ送るという流れで、縦に速い攻めに持ち込み。
その流れで16分、再び左スローイン→小松フリック→梶谷収めで決定機を迎え、左奥からの横パスを受けた小野原がシュート。
しかしGKムンキョンゴンのセーブに阻まれ、同じサッカーで先輩格を発揮するべくのリードは奪えず。

お互いにペースを掴んだ事で、サッカーの内容と相成って乱戦気味の展開に。
しかしそれが珍妙な絵図を生み出す事にも繋がり、22分に大分は中盤で素早いパスワークから秋田のプレッシャーをいなすも、パスを出した野村が小野原にアフターチャージを受けた事による反則の笛で途切れさせられ。
一応小野原に警告が出されたものの、折角の好機をフイにされる形は消えず納得出来ない一幕に。
26分には大分の自陣での左スローインという局面で、投げ入れようとしたデルランが、眼前に位置取る畑に困惑するという絵図が。
スローイン対策で限界まで寄せる秋田の体制が招いたものなのは当然として、デルランも長い助走から飛距離を飛ばすスタイルなため、助走距離を加味しての位置取りに対しジャッジする方も難儀という印象を受けました。

そんな空気が引き摺られたのが拙かったでしょうか。
30分、例によって大分の裏へ送るロングボールに対し、岡﨑がヘッドでGKへバックパス。
しかしこれをGK山田はまさかのファンブルを犯してしまい、追ってきた鮎川に掻っ攫われる事態を招く痛恨のミスに。
当然無人のゴールに蹴り込む鮎川により、スコアが動く事となりました。

これでリードを奪った大分、ますます秋田と瓜二つのスタイルに拍車が掛かり。
32分に秋田の攻撃を凌いだのち、こぼれ球をデルランがバイシクルで前に送る事で縦に速い攻めを開始、左サイド奥をドリブルで突いた鮎川がクロスに辿り着いてCKに持ち込むという具合。

33分に小野原がデルランとの交錯で倒れるも、笛は鳴らずプレーは継続。
ボールキープする屋敷を佐藤大が反則で止めて途切れるなど、秋田は得意だったはずのパワー・デュエルの面でも押され気味なのは否めなくなり。
小野原は無事に起き上がるも、これで大分の中盤からのフリーキックで再開となり、当然放り込みを選択する「秋田もどき」の大分。
このセカンドボールを右サイドで拾った屋敷、中央へ縦パスを打ち込むと、ニアで鮎川が脚でフリックしたボールがペレイラに収まる絶好機に。
これを小さくエリア内へ送ったペレイラ、裏抜けした鮎川の前で反応したデルランが保持の体勢から身を倒してボレーシュートを放つと、ゴール右へと突き刺さります。
鮎川に蜂須賀が釣られて下がった事でオフサイドにもならず、セットプレーからの混戦という相手のお株を奪う追加点を得た大分。

秋田はホーム(ソユースタジアム)でその秩序立った戦いぶりを見せ付けるはずが、逆に相手にそれを見せ付けられての2点ビハインドとなり。
その後何とか反撃に転じ、先程の決定機のようにサイドでの前進から、長身の小野原がターゲットとしてエリア内に入り込むという攻撃に活路を見出し。
しかしフィジカル重視で選ばれた大分ディフェンスにより中央も堅く、ゴールには至りません。

そして迎えたアディショナルタイム、攻めあぐねているうちに大分にカウンターを許し決定機という痛恨の展開が再び。
ここも左サイドから切り込むも戻して作り直しと、普段の秋田らしくない姿勢が招いたもので、攻め直しのロングパスが跳ね返されたのち野村に渡り。
野村は浮かせてのボールキープでゲーゲンプレスをいなし、そして送られたスルーパスで完全に裏を取った鮎川が左ポケットへ切り込み。
これで3点目かと思われましたが、放たれた鮎川のシュートはゴール左へ僅かに外れ。
しかもこの際に軸足を捻ってしまい倒れ込む鮎川、それにより治療と担架が入る事態にまで発展してしまい。
鮎川は起き上がり自力でピッチ外に出るも、そのまま前半終了の時を迎え、そしてハーフタイムで交代とこの決定機逸が高くついた格好となりました。

0-2で後半の開始を待つのみとなり、大分は鮎川に代えて渡邉と動く事を強いられたハーフタイム。
これでホームの秋田は流れの変化を期待したかったですが、現実は非情という事を思い知らされます。

入りの後半1分、大分は秋田の攻撃を切って自陣で保持の体勢に入ると、冷静に野村バックパス→野嶽左⇒右へのサイドチェンジでゲーゲンプレスを回避。
そして茂スルーパス→保田走り込んでクロスと、やはり展開される縦に速い攻撃。
2点リードもあり、大分に保持+リトリートの意識も加わった事で、秋田はますます攻撃機会の減少を強いられる状況に。
マイボールとなっても、最終ラインでボールを持たされ地上でのパスワークを余儀なくされる、秋田にとって屈辱的ともいえる時間も増え始めます。

躍起になってプレスを掛ける秋田に対し、大分は前述のようなサイドチェンジなど、左右に大きな展開を繰り広げるようになり。
10分に得た右ワイドでのFK、キッカー野村のクロスが流れたのち、左奥で拾った渡邉から再度上がるクロス。
これが高くファーに上がり、大分選手全員を越えてまたも流れるか……と思った所に、大外に走り込んで折り返したのは先程クロスを入れた野村。
結局シュートには繋がらずも、リードと余裕を得た事で本来のスタイルを取り入れる柔軟性も見せ付けていきます。

秋田は後半の立ち上がりも攻撃機会を得られない時間が続き、最初に得たのは13分と前半と全く同じな展開に。
そして珍妙な展開は引き継がれ、15分に再び自陣でデルランがスローインをする所、助走を付けて投げ入れたのちに事案が発生。
フォロースルーした腕が例によって近場に位置取っていた畑にぶち当たるという絵図が生まれると、デルランの反則が取られて秋田のFKと、レアシーンへと繋がってしまいます。
これは前半のうちに、主審が両名に注意を与えておいて欲しかった所であり。

一向に反撃の機運を高められない秋田、18分にベンチも動き才藤・畑→水谷・河村慶へ2枚替えを敢行。
しかし効果は現れず、20分に発動される大分のカウンター。
右ポケットへのスルーパスに走り込んだ保田がクロス、クリアされた事でCKに持ち込むと、時間を使うようにCK攻勢に。
この日は入りから、セットプレーになると時間を掛けてセットに入る事を貫いていた大分、出来るだけアクチュアリープレイングタイムを減らす事に努め。
ここから3度CKを続けたのち、屋敷のロングスローも2本続けるなど、狙い通りに時計を進めていき。

しかしこの2度目のロングスローで、クリアした秋田のカウンターが発動。(26分)
それもスルーパスに蓋をした茂に対し、スピードで追い抜いた梶谷が受けてエリア内に持ち込むという身体能力を発揮しての好機。
左ポケットでシュートチャンスが訪れた梶谷ですが、追走してきた茂を切り返しでいなす事を選択した結果、野嶽にこぼされて撃てずに終わってしまいます。

直後に大分ベンチも動き、野嶽・屋敷→吉田真・宇津元へと2枚替え。
すると秋田も28分に再度交代、小野原・小松→大石・中村へと2枚替え。
ボランチを1枚退かせた事でポジションチェンジを予想し、実際その通りに水谷がボランチに入り。
しかしもっと大胆に動いて来たようで、今季になって時折行われる3バック(3-4-2-1)への布陣変更を敢行してきました。
即ち3バックは蜂須賀・岡﨑・河野で、ウイングバックは右に河村慶・左に大石という後方の布陣となり。
それでも攻撃時は蜂須賀が上がりっぱなしになるなど、あくまでサイドの駒を増やした結果という思惑が見て取れました。

実際右サイドに、それまで両ワイドだった河村慶と佐藤大が縦に並ぶ見慣れない状態となり。
大分サイドが惑わされているうちに何とか得点に辿り着きたい秋田、32分に左→右へのサイドチェンジを受けた河村慶、奥に切り込まずにカットインからのアーリークロスを選択。
これがファーサイド奥に上がるボールとなり、大外から大石が走り込んでくる布陣変更の効果が現れかかりましたが、その手前で梶谷がヘッドで合わせた結果撃ちきれずに終わってしまいます。

結局この機会を活かせず、停滞感が露わとなる秋田。
最後の手は40分で佐藤→喜岡に交代、DFの喜岡を入れた事で岡﨑が最前線にシフトと、ターゲットを増やす策を採ります。
大分も同時に野村→池田へ交代し。

直後の41分に左CKに辿り着くと、まだ時間が残っているにもかかわらず、GK山田が上がってきてエリア内へ入り込み。
2点差をどうにかしたいという意思の表れ(あるいは自身のミスを取り返したいという山田の独断か)なのは当然で、その効果が現れたか、二次攻撃で左サイドを突破して大石が奥からクロス。
これを中央で河野がフリック気味に落とした所、中村が足で跳び込んで合わせましたがシュートは右ゴールポストに当たり跳ね返り。
ディフェンスがクリア出来ずこぼれたボールに、岡﨑が追撃し強烈なシュートが放たれるも、今度は左ポストを直撃。
クリアボールを水谷がミドルシュートに持ち込みましたが、これもデルランのブロックでラインアウトと、ついに訪れた決定機に叩き込み続けましたがゴールは奪えず。
この際ペレイラと交錯して痛んだ岡﨑ですが根性で継続、再度のCKからシュートを放つ(ブロック)など、緊急FWに恥じない働きを見せ。

しかし無情にもゴールに辿り着けない秋田。
ATでは散発的にクロスを送るものの、途切れると大分の時間稼ぎのターンに持ち込まれるなど、最後まで本領を発揮できなかったこの日の攻撃。
大分の最後の交代は弓場→藤原(43分)で、徹底的に中央をフィジカルで固めて守りきる体制を築き。

そして試合終了の笛が鳴り、0-2で勝利したのは大分。
スタイル変更が実を結んでの勝ち点3で、これにより19位・鹿児島の降格が決定。
これに加え、もう一つの降格圏・18位に位置する栃木も、敗戦した(清水戦、0-1)事で降格決定の運びとなり。
即ち、目出度く残留を決定させる勝利となりました。
残り2試合は、来季への道筋のため、無理矢理気味に変更されたスタイルにどう落とし所を付けるのかの戦いとなるでしょうか。それが果たされなければ今季序盤の徳島のようになりそう

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