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DAZN観戦 2021年J2リーグ第27節 京都サンガFCvs東京ヴェルディ

2021-08-30 16:50:16 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(21節・長崎戦、0-2)
※前回のヴェルディの記事はこちら(23節・愛媛戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

中断前を首位で折り返した京都。
現在は磐田の後を付ける2位に甘んじている(暫定)ものの、前年から掲げられている「今年こそJ2優勝」という断幕が相応しい状況に……という事を、2年前にこのブログで書いた記憶があり。当時の記事

2年前は中田一三監督の下、ポゼッションサッカーとハイプレスによる守備を主軸として、手探りな状況ながらもスタイルを確立。
しかし前年を引きずった選手構成故、スタイルに適合した選手の層の薄さで以降失速、昇格を逃す末路を辿ってしまいました。
今季は当時よりも尚ハイプレスに特化したスタイルながら、曺貴裁(チョウキジェ)監督就任と同時に、そのスタイルに見合った選手達を補強とオフから積極的に動き。
クラブが一丸となって昇格を目指す姿勢を開幕前から通し、そして結果に繋げるという判り易い歩みを演じています。まあ2年前はそもそも前年降格寸前だったチームだけに一本芯が通らないのは仕方ないですが

チーム作りが間違って居ないという事を証明するかのように、夏の補強はイスマイラ一人だけ。
しかしその一人の質が凄まじく、スーパーサブとして定着し、早くも貴重な戦力の一員となっているイスマイラ。
試合中止が交わり2試合のみながらも全勝という成績を残している中断明け、好調を維持できるか。

前半1分のヴェルディ、左サイド裏へのロングパスから、抜け出そうとした杉本が反則を受けてフリーキックに。
ここからキッカー佐藤優平のクロスを、中央でジャイルトン・パライバが跳び込んでヘディングシュート。(オフサイドで無効に)
先制攻撃を仕掛けたものの、以降は基調であるポゼッションが冴えず、京都のハイプレスの前に思うようにボールを繋げないシーンが目立ち。
京都もボール奪取するも、前線でのパスがズレてフィニッシュに辿り着けず。
その間にヴェルディは得意手を諦め、カウンターに近い攻撃に活路を見出す事となります。

具体的には最初の攻撃で顔を出した、左サイドの裏狙いを鋭化。
この日は得点源の小池が不在という状況故、左ウイングの杉本をロングパスで走らせる手法に活路を見出します。
10分には端戸のポストワークから、左サイドで受けた杉本がそのまま前進からカットイン、そしてシュートを放ちます。(ブロック)

しかし京都が攻撃権を支配する状況で、その圧が襲い掛かり。
ヴェルディの肝となっていた左サイドとは逆、つまり京都左サイドからの攻撃を目立たせていきます。
その原動力は左サイドバックの荻原で、12分には右サイドでのパスワークを経て、左ハーフレーンで受けて前進。
そしてピーター・ウタカとのワンツー(アウトサイドでパスを出したウタカ)でエリア内を急襲、シュートを放つもGKマテウスがセーブ。(その後福岡が詰めるもシュートはミートせず)
14分も敵陣で武田のボール奪取から、中央での細かい繋ぎを経て最後は荻原がシュート(GKマテウスセーブ)と、積極的にゴールを脅かしていきます。

それでもヴェルディは冷静さを保ち、荻原の前掛かりな姿勢を突くように、今度は右サイドで裏狙い。
小池不在ながら、この日はパライバがスタメンで、彼の突破力は説明不要であり。
それが実ったのが20分で、京都のプレッシングで自陣深くに押し込まれながらも、(半ば苦し紛れに見えた)ンドカ・ボニフェイスのロングパスがパライバに渡って状況が一変。
右サイドで受けたパライバがスルーパスを送ると、完全に京都ディフェンスの裏を取る形となり、走り込んだ梶川が中央へ横パス。
そして受けた端戸がエリア内でシュートを放ち、GK若原の脚に当たるもゴール左へと突き刺さり、カウンターを完遂。
京都にとってはまさに全てをひっくり返されたという形で、ヴェルディが先制点を挙げました。

しかし主導権は依然京都にあり、23分には再び荻原がシュート、ブロックされて以降コーナーキックが3本続き。
3本いずれもシュートに繋がりましたが、惜しかったのは2本目で、ショートコーナーを経てエリア外側を回した末に中央から三沢のミドルシュート。
ヴェルディ・ンドカが身体でブロックし、こぼれ球を尚も荻原がシュートしましたがまたもンドカが足を伸ばしてのブロックで防ぎます。
ギリギリの凌ぎを強いられるヴェルディ、何とかリードを保って飲水タイムへ。(25分)

ビハインドとなった京都は、ブレイク明けに微調整。
この日アンカーでスタートした三沢が、以降ビルドアップの際は上がり目に位置し、福岡・武田にボランチ役を任せるシーンが目立ちます。
つまり4-1-2-3から、4-2-1-3or4-2-3-1のような形へとシフトしたでしょうか。

しかしその後はヴェルディが裏狙いを貫き、パライバを中心として京都ゴールに迫り。(31分には若狭のスルーパスを受け、エリア内右奥へ切り込んでシュート・ブロック)
攻守交替かと思われましたが、京都もペースを落とさずに攻撃。
35分に荻原が左サイドから切り込んでエリア内左を襲いクロス(GKマテウス直接抑える)と、相変わらずキレのある攻撃をチームに与える荻原。
それでもゴールは奪えない京都、アディショナルタイム最終盤にはヨルディ・バイスのミドルシュートが放たれるもブロックに阻まれ、前半を0-1で折り返す事となります。

それでも相手は、5戦連続でリードを守り切れず未勝利という最中のヴェルディ。
後半に勝算を得るには十分な内容の京都、それを手中に手繰り寄せるべくハーフタイムに選手交代。
三沢→イスマイラへと交代と、早くも逆転のために投入されたイスマイラ。(4-4-2へとシフト?)

後半、ファーストシュートを放ったのはヴェルディ(杉本のボール奪取+突破から、中央で端戸がシュート・枠外)でしたが、目立ったのは京都のプレッシングの前に逃げるのが精一杯というヴェルディの最終ライン。
特に投入されたイスマイラのチェイスが強烈で、それを受けて何とかタッチラインに逃れるというシーンが2度。

着実に京都の圧力がヴェルディにダメージを与えつつあり、迎えた後半11分。(10分に京都は荻原・武富→本多・荒木へと交代)
自陣での荒木のボール奪取からウタカへ渡ると、そのままドリブルで持ち上がり、エリア手前で中央へと切り返したのちミドルシュートを放ったウタカ。
ボールは綺麗にゴール左へと突き刺さり、ゴールハンターに相応しい存在感を見せ付けて同点に。
助っ人パワーに屈した形となったヴェルディでしたが、悪夢はここからでした。

尚もキックオフ直後、イスマイラがボール奪取し、ウタカのリターンを受けてエリア内でシュート(ブロック→GKマテウスキャッチ)と攻めかかる京都。
外国人選手の圧力を浴びせると、それを占めたのはもう一人の男でした。
15分に左CKを得た京都、キッカー松田の中央へのクロスをイスマイラが合わせに行き、ヴェルディ・ンドカとの競り合いを経てファーサイドにこぼれ。
するとバイスの足下に行き着き、すかさずゴール上部に蹴り込んだバイス。
ヴェルディにとってはどうする事も出来ない流れ・形のようで、たちまち逆転を果たした京都。

さらに18分にはイスマイラが、ウタカのスルーパスにエリア内へ走り込んでシュート。(GKマテウスキャッチ)
20分にも、福岡のスライディングでのボール奪取からイスマイラがエリア内に進入してシュート(GKマテウスセーブ)と、流れは止まらず。(19分にヴェルディは加藤・パライバ→山本・山下へと交代)
ウタカとバイスがゴールした事で、自身も果敢に得点を狙わんとフィニッシュを浴びせるイスマイラ。

そしてその姿勢が報われたのが22分。
自身のプレッシングも生きた形で中盤でウタカがカットしてドリブルで前進、エリア内へラストパスを供給し、そしてそこに走り込むイスマイラ。
3度目の正直でシュートをゴール左へと突き刺し、助っ人3人揃い踏みのゴールを達成。
僅か12分で3点を奪った京都、一気にホームスタジアムを勝利への進軍へとムードを変える事に成功しました。

一方、この日もリードを守れずとなったヴェルディ。
飲水タイム後も京都のプレッシングを受けつつも、それを剥がしてビルドアップと、ようやく自身の特徴を前面に押し出すスタイルへ。
しかしモチベーションが高まり帰陣も速い京都、ボール支配を高めるだけでは「ただボールを持たされるだけ」という流れとなり、攻めあぐねてしまいます。

その隙を突いて尚も京都がゴールを脅かす場面が目立ち、31分にはウタカがシュート。(GKマテウスキャッチ)
35分には自陣右からのスローインが直接裏を取る形となり、エリア内で受けたウタカが切り返しからシュート。
ブロックされた跳ね返りを曽根田(松田と交代で出場・30分)が詰めるもミート出来ず。
何とかヴェルディも36分、佐藤優のエリア内左へのスルーパスに端戸が走り込んでシュート(GK若原セーブ)と、反撃の機運を持ち込みつつ終盤へ。
そして38分に3枚替えを敢行したヴェルディ。(杉本・梶川・端戸→阿野・石浦・佐藤凌我)

以降は投入された阿野・石浦を軸にした右サイドで展開(山下が右WG→左WGへシフト)しつつ、右SBの浜崎が多彩な動きで攻撃に加わり。
44分に好機が訪れ、右サイドから石浦が左へサイドチェンジのパスを送り、カットに入られるも佐藤優が拾って攻撃継続。
浜崎も逆から加わってパスワークに参加した末、福村のクロスが上がると、ファーサイドで阿野がボレーシュート。
京都・本多がブロックした跳ね返りがゴールへ向かったものの、ゴール前でバイスがヘッドでクリアして得点ならず。
ATにも直接FKを得る(浜崎が直接シュートも壁に当たり枠外)等、ノーチャンスでは無かったヴェルディですが、2点差を跳ね返すにはパワーは足りず。
結局ゴールを奪う事は無く、3-1で京都が逃げ切り、磐田をかわして首位に躍り出る事に成功しました。

コメント
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